講習・演習 アリシアの見舞い サリー・ボッシュとの出会い
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今回は非常に長いです。9228字あります。
次の日の朝、0.5ユーフティスをリンシャちゃんに支払い、パンやサラダ・スープを食べて俺は冒険者ギルドに向かった。
武器の手入れの仕方を習いに行くためだ。
ギルドに入るとエメリアがいたので、事情を話す。
エメリア「そうゆう事でしたら、新米冒険者向けの剣の講習に参加してはいかがでしょう?」
「ちなみにシセスタさんは、剣は扱えますか?」
シセスタ「そう言えば使った事はないな・・・」
(剣術のスキルはあるけど・・・幸いにも使う機会がなかったからな・・・)
エメリア「でしたら是非とも参加なされて下さい。ここで冒険者登録をされたので、演習料も無料です。ちょうど本日すぐに、演習の予定がなされているので、演習の予約をなさいますか?」
シセスタ「是非ともお願いします。」
エメリア「でしたら、ギルド奥にある演習場でお持ち下さい。すぐに係員が参ります。」
シセスタ「ありがとう。」
シセスタはギルド奥にある演習場に向かった。
演習場に通じる三重扉の隔壁を開くと冒険者たちが演習をしている。
新米からベテランまで一心不乱に稽古に、励んでいる。
光景に飲まれていると、立派な髭を生やした中高年の教官らしき人物に話かけられた。
立派な髭の教官「やあ!君がシセスタ・アデル君だな。こういう所は初めてか?」
シセスタ「ええ・・・はじめてです。皆さんの稽古の光景に思わず飲み込まれてしまいました。」
デズモンド・ラペル「そうか!俺は君の教官を務めるデズモンド・ラペルだ。」
「短い間だがよろしくな!デズモンド教官と呼んでくれ。」
シセスタ「こちらこそよろしくお願いします!デズモンド教官!」
デズモンド教官「うむ。元気があってよろしい!!よし!自己紹介も終わった事だし!さっそく始めるぞ!!」
そう言うと片手剣の木刀を渡された。
デズモンド教官「剣は冒険者の使う武器としては最もポピュラーで安価で汎用性に優れ種類も多い。軍の兵員たちが使うリーチの長い槍や攻撃に富む斧やメイス・フレイルなどの打撃武器と違い、肯定的な言い方で言えば、非常にバランスに優れた武器であると言える!」
デズモンド教官「片手剣には片刃と両刃がある。お前が使う剣、または使おうとしている剣は、片刃と両刃か?」
シャードは両刃剣だ。
シセスタ「両刃でお願いします。」
デズモンド教官「よし!では両刃での戦いの基本を教える。これから教える事はどんな刀剣にも言えることなので覚えておくように!」
シセスタ「はい!!」
デズモンド教官「両刃剣には自分の方を向いている表刃と相手の方に向いている裏刃があるのが、両刃剣の基本的構造だ。剣は先が尖っているほど刺突しやすく、幅広であれば相手の攻撃を受け流しやすい、細ければ折れやすいが、肉厚なら頑丈なぶん重くなる、長ければリーチが長い分取り回しが悪くなる。」
デズモンド教官「剣を扱う上で基本的なこと2つはある。自分の攻撃の機会を作ること、相手の攻撃をされても受けない間合いを維持することだ!」
デズモンド教官「よし!まず私に素早く突きを攻撃をしてこい!」
シセスタは素早く突きを攻撃する。
デズモンド教官「剣は真っ直ぐ直線に突き出せば、リーチが長く素早く突き攻撃が繰り出せるが、もちろん相手も自分の武器で防御する。するとどうしても刃は左右に押し出されてしまいスキができる。これでは相手に反撃されてしまう。」
「当然左右から剣を突き出せば、刃は遠回りをする事になるので相手に攻撃が当たるまでに時間がかかってしまう。時間がかかるということは、相手はそれだけカウンターを決めやすくなる。このことから、むやみに相手を攻撃するのは決して得策ではない事がわかるだろう。」
「大きく振りかぶり切る動作も同様だ。ではどうすればよいか?・・・答えは極めて単純だ防御に専念し、鍔ぜりあいに持ち込むことだ。」
「よし私が攻撃するから剣で私の剣の刃を滑らせ攻撃をそらしてみろ!!」
教官が切りかかってくる!!
