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神に愛されし者  作者: シューニャ
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アリシアの現在

=============アリシア グランフェルト=============


================point of view===============


=================現在================



薄暗い湿気の多い一室で、

アリシアは出された食事にも手を付けずに憔悴をしていた。

助けは来るのだろうか?・・・


自分の決断を後悔してしまう。自分はなんとツイてないのだろう?

元王都を一度離れただけで、何故こんな目に合わなければいけないのか?

自分も両親のようになってしまうのか?不安で仕方がない・・・


思い悩んでいると、わたしより少し上の青年が、話しかけてきた。


「食べておいた方がいい。」

「体力を維持しないと、もし助けが来て逃げようとしても力がでないぞ。」


私たちの移送中、山賊に足を矢で射られ捕まった青年だった。

出来れば一目見て山賊と気づき、あのまま逃げ切って助けを呼んでほしかった。

そんな風に思ってしまう、自分が嫌になる。


ちゃんと頭ではわかってるのだ・・・

私たちが捕まったのは、この人のせいじゃない。

もし私が反対の立場でもわからなかったし、もし矢で射られなかったとしても、

山慣れしている山賊たちからは、逃げられなかっただろう。


ましてや、私たちや山賊に運悪く出会ったりしなければ被害に遭わなかった。

この人だって被害者だ・・・


シセスタ「無口だな?そうだ!自己紹介がまだだったな!俺はシセスタ・アデルだ。よろしく。」


「そう・・私はアリシア・グランフェルト・・・・・・」

「そうねぇ・・・・ちゃんと・・・・食べる。」




シセスタ・アデル  =point of view=

憔悴からは脱したが・・・


(ぁぁあれぇぇ!!おかしい会話が続かない!)


シセスタは焦った。自分にはコミュニケーション障害はない。

前世でもバリバリ会社勤めだった。

上司や同僚に対する報告・連絡・相談もキチンとできていた。


友達はいなかったけど・・・ボッチじゃないもん!!!


ちなみに、「昼飯はみんなでちゃんと一緒に食べていた?」とか聞くイジワルなやつは嫌いだ!


(ともかくアリシアちゃんは今は話したくないらしい。)

(浮足立って自信過剰だったか?恥ずかしい・・・・)


気持ちを新たに俺は出された飯をしっかり平らげた。

その後、他の3人にも挨拶して話を聞きに回った。


フロッグ・ノシュガン氏は元王都フェイルシュタットという町の豪商で、装飾品から武具の類、奴隷にいたるまで扱う大商人らしい。


奴隷という存在に気が引けるが、価値観の違いだろう。

俺の世界いた世界の事を考えるとあまり人様の世界の価値観を批判できない。

実際非道なことは、世界中で行われていた。


長時間労働や貧富の格差については言うまでもないだろう・・・

それでも、J国はまだマシな方だったが・・・


話は戻り、フラナガン・ボッシュという名の爺さんはすげぇー気が難しかった。

偏屈で、あんまし関わりたくないタイプだ。


武具製作のエキスパートで、長年、武具の設計から製作・販売にいたるまで幅広い仕事をしてきたらしい。今回の赤熊騎士団への納品を最後に職人を引退するはずだったが、不運にもこの騒動にまきこまれたのだとか。


中高年女性のブリネ・ラズさんは長年、行商の仕事に携わってきた。

今回の赤熊騎士団への商売を皮切りに事業を拡大しようと目論んでいたらしい。

まぁ今回の事でそれも終わりしれないと嘆いていたが・・・




====時間が経過====




あれから一週間が経った。

いまだに助けは来てないが、俺はこの一週間、筋肉トレーニングに励んで来た。

おかげで筋力は1000から3000にまで上がった。筋肉の付きやすい体らしい。


それに加え矢で射られた足は昨日までに完全に治った。

跡が残るかと思ったが、筋肉痛にもならないし、お腹も余り減らない、疲れもあっという間に取れる。


凄い代謝能力と治癒能力だ。この体のスペックは俺の想像を超えている。本当に凄い。神様に貰っただけはある。


自分の体のスペックに関心していると、足音が複数聞こえてきた。


山賊達が来たようだ・・・


山賊たちの足音が止まり。鍵のあける音がし、扉の開く音が部屋にこだまする。

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