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神に愛されし者  作者: シューニャ
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冒険者ギルド

留置場を出てカネをアイテムボックスにしまう。

道行く人、数人に冒険者ギルドまでの道を尋ねる。

大通りに出ると露店が立ち並んでいた。

沢山の人が、沢山の商品を売り買いしている。


「安いよ!安いよ!お買い得だよ!今なら30%と引きだよ!!」


「うちの商品は質が高いよ!いいものをお買い求めのお客様はいませんか?」


「うちの肉串の肉質は元王都一だよ!見てくてくれ!この滴る肉汁を!」


物価が驚くほど高い、俺の世界で300円くらいで、売られていそうなものが、0.5ユーフティス(一万五千円)で売られている。


(これは早く仕事をしないといけないな・・・)


留置場で聞いた話によると、

ここ旧オーラシア王国フェイルシュタットは、元は王都だったらしい。

人口は60万人。かなりの大都市だ。

今もユーフティス皇帝により統治を委託されたオーラシア王とその王族が、統治を担っているのだとか。


よく見ればこの町のインフラは良く整備されている。

俺のいた世界の中世・近世とはその辺の事情はかなり違うようだ。


俺のいた世界の中世・近世ではゴミが散乱し、下水が整っていないから道に糞尿を捨てていたと聞き及んでいる。

そのような有様であるから、流行り病がはやり、沢山の労働者が死んで、労働人口は減り、貧困はより深刻になった。

そのような経緯あり、怒った民衆が一揆や反乱を起こし、やがては民衆主義につながっていった訳だが・・・


この世界は、道路は石畳で舗装されており、街灯や下水管らしきマンホールのようなものまで、整備されている。

道にはゴミ一つ落ちていないし、露店には食料品は豊富にある。

この世界は俺のいた文明と同じ水準か?それ以上の文明が栄えているようだ。


だからこそ封建社会を基礎とした階級社会が成り立っているのだろう・・・

それを証明するように、住民の健康状態は良く、暗い顔をしている者はだれ一人としていない。

みんな人生を楽しんでいるようにすら、見える・・・


そんなことを考えていると十字路に出た。十字路を右に進む。

15分くらい歩いた頃だろうか?

石造りと木造で、できた巨大な建物が見えてきた。

看板を見るに、ここが冒険者ギルドのようだ。


時代を感じさせる年季の入った巨大な木の扉を開けると、広いエントランスが目に入った。

右手には案内板と大量の依頼書らしき紙が、ところせましと貼られており、左には厨房とテーブルがあって冒険者らしき人たちが雑談を話しながら、食事を取っている。

天井にはシャンデリアのような巨大な照明装置が、吊るされていた。


(この照明器具はどう掃除して手入れするのだろう?・・・・)


巨大な照明装置に気を取られながらも、正面にある受付に進む。


受付嬢「おはようございます!当ギルドでのご利用は、はじめてですか?」


シセスタ「はい。そうです。冒険者になろうと思ってきました。」

受付嬢をよく見る。

金髪に結ってあるロングヘアーに、エメラルドグリーンの瞳、動き一つ一つに色気を感じさせる所作がある。セクシーな絶世の美人だった。なかなかの巨乳だ。つい鑑定・分析を走らせてしまう。


名前:エメリア・ローズクォーツ

性別:女性

LV:1

種族:人族

年齢:19

ジョブ:ギルド職員


エメリア「冒険者志望のかたですね。では冒険者になる上での注意事項を説明します。」


「まず依頼を受ける際はあちらにある依頼書の中から受けたい依頼を受けてください。」

「とは言え冒険者にはランクがあり、受けられる依頼は自然と自分のランクにあった仕事しか受けられません。」

「依頼を失敗する可能性と冒険者の死傷率を下げる為の致しかたない処置であるとご理解下さい。」

「冒険者には一等級から十二等級まであり、それぞれで待遇に差があります。」

「八等級からインテリジェンスカードでマナ決算がご利用いただけます。」


シセスタ「・・・マナ決算・・・?」


「マナ決算をご存じないのですか?」


「先日、田舎から出たばかりだ。」


エメリア「あぁ~!なるほど!!マナ決算とはインテリジェンスカードで支払いの出来る決算方法です。使えば、作った口座から天引きされるんですよ。」


シセスタ(なるほどね。この世界でのキャッシュカードみたいなものか・・・)

「それは便利ですね!はじめて知りました!!八等級を目指して励ませてもらいます。」


エメリア「ええ。是非と頑張って下さい。タダさえ冒険者は、なり手が少ないですから、大事な話に戻りますが依頼を達成出来なかった場合は、違約金が発生しますので、お気をつけ下さい。」


シセスタ「違約金はどれくらいの支払いになるのですか?」


エメリア「失敗の規模によりますが、大体依頼金の1割から3割でしょうか?」


シセスタ「なるほど・・・ありがとうございました。」


エメリア「もし死亡してもギルドは一切を終えません。気をつけて下さいね?それでは、こちらの書類にサインをお願いします。」


シセスタ「ありがとう。」


シセスタは渡されたペンで書類にサインし、エメリアに渡した。


エメリア「それではインテリジェンスカードを作成しますので、こちらの装置につながっている魔法石に触れてください。」


シセスタは魔法石に触れる。すると装置からカードが出てきた。


≪シセスタ・アデル≫

≪冒険者:十二等級≫

≪登録場所:旧オーラシア王国領元王都フェイルシュタット≫


と書かれている。


エメリア「大切なものなので無くさないようにしてくだい。それとこれを・・・」


腕輪を差し出された。


シセスタ「これは・・・」


エメリア「戦利品や装備やアイテムをしまえる。腕輪です。戦闘の邪魔にならないように腕輪の形をしたバックパックですね。」


正直、アイテムボックスがあるからいらないが、受け取らないと不自然だろう・・・


「ありがとう。」腕輪を左腕につける。


エメリア「どういたしまして。発行料金は2ユーフティスになります。」


懐から、2ユーフティスを取り出し渡す。


シエスタ「装備やアイテムはどこで買え揃えられますか?」


エメリア「フロッグ商会がお薦めです。元王都きっての大手商会ですから、あそこなら正当な価格で取引をおこなってくれるでしょう。ギルドを出て左手に少し進んだところに店がございます。」


「ありがとう!感謝します。」


エメリアに礼を言うとシエスタはフロッグ商会に向かった。



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