表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瑞癸ちゃんの華麗なる高校生活。のあれやこれ(笑)  作者: 桜月
人物観察編(の名のもとに語る非日常)
8/25

いち。巻き込まれる非日常

姉さん、事件です(笑)

「っぷぎゃん!」


 階段で割れ鍋がこけた。動ける(はずの)デ……ぽっちゃりさんには珍しくもないが、ぱんつ丸見えは誰得なんだろう。上りだったので、下にいた男子が一斉に右を向いた。思わず写メった、壮観。てか、某クマを伸ばすなよサイズ合ってないぞそれ。


「いーたいー」

「安心しろ、傷は深いぞ」


 移動教室のために上っていた階段の踊り場で、振り向きながら声をかけた私に、あきれながらさぁやんが突っ込んだ。


「それのどこに安心できる要素が?」

「冗談だよ、さぁやん」


 しょうがないなぁ、とこけた割れ鍋の方に向かおうとしたら、後ろから悲鳴が聞こえた。思わず振り向くと、人が倒れてた。ぱんつ丸見えで。……ぱんつの日なんてあったっけ? とりあえず写メった、なんとなく。


 それが、後にぱんつ事件かっこわらいで語られることになる話の始まりだった。らしい。





 あの日、階段から落ちたのは別クラスの女子だった。うちの高校、創立何百年とかいう古さだけあって、あちこち改修されてるけど、階段はボロいままだった。こけるくらいなら割れ鍋程度で済むが、今回の彼女は突き落とされた、らしい。


「と、本人が言ってる」


 さぁやんが仕入れてきた情報によれば、だ。本人による自己申告だけで目撃者がいないそうだ。あれだけ人がいたのに? という謎。


「ケガとかは?」

「これが奇跡的になし。本人は足を挫いたと言ってるみたいだけど」


 これも自己申告か。なぜかトゲが刺さったような物言いなんたがさぁやん、なにかあったかね?


 あの後、倒れた彼女に叫びながら駆け寄った男子数人によって、保健室に担ぎ込まれたらしい彼女。まぁ、相変わらずぱんつ丸見えだったけど。先生による聞き取りやらなにやらで、実はすでに数日か経過してるが、本人はケガのため欠席中。


 一応、私達も聞き取りされた。目撃者であり第1発見者でもあり、一番近くにいたからだそうだ。そして無罪が確定したわけなんだが、しかし謎が多すぎて先生も困ってるらしい。


 クラスメイトも間近で起こった事件に興味津々で話題はそればかり。でも核心には誰も触れない。わからないから。当たり前だけど。


「突き落とされるほど、誰かに恨まれてるの、その人?」

「まさかとは思うが瑞葵ちゃんや」

「なんだい、さぁやん」

「君、もしかしなくともーー」


 さぁやんの言葉は、バーン!! と喧しい音を立てて入り口の引き戸を開けて入って来た男子達によって遮られた。


「マナーがなってないなぁ」

「同意」


 他人事のように見てた私達だったけど、珍入者の男子達は違ったらしい。居丈高に教室内に向かって怒鳴り声を上げた。


美礼(みのり)を突き落としたのはどこのどいつだぁ!!」


 騒がしいなぁ。後、美礼って誰だ。




そして続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