シセスタは言われた通り自分の剣で相手の剣を滑らせ攻撃を受け流していく。
「おっと!これは驚いたな!こんなに早く習得するとは・・・」
「よし!次に鍔ぜりあいになった場合の対処の説明をする。」
「剣が鍔ぜりあう事を以後バインドと呼称する。では実際に私とバインドしてみよう!!」
シセスタは教官の剣と鍔迫り合いの状態なりバインドする。
「バインド状態に持ち込めたなら反撃つまりカウンターを、どちらがうまく防ぎ、どちらがうまくカウンターを決めれるか、が重要になってくる。」
「カウンターを行う場合は刃を滑らせ相手攻撃する、この時重要なのは必ずしも相手を一撃で倒す必要はないという事だ。誰でも切られれば血がでてパニックになり弱る。そこをつけ!!」
「防御をする際はなんとしてでも相手の刃を止めろ。手で相手の刃を掴んでも構わない。死ぬよりはマシだ。」
演習が進んでいく・・・その後も教官とバインドを繰り返しながら何度か攻防を繰り返し、無事、演習を終えると武器の手入れの講習に移った。
デズモンド教官「いいか!磁石に油をつけ慎重かつ大胆に研いでいく。私が手本を見せるからマネをしてやってみろ!」
教官のマネしてパックパックから取り出したように見せかけアイテムボックスから取り出したシャードを言われた手順で研いでいく。
突然明るい着信音とともに脳内に表示されたウインドウに少しビックリする。
≪スキル:武器の手入れを手に入れた。≫
≪所持している武器をメインメニュー→武器→手入れを選択すると自動でどんな武器が修復されます。≫
便利なスキルを手に入れたようだ、これでいちいち手入れをしなくても済みそうだ。
講習も終わった。・・・
デズモンド教官「今、教えたのは同格の相手との戦い方だ!格下ならそのまま倒しても構わないし、格上なら逃げる事も勇気ある選択だ!演習をこれにて終了する!!」
シセスタ「ありがとうございました!!デズモンド教官!!」
デズモンド教官「うむ!もっと時間が掛かるかと思ったが、筋がいい、半日でこの演習を終えたのは君が初めてだ。君の今後の活躍に期待する!!改めておめでとう!シセスタ君!」
デズモンド教官はそう言い残し、演習場を去っていった。
シセスタも、ギルドの食堂で昼ご飯を食べるために演習場を後にする。
三重扉の隔壁を開きエントランスに戻ると食堂に行き厨房に話かける。
シセスタ「食事を食べたい。どうすれば利用できるか?」
調理員「それなら一番左の受付に行って食事券を買って出して下さい。」
シセスタ「ありがとう!」
シセスタは一番左の受付に行った。
一番左の受付に行き1ユーフティスの食事券を買う。厨房に出すとすぐ食事が出た。
内容はパンとチキンとサラダ・スープ、デザート付きだった。
昼ご飯を食べ終わるとギルドを出て、エメリアに教えてもらった自警団の詰め所にいく。
ピャロさんとアリシアの見舞いに行くからだ。
自警団の詰め所に行く途中で見かけた花売りから1ユーフティスで花束を買った。
詰め所に着いたので中を覗くとピャロさんが机に足をおき、椅子に持たれかかった状態で天を仰いでいた。入口の扉をコンコンと叩く。
シセスタ「ピャロさん。シセスタですアリシアの所へ見舞いに行きましょう。」
ピャロ「きゃぁ!ビックリした!・・・いや~恥ずかしい所を見せたねぇ。思ったより早かったけど行こう案内するよ。」
女性らしい可愛い声が聞こえたが紳士の俺は触れないでおく。
ピャロさん一緒にアリシアの家に向けて歩き出す。
「やぁ!ヒシャロ調子はどうだい?」
「ピャロちゃんじゃない!いつもお疲れ様。」
ピャロさんは道行く人々に話かけられる。
どうやら皆に慕われているようだ。
アリシアの家は町外れにあるらしく中々距離がある。
しばらくすると、二階建て石造りの寂れたポーション屋が見えてきた。
どうやらここがアリシアの家らしい。
ピャロさんが寂れたポーション屋の軒先へ大声で話しかける。
ピャロ「おい!ピャロだ!アリシア入るぞ!」
すると、合鍵を使って店のドアを開けるとずかずか入っていくではないか?!
