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神に愛されし者  作者: シューニャ
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破綻した計画

いきなり実行する前に計画が頓挫してしまった。

他の四人は弱いうえ心身の状態が、かなり良くない。


朽ちた机の方も材質が、脆く加工はしやすいが、刺突武器としては心もとない。

これでは、怪我をさせることができても致命傷を与えることは出来ない。

一撃で殺せないと返り討ちに合うのが、関の山だろう。


振り出しに戻ってしまった。

計画が破綻したところで山賊ふたりが来た。


どうやら食事の時間だ。飢えて弱らせようとはしてないらしい。朗報だ。

といっても、ジャガイモのような芋、数個とカビ生えた臭い大きいパン一斤だが。


(まぁ、捕虜みたいなものだし、こんなものだろう。)


と思っていたが、抗議の声が響いた。

人質の男二人だ。


フラナガン・ボッシュ:「おい、なんじゃ!!!これは、カビが生えておるではないか?!」


フロッグ・ノシュガン:「カビはともかくかくとして、この食事メニューは何とかならないのでしょうか?」


食事の量と質に抗議すると山賊ふたりは激高した。


サルバ = ハウレギ:「うるせぇ!!!なんだ!テメェ!!飢えないように配慮したお頭の慈悲が、わからねぇのか!!」


アルチバルド = ガルヴァノ「わからないようなら、わからせるしかねぇなぁ・・・」


指を鳴らしながら山賊ふたりが恫喝すると抗議の声はなくなった。

カビを削ぎ落しながら山賊のひとりが、言い張った言葉が引っかかった。


(お頭ねぇ・・・)


最初に薄気味悪い笑顔で話しかけてきた山賊の顔が浮かぶ・・・

奴は身代金の交渉をすると言っていた・・・


彼らは資金を必要としている。

誘拐された人質の職業から推察するに、多くのカネを・・・

あの若い山賊は、交渉する手段と方法を知っている。


普通の山賊では知る必要もやる必要ものないことだ。

あのふたりの山賊より強く素人目から見ても、

他の5人の山賊よりいい装備を身に着けていた。

あのふたりは取り巻きなのだろう。


思い返してみれば隊列を組まされているときに重要そうなポジションを担っていた。


(あの若い山賊がとりまとめ役任されているのか?本隊とは違う別動隊?)


(いや…出された食事や洞窟の規模・山賊の装備からの想像するに大所帯ではない。もし別動隊で他に本隊がいたとしたら、あまりにも色々とお些末すぎる。)

(さっきの山賊の迂闊な言葉から察するに奴が彼らの言うお頭か。)


若い奴に顎で使われるとは山賊の世界もなかなか世知辛いようだ。

敵の頭がわかったことはいいニュースだ。あの人質ふたりには感謝しないとな。

食事をしながら人質たちを見渡すと人質の一人が、食事に手を付けていない。

気になったので 鑑定 解析を走らせる。


名前:アリシア グランフェルト

性別:女性

LV:1

種族:人族

年齢:16

ジョブ:小売商人

心理状態:極度の憔悴状態


(放っておいてもいいが・・・話を聞いてみるか?)


どういった経緯で盗賊に捕まったのかも聞きたいし、何より年齢が近く話しやすそうだし、胸はないが黒く艶やかな髪に赤い宝石のような目、白い質素なカチューシャの似合っている。


なかなか美人さんである。

何よりこんな悲しげな表情の美人がいるのに声をかけないのは勿体無い気がする。

前世は容姿も性格も草食系男子だったが、今世の俺はイケメンである。


”すごく自信がある!!”

せっかく18歳に若返たのだし、調子に乗って女性と話してみるのもいいだろう。


・・・というかなんでだろう・・・この感じ…無性に気になる。

この娘が美人とだけのような気だけではないような気がする。


のどに魚の小骨が刺さった嫌な感じだ。

本当は放っておきたいけど…放っておけない、運命に引き寄せられる感じだ。

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