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瑞癸ちゃんの華麗なる高校生活。のあれやこれ(笑)  作者: 桜月
人物観察編(の名のもとに語る非日常)
16/25

      さん。

前半部分は他人称です。

 文化祭当日。


 ステージ上にスタンバイする赤の軍服姿の生徒達。その衣装の完成度と、女子全員が制帽にレースで顔が見えない状況に、客席がざわりとどよめく。


 女子が全面に、男子が後ろとステージの下に立つと、ガツンとブーツの踵を鳴らして、メインの女子が位置についた。ちなみに、やたらとタテにもヨコにもデカイ女子がステージ下中央にいるのが、やたら目立つ。


 マイクを持つのはひとりだけだ。全員同じ髪型にメイクの女子の中、メイン女子が小さくカウントを取った。


 曲が始まると、高くもなく低くもない声が静かに歌い出した。同時にダンスもメインの女子を中心にステップが踏まれていく。


 上手い下手はあれど、乱れず続くステップに、客席も手拍子や身体を揺らすなどしている。男子生徒数人が、メイン女子の名前を探り出したりもしていたが、皆ステージに注目していて相手にしない。


 あっという間に一曲が終わると、おもむろに女子全員が脱いだ。おおっ、と歓声が上がるなか黒を基調としたレースのミニスカート姿でのダンスが始まる。


 最後まで、メイン女子が誰なのかはわからなかった。




 ……はい! 終わりましたよー! 大盛況でしたよー。多分。


 いやー、緊張したー。いくら顔が見えないようになってても、こっちからは結構皆の顔が見えるもんだからさー。いや、そのために割れ鍋を中央に配置したんだけど。


 目立つもんは目立つからなぁ。注目されるのを分散したい秋華ちゃんの案は当たりだったし、隣に犁嘩子ちゃんを並べといたから彼女のプライドも満たされたろう。なんせ割れ鍋は目立つから。


 おかげで私はあんまり目立たずに歌えたよ。メインは犁嘩子ちゃんってことになってるし。


 あれから何度か犁嘩子ちゃん目当ての男子が何人か教室に来たけど、にまにましてたから怪しさ増し増しだった。本人は喜んでたけどね。おつきあいに至らない辺りで察するべきか。


 そして、内緒にしてたのに慧ちゃん先生にはなぜかバレた。


「俺が瑞癸をわからないとでも思うの?」


 いや、思わないっす。このとはひとつご内密に。


 慧ちゃんに口止めして安心してた私は知らない。



 メイン女子を探せ、と勢いに乗った男子達がこの後数ヶ月に渡りうちのクラスに突撃し続けるとか、しまいにはウォーリーを探せみたいになって収まりがつかなくなって慧ちゃん先生のブラックな笑みが炸裂したりだとか、犁嘩子ちゃんが「あたしなのにいー」と叫んだら皆にスルーされることになるだとか。


 そんなことは、知らない聞こえない聞きたくない。

 カムバック、平穏!



ありがとうございました。

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