シセスタ(え?え!えええ!!)
ピャロの傍若無人な振る舞いに驚きつつ、後を追って店に入り階段を上がり二階に行く。
アリシア「ピャロさん・・・もう私のことは、放っておいて・・・死んじゃいたい・・・」
ピャロ「そんなこと言うなよアリシア・・・放っておけるわけないだろう?アタイがそもそもキャラバンなんかに参加を頼んでせいで、こんなことに・・・」
アリシア「ピャロさんが責任を感じる必要なんて・・・あれは私が自分の判断、自分の責任で・・・うぐぅ・・・ひぐぅ・・・」
ピャロ「よしよし。もう大丈夫だ!もしまたあんな奴がいたら、私が倒してやる!ごめんな・・・アリシア辛い思いをさせて・・・」
シセスタ(どうしよう・・・めちゃ出にくい!てか・・想像していたより空気が重い!)
ピャロ「そうだ!実は今日はアリシアに合わせたい奴がいて、たまたま近くを寄ったんだ。」
アリシア「会わせたい人・・・いやぁ!男の人だったら怖い!!」
ピャロ「う~ん・・・困ったなこりゃ、顔を見るだけでも頑張ってみないか?アリシア」
アリシア「いやぁ!ピャロさん何を考えているの!私が男の人が怖い事知っているくせに!」
ピャロ「いや・・・その・・・どうしてもダメか?ほら・・・いつまでも経済的に引き籠れないだろ・・・なあ。アリシア5秒だけでもいいんだ。顔だけでも見てやってくれないか?見れば気が変わると思うからさ?」
アリシア「・・・うん・・・ピャロさんがそこまで言ってくれるなら頑張ってみる・・・」
「ごめんね。わがまま言って・・・」
ピャロ「我が儘なんてとんでもない。アタイが勝手にやってることだ。気にすることなんかない。」
「ごめん!シセスタせっかく来てもらったんだけど、顔だけアリシアに見せてやってくれないか?」
仕方ないのでひょっこり顔を出す。
今更思ったが、これで俺の顔をアリシアが忘れていたらどうすんだろうか?
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=アリシア グランフェルト=
=point of view=
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本当は怖いけど、ピャロさんの言う通りいつまでも引きこもっては、いられない。ピャロさんが連れてきた男性の顔を恐る恐る見る。
相手の男性は少しずつ顔を出す。
顔を見て驚いた。銀髪にパープルの目あの時山賊から二回も助けてくれた青年ではないか?
(そうだ!!思い出した!山賊に捕まっていたあの部屋で自己紹介されたときの名前がシセスタ・アデルだった。)
シセスタ「あぁぁ・・・あの時は危険に晒して悪かった。ごめんね。アリシア。」
アリシア「!!!あなたはあの時騎士様と一緒に助けに来てくれた銀髪の人!!」
「ピャロさん一体どうやって・・・もう会えないかと思ったのに・・・」
ピャロ「ははぁん!彼は実は、フェイルシュタットから去っていたわけではないのだよ!アリシア君!」
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=シセスタ・アデル=
=point of view=
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得意げになんか・・・俺の今までの経緯を話始めた。
(わざわざ調べたのか・・・アリシアの為に。)
しばらくしてピャロの話が終わった。アリシアからは質問攻めにあった。
アリシア「き!記憶喪失であの森の中を彷徨って、私たちの捕まっていた山賊に出会ってしまったですか?」
シセスタ「あぁぁ...そうだが...ツイてないだろ。」
(元気が出たようで、何よりだが…いつまで続くんだろうかこの質問。)
アリシア「本当に以前、何をしていたか?覚えていないんですか?自分の名前は憶えているのに?」
(ギクッ(◎_◎;)ドキッ!! バッコン!❥バッコン❥;心臓が高鳴る音)
シセスタ「いや~・・・不思議だよねー名前だけは憶えていたんだよ。」
(ヤダ!この娘、騎士も気に留めなかったのに、鋭いですけど・・・女の勘って奴ですか?!)
