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神に愛されし者  作者: シューニャ
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アリシア グランフェルトの回想 後編

=============アリシア グランフェルト=============


================point of view===============


=================6時間前================



キャラバンは順調に進み、遂に赤熊騎士団が駐屯している、森林地帯に着いた。

荷物を降ろし準備を手伝っていると、待ちきれない騎士様が既に列をなしていた。

ビックリしたけど、みんな待ち遠しかったようだ。


小売商売を開始すると飛ぶように、商品が売れていく。

出発前は、売れ残るじゃないか?と心配したけど、

その心配は杞憂だったみたいだ。


一方他のキャラバンでは飲料水・食料 燃料 武器の手入れセット

 軍馬の飼料など、次々と受領書類が作成されていく。 


私は小売商売なのでお菓子や果物ジュース 裁縫セット 生理用品 化粧品 洗剤 ぬいぐるみに、ブローチなどのアクセサリー類を日用品を一角で販売していた。


こっちは女性の騎士様が特に多い。とはいえ、男性の騎士も多い。


「いやぁ~助かった日用品がないかっと思って焦ったが・・・」


「ほんとぉ!もう女性ものの商品ってあんまり売ってないだよねぇ~」


みんな思い思いの商品を買っていく。

基本的に騎士様のような高い身分の人たちは、現金を使わない。

身分証明書であり魔法具でもあるインテリジェンスカードで、マナ決算と呼ばれる支払い方法を使う。


これは一種の為替であり、騎士は現金を持ち歩く必要もないし、商人は襲われたとしても公営の金融機関でしか金品を受け取れないマナ決算では賊のたぐいが奪っても換金できない。


つまり賊にとっては高いリスクを背負って換金できない大きいキャラバンを襲っても意味がない。

だから商人にとっては、大きいキャラバンである方が安全・安心なのだ。

ちなみにインテリジェンスカードを読み取る魔道具は国からの貸付だ。


営業時間が終わりに近づき、人がまばらになった。すごくきれいな金髪の女騎士様が、ぬいぐるみにデレデレしている。気に入ってくれたようだ。


アリシア「そのぬいぐるみかわいいですよね。騎士様。」


騎士様は我に戻ったのか。咳ばらいをし、商品を置いて出ていく。


アリシア(しまった!・・・)


騎士様を怒らせてしまったかもしれない。


青ざめていると困った顔で背の高い男性騎士が話しかけてきた。

男性騎士「申し訳ない。団長に悪気はないです。レビィア団長は団長の立場ということもあり、ぬいぐるみを、おもってだって買えないのでしょう。代わりに私にそのぬいぐるみを売って貰えませんか?」


アリシア「えっ!あの方が、赤熊騎士団団長のレビィア・ロックハート様なんですか?」

無礼にも思わず質問してしまう。

アリシア「申し訳ありせんsdhfs わたし騎士様に無礼な態度をdkj」


背の高い男性騎士は、手で抑え笑いながら

男性騎士「ええそうです。申し遅れました、私は副団長のレフィン・マクドネルです。」


アリシア「副団長様・・・すいません!すぐにおつつみします!」

アリシアは目を回してしまう。

どうしよう商人の私が赤熊騎士団の偉い人に口をきいてしまった。


アリシア「出来ました。」

レフィンはアリシアが梱包している間に支払いを済ませた。


レフィン「ありがとう。それではこれにて、」

礼を言うと副団長は去っていった。


営業は無事に大成功に終わった。キャラバンは帰路に着くため引き返す。

「キャラバン隊の皆さんご足労ありがとうございました。」

騎士様たちは笑顔で手を振っている。


アリシア(来てよかった。・・・)


騎士たちの笑顔をみてアリシアは心からそう思った。

帰りは自警団だけだが、荷のないキャラバンを襲う人はいないだろう。

襲っても意味がない、盗めるものなんてないのだから・・・








==この時まではみんながそう思っていた。そうこの時までは==










赤熊騎士団の駐屯地を出発してしばらく経つ、森を抜けるまであと半分。

護衛A「順調だ。気になるのは日が暮れつつあることだが、この調子なら完全に日が落ちるまでに帰れそうだ。」


商人A「そりゃいい、いくら治安が良くになったとはいえ、夜の郊外を動きたくないからかな!魔物やモンスターに襲われたら笑い話にもならん!」


護衛B「おい!気を抜くな!まだ、帰っている途中だろう!」


商人B「はっはっは!旦那大丈夫ですって。よっぽどバカでない限り空っぽのキャラバンを襲う奴なんて・・・」


商人が軽口を叩いた次の瞬間だった。森で何かが光った。

護衛「ギャァッァァァーーーーーーーーー」


突然すごい悲鳴が森林に響く

商人「やぁ…やが、矢が護衛の首にさっさったぁぁぁぁ!!!」


護衛「敵襲だー!!すぐに防衛体制を・・・うぁぁぁぁぁ!!!」


商人「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!!!」

キャラバン隊は突然の襲撃に慌てふためき、散り散りなって逃げる。


アリシアには突然なにが起こったかわからなかった。

キャラバンが突然止まり、悲鳴が聞こえる。

アリシア「いったい何が起こったの?!」


状況を把握しようとキャラバンの馬車の中から顔を出し、周囲の状況を近くの人間に尋ねる。

護衛のひとりが叫ぶ!!


「しゅ!襲撃だぁぁ!!キャラバンの中央が攻撃を受け・・ぐわっぁぁ!!」


馬も人もパニックになり、バラバラに逃げていくのが見えた。


アリシア「に!に!逃げないと!!」


急いで馬車を出てみんなと一緒に赤熊騎士団の駐屯地に走り出す。

すると走り出した先の方で、悲鳴が聞こえた。


「あああぁぁあぁっぁあ」


待ち構えていたように、黒ずくめの男たち5人が木の陰から出てくる。

全身黒の衣装で統一された服に手には血に濡れた剣を握っている。

一緒に逃げてきた人の一人が叫んだ!


「ささ山賊だぁー!!!!」


引き返そうとすると後ろでも悲鳴が聞こえた!


「きゃぁぁぁぁ!!!!!」


見ると護衛の女性が、弓で射られ、もがき苦しんでいる。

後ろから、もうひとり黒づくめの男が歩いてきて、

護衛の女性に剣でとどめを刺すのを目撃してしまった。


黒づくめの男

「やれやれ全く手こずせるなよぉ。楽にカネが稼げねぇだろう?うん?」


両親を殺した男たちの動機がフラッシュバックする。

アリシア「ぃゃ!いゃ!・・・」

恐怖心で足がすくみヘタりこんでしまう。


商人の男性が腰を抜かして尋ねる。

「なっなにが、目的なんだ!!」

「このキャラバン隊は荷を下ろしたばっかりで、何も盗るものは・・・」


剣を突き付けて答える。

黒づくめの男「あるとも・・お前たちの命とかな・・・」

黒づくめの男は商人の男性の鼻を剣先で切りつける。


商人の男性「ギャァッァァァ!!!」


黒づくめの男 「どうだ死ぬのは怖いだろう?うん?」

商人の男性「頼む殺さないでくれ!!」

「私には妻と息子が・・・養っていかないといけない家族がいるんだぁぁぁ!」

命乞いをする男性。


黒づくめの男 

「ふぅん?・・・・まずまず合格だ。おぃ、野郎ども人質を取って撤収だ!!」

黒ずくめの男たち「へい!お頭!!」


数分もしない内に、黒ずくめの男たちは、人質をとって森へ消えていった・・・

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