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瑞癸ちゃんの華麗なる高校生活。のあれやこれ(笑)  作者: 桜月
人物観察編(の名のもとに語る非日常)
18/25

なんかちょっと、どこ?

ええ、ほんとどこに向かってるんでしょ。

 あのさ。文化祭の時もそうだったんだけど。

 私達ダンス組は全面に出てただけで、裏方のみんなも頑張ってたんだよ。


 照明やら音響効果やら、得意なものやできることをそれぞれがね。クラス全員やりきった感でさらに仲良しになったしさ。


 でもって、今回は一年総出のイベント参加となったわけで。今まで説明もしてこなかったけど、うちの学校はいろんな科ごとに専攻がばらばらなわけで。


 そんなわけで、建築土木科がステージを、総合デザイン科がステージデザインと照明と映像撮影編集を、総合服飾科が衣装を、トータルコーディネート科が当日のヘアメイクを担当することになった。なぜだ。


 ちなみに服飾科には、うちの母が前回の衣装とパターンを持って参戦した。ウキウキと。そこに2年3年の先輩方がアドバイザーの名の元に降臨。なにやら気合いが入っておられました、はい。


 衣装合わせが怖かった。なにあれどこの戦場?


 服飾科に先輩方が降臨したのが広まると、あちこちの科の名を背負って有志が続々と。結果、一年どころか学校全体でお祭り騒ぎになってしまったのさ。


 3年の先輩方は最後のイベントだし、自分の手にした技術を伝えたい、てこともあったらしい。それはもうイキイキとしてました、はい。


 なんか、文化祭より気合いが入った舞台が整っていくんたが、持ち時間3曲なんだよ? 20分くらいなんだよ? てか、それでいいんだよね?


 で、まぁここにきてトラブルも発生してたりするしさぁ。


 元々のダンス組に一年選抜組が参加して、フォーメーションを組み直してまとまりつつあったそこに、2年3年の有志が参加を表明してきた。メインとして。……うん?


 いや、確かにメインとか前に出たいとか色々なくはなかったよ? そこを調整してようやく形になってきたのにこれかよ。


 しかも自分の方が歌うまいから、替われとか、もうね。替わりますよいくらでも。私はね? でもうちにはゴッドマザーがおられるんてすよ。


「では、先輩方は他の先輩方とは違い、我々1年のフォローをするためではなく、舞台に主役として立つおつもりである、と?」


 秋華ちゃん、口調が変わってますがな。


「皆さま方が我々に経験と成功の喜びを譲って下さるためにお手伝いくださってるのに、先輩方はご自分を引き立てろ、と?」


 ニコニコしてるが、目は笑ってないぞあれ。秋華ちゃん潰す気満々ですな。


「では、センターとその回りにどうぞ。一曲かけますので、やって見せてください」


 静かなる迫力に、先輩方はたじろぎはしたものの、売り言葉を高値でお買い上げ。いやマジで高いぞ、大丈夫か?


 結果、一曲通したけどグダグダだった。センターに立った人は、上手かったけど歌いながらは踊れず、周りのダンス組は他のメンバーと合わせられず、自分だけを目立たせようとするダンスで悪目立ちしすぎて孤立。


「今いるメンバーは、みんながみんなお互いを尊重してるんです。だから調和がとれてるんです。上手いから、目立ちたいからという理由で踊るのではないんですよ。なんせ、センターの彼女はやりたくないとずっと言ってますから」


 はい、やりたくないっす。できるなら目立ちたくないっす。


「みんな、一曲通してもらえる?」


 イエス、マム! とばかりに、みんなが位置につく。秋華ちゃんのやり方は無理強いはしないし、意見を聞いてみんなが納得するまで話し合う。リーダーとして最適な人なのだ。


 私もマイクを持って舞台に上がる。やるからには最善を尽くすのがモットーである。


 さて、やりますか。



中学生の皆さま、卒業おめでとうございます!

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