シセスタ「ああ、名前以外は本当に覚えてないな・・・覚えているのは森の中で目覚めたのが、最後だ。服こそ着ていたが何にも持っていなかった。」
アリシア「収容所はどんな生活だったですか?」
シセスタ「そうだなぁ・・・窓が一つも無くて可愛いネズミが沢山いた。」
「というか看守の方が俺より犯罪者ぽい顔立ちだった。あ!この事は内緒だぞ!また入れられたらかなわんからな・・・」
アリシア「ふふっふ!シセスタさんって面白い人なんですね!」
アリシアから笑みが零れる。来てよかったようだ。
アリシアにこれ以上、無理をさせてもいけないので、お見舞いの花束を渡しエーデルワイス亭に帰る事にする。
ピャロ「じゃぁなぁ!!アリシア元気だせよ!」
アリシアが二階から手を振っている。
俺はピャロさんと一緒に来た道を戻り始めた。
ピャロ「ありがとうな!シセスタ!アタイだけだったらこんなに上手く行かなかったよ!!」
シセスタ「俺は何にもしてない気がするが、ピャロさんはこれからどうするです?」
ピャロ「謙遜するなぁって!アタイはこれから仕事だよ!!よ~し!心配ごとも減ったし頑張るぞぉ!!」
そう言うと走って去ってしまった。ピャロさんのやる気スイッチが入ったようだ。
(ああぁ・・・帰り道わからない。まぁ、いいか!人に聞けば...)
しばらくして・・・・・・シセスタは迷っていた。
(何とか町に戻ってきたけど・・・スラム街に入ってしまったようだ。)
道を聞こうにも人の気配がない。なんか今までの町の気配と違う。
あちらこちらから臭い匂いがしゴミが散らばっている。
(このフェイルシュタットにも、やはりこういう暗黒街のような悪い側面があったと言う事か・・・)
恐らく今まではちゃんとした表通りのいい所ばかり目にする機会が自然と多かったのだろう。
所詮はこの国も階級制度に凝り固まった表向きは明るい独裁国家なのだ。と感じる。
人の目線は時折感じるが、何処から見られているのか見当もつかない。
自分の身を守るため”潜伏”スキルを有効にし、こちらも気配を消す。
‘きゃぁぁぁぁ!!‘
建物を隔て、左の路地を行った、別の通りから、悲鳴が聞こえた。
(近い!女性の声だ!様子を見に行くか?...)
隠れながら近くに行き様子を伺うと今まさに少女が麻袋に詰められて連れ去られようとしているではないか!!
(人さらいか!!)
相手は汚らしい恰好の4人。帯剣していない。こちらには剣があり、助けようと思えば助けられる。
男たちは少女の入った麻袋を担ぐと走り出した。
(逃がすか!)
シセスタは気づかれないように、後をつける。
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=謎の人攫い達=
=point of view=
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男A「へっへっへ、やったぜ!」
男B「なあ!チョロい仕事だっただろう?」
少女「いやぁ!お願い!おじちゃんたちお家に返して!!」
男C「うるせぇ!黙らないと殺すぞぉ!」
男D「心配しなくても少し大人しくすれば家にかえれるさ!」
少女「そんなぁ!もうこんな所通らないから助けて!」
「お父さん!お母さん!誰か!助けて!」
男たちは少女を誘拐しておきながら、楽しげに会話をしている声を聞いて、少女はさらに恐怖する。
「へっへっへ!おい!そこの古びた教会だ!!」
男たちは古びた教会へ逃げ込む。
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=シセスタ・アデル=
=point of view=
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男達が古びた教会に、逃げ込むのを確認した。
古びた教会にゆっくりと忍び寄り入れそうな所を探す。
すると、立て付けの悪そうな板で塞がれた小窓が、あったので板を外し体を滑り込ませた。
教会の右側面の懺悔室のようだ。教会の中で話し声が聞こえる。
少女「いったい何が目的何ですか?!」
少女は泣きべそをかきながら尋ねる。
男A「へっへっへ・・ちょっとお前を誘拐して来いと貴族の坊ちゃんに頼まれただけよぉ・・」
男B「いつまでもゴネて坊っちゃんの剣を作らねぇお前の爺様がいけねぇんだぜ!」
男D「これで俺たちは小金持ちだぜ。」
男たちは既に安心しているのか?饒舌だ。
少女「おじいちゃんは気難しい所があるけど凄い職人さんだもん!!私を人質にしただけで、貴族の子息なんか作るわけないもん!」
男C「はっはっはっはっは・・・それとこれと俺たちに何の関係がある。俺たちは約束のカネを頂いてバイバイだ!それでお前爺さんが剣を作らなかったらどうなるか見ものだなぁ・・」
少女はそれを聞いてさらに怖くなったのか、青ざめていく。
???「随分と楽しそうに物騒な会話をするな?」
男達は目を見開き驚く。
いつの間にか銀髪の青年が立っているではないか?!!
