ご。ざまぁは無意識に
瑞癸さんは、自分に降りかかる火の粉は(メンドーだけど)全力で払いますが、無関係は無問題な人です。
「まず、状況の整理だね」
休み時間終わりそうだが、まぁいいや。
教室から近くの階段へ向かう。私とさぁやんと割れ鍋。名も知らぬ女子とそのお取り巻き共。あと気になってたらしいクラスメイトがぞろぞろと。
「みんな、悪いけどあの日の再現をしたいの」
クラスメイトに声をかけると、それだけで察して位置についてくれた。ちょっとワクワク感が増してるようだ。
私は踊り場に、割れ鍋はコケた場所(階段真ん中辺り)に、さぁやんはその隣に、クラスの男子達は割れ鍋の下におぱんつが見えないように立った。
お取り巻き共はいなかったので踊り場の壁に並んだ。女子は踊り場から上の段に。
「さて、あの日の再現はこんな感じ。これ見てどう思う?」
壁に問いかけると、さっきまでの勢いはどこへやら。オドオドと取り巻きだけでアイコンタクトしだした。
「どう見ても、瑞癸ちゃんが突き落としたにはみえないよねぇ」
「ありがとう、さぁやん」
「そんな……っ」
「美礼!」
「じ、じゃあ突き落としたんじゃなくて引っ張り落としたんだろう!」
「それじゃぁ一緒に落ちるんじゃね?」
「うっ」
思いつきで口にするとこじゃないぞ、ここは。
「そもそも、そこの人。君は確かに階段の一番上にいたの?」
「え?」
「私は確かに君が倒れてたのは見たよ。悲鳴は自信がないけど、倒れてたのは見た」
繰り返す。倒れてたのは見た。私が見たのはそれだけ。だから、突き落とされて転がり落ちる彼女は見てない。
「そんな、の! なんとでも言えるでしょ! 私を突き落としておりてきたのかもしれないじゃない!」
「いや、だから私を犯人にしようとした時点で君失敗してたから」
誰にされたかはわからない。で、嘘を突き通してれば私だって黙ってたさ。ただ、私の冤罪を晴らさないとこれからの学校生活に支障が出るだろうからこそ、こんなメンドーなことになってるんだよ。
「君の敗因は、私を巻き込んだことだ」
メンドーだから言葉で説明はやめた。私はスマホを取り出して、動画を再生する。みんなに見えるように掲げると、見ずらいのか皆近くに集まった。
「割れ鍋の面白動画を録ろうと思ったら、変なのが映ってたんだよね」
割れ鍋を録るために動画に切り替えるたとこからなので、まず踊り場が映る。上階段に件の彼女がいた。結構近い。ここで、上から突き落とされた説が消滅する。同時に引っ張り落とした説も。
そこに割れ鍋の奇声。振り向こうと画面が揺れた時、彼女は悲鳴を上げて2段位を転がった。ほんとに2段くらい。これじゃケガらなんてしないよね。そして割れ鍋のおぱんつが映ったので、動画を止めた。
「さて、反論があるなら聞こうか?」
もちろん認めないがな!
割れ鍋のおぱんつの柄がつきてきました(笑)