男A「おっおい!ぶっといカンナで扉を閉めただろう?!」
男B「どっから入ってきやがった!」
男C「おいおい!兄ちゃん怪我したくなきゃどっかに失せな!!」
男D「なんだヒーロー気取りの登場か?」
男たちが指を鳴らしながら一斉に殴りかかってきた。
シセスタは瞬時に”オーバータイムレイジ”を発動させると10秒も立たずに男たちをボコボコにした。
≪おめでとうございます!徒手格闘のスキルを獲得しました。≫
スキルを獲得したようだ。
シャードを取り出し少女を拘束していた縄を切る。
少女「ありがとうございます。私はサリー。あなたは?」
シセスタ「俺か?俺はアデル。シセスタ・アデルだ。」
カンナを外し、教会の外へでる。
サリー「あ、あの!あなたは、なぜここに?」
歩きながらサリーが尋ねてくる。
シセスタ「よくぞ聞いてくれた。実は道に迷ってここ迷い込んだんだが、君が連れ去られる所を見かけたので、あの男達を追ってこの教会へ。」
サリー「わざわざ助けに来てくれたんですか!ありがとうございます!帰り道はこっちです。」
俺はサリーの後をついていく。
甘栗色のポニーテールに優しい目つきで少し大人びている。
顔も中々にいい。
鑑定・分析を走らせる。
名前:サリー・ボッシュ
性別:女性
LV:1
種族:人族
年齢:16
ジョブ:武具店の看板娘
心理状態:運命の出会いに、ときめいている
(ふ~ん…武具店の看板娘なんだ。運命の出会いに、ときめいているか、まぁイケメンだしな今の俺。)
シセスタ「ところで、なぜ君はあんな治安の悪そうな所をわざわざ通っていく必要があったんだ?」
サリー「知り合いの宿屋さんに切れなくなった包丁を取りに行こうと近道の裏道を通ろうとしたら、あの怖いおじちゃんたちに囲まれて捕まってしまったの。すごく怖かった・・・でもシセスタさんみたいな王子様みたいなカッコイイ男の人が助けくるとは思わなかったの!凄くうれしかった。」
シセスタ「ははは・・・今回は俺がたまたま助けられたけど気を付けようね。サリーちゃん・・・」
あまりの能天気さと天真爛漫な反応に乾いた笑いが零れる。
サリー「うん!シセスタさん!ところで、シセスタさんは何をしている人なの?」
シセスタ「俺か?俺はつい昨日冒険者になったばかりの新米さ。今日、演習と講習を受けたばかりのな!」
サリー「すごい!新米さんであれだけ強いなんて。」
サリーの尊敬のまなざしが気持ちいい。
シセスタ「明日から本格的にクエストをこなすつもりだ。ガンガン儲けるぜ!」
サリー「シセスタさんみたいな強い人ならすぐに八等級になれるね。うちのお店にもいつか来てね。」
シセスタ「ああ、ところでエーデルワイス亭ってどう行けば行ける?俺の泊まってる宿屋なんだが・・・」
サリー「ああぁ!それ私が行こうとしてた知り合いの宿屋さん!切れなくなった包丁を取り行くところだった!なんだか運命を感じちゃう!シセスタさんエーデルワイス亭に泊まっているの?」
「エーデルワイス亭はうちのお店を、ぐると回ったところだよ!」
シセスタ(そうだったのか・・・)
シセスタ「そうか!せっかくだから君のお家まで送って行ってあげるよ。また危ない目に遭ってもいけないしね。」
サリー「わぁ!やった!送って行ってくれるの、うれしい。」
エーデルワイス亭に着くとふたりで、リンシャちゃんに事情を説明しリンシャちゃんから包丁を受けとってくるサリーちゃん。
リンシャ「サリーちゃん気を付けてね?じゃ、シセスタさんお願いします。」
エーデルワイス亭を出てサリーちゃんの家へ向かう。
大通りを収容所方面に向かうと・・・
”オーダーメイド武具専門店ボッシュ”と書いてある大きく立派な店があった。
(間違えなくここだろう・・・うげっぇぇ!!!!)
シセスタは目をマンマルにし目を見開いた!!
店から見知った人物が出てきたからだ。
それは紛れもなく山賊に捕まっていた時に一緒の部屋にいた。
あの気難しい爺さん”フラナガン・ボッシュ”氏本人であった。
そう言えばサリーちゃんもボッシュが苗字であった・・・肉親か?・・・
フラナガン「サリーや!!どうしたんじゃ!こんな遅うなって!何かあったかと思うて心配したぞ!」
「おや!若造はあん時の!!なんでワシの孫娘と一緒なんじゃ?!」
サリー「もう!おじいちゃん!シセスタさんは、わたしの恩人なんだから、くってかかるのはやめて!」
シセスタ「ご無沙汰しております・・・フラナガンさん・・・」
(なるほど合点がいった。孫娘か・・・何をどうすればこんな偏屈な爺さんからこんな良い娘が生まれるんだよ!!不思議すぎる・・・)
サリー「おじいちゃんこのカッコイイ人と知り合いなの?!」
フラナガン「知り合いも何も・・・」
フラナガン氏は山賊に誘拐された時、俺が一緒に捕まりその場にいたこと、騎士ふたりと協力しアリシアを助けたを説明し始める。
サリー「シセスタさん・・・わたし以外にも助けた女の子がいるの...」
サリーは少し残念そうに、うなだれた。
次は俺がサリーちゃんに出会った経緯を、フラナガン氏に説明する。
アリシアに見舞いにいった帰りに道に迷い、サリーちゃんが誘拐されそうな場面に遭遇したこと。
その男たちが話していた貴族の坊ちゃんのことを事細かに説明した。
フラナガン「それはきっとキンダーコアン伯爵のドラ息子ザホル卿に違いない!!」
と言いフラナガン氏は憤慨する。
(仮にも序列三位の伯爵の子弟をこんな往来でドラ息子と侮辱していいのか...駄目なような気がする。)
フラナガン「今日もあのバカは家に来て武器をよこせと言いよった!!」
「誰があんな奴にうちの武器を売るかぁ!!」
「そもそもワシは引退しとるんじゃ!!」
シセスタ「それじゃ俺はこれで・・・」
取り敢えずメンドイので、エーデルワイス亭に帰った。
エーデルワイス亭に帰るとリンシャちゃんが夕ご飯を出してくれた。
リンシャ「今日はありがとね。シセスタさん!今日のお代はいらないから・・・」
(よっしゃー!リンシャちゃんが遂にデレたぞ!!)
少しだけど・・・
心でガッツポーズをとり、体を洗いその日を終えた。
名前:シセスタ・アデル
性別:男性
LV:8
種族:人族
年齢:18
ジョブ:冒険者 聖人
HP:8000/8000
MP:8000/8000
体力:8000/8000
筋力:8000
精神:8000/8000
攻撃力:8000
防御力:8000
スピード:8000
スキル:アマテラス神加護 ツクヨミ神加護 スサノオ神加護 ヨルス神の加護 鑑定・解析 解体 イーニス世界語訳 全能力適正 剣術 投擲 弓術 潜伏 交渉 武器の手入れ 徒手格闘
ユニークスキル:オーバータイムレイジ
トークン:神々に気に入りられし者 山賊の殺し屋
残金:901ユーフティス