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バレリーナ/ 他3篇
バレリーナ/
かろやかな跳躍が
軽薄との境を飛び越えること
肉体の中へ
中へと潜みゆく秘密
ニンフの美しき笑みが翻るとき
交差点/
ぬるぬると別れ行く二つの視線を
ぷつりと絶つ急がせる夕闇に
9:16発/
綴じられている言葉の口たちが
呻きもせず眺めている
画面の比率は9:16
老い/
ボーダーの縞は白
シマウマの白は黒
染めるものは褪せ
生えるものは抜け
見せざるを得ない裏側に
抗えないこと
老いとは
詩のようだ
fff
そもそも声に文字数があるのだろうか。文字は声と音に従うもの。文字の数に声が制限されることは、記号と情報の限界を浅ましく晒す。これが軽薄というものだ。これは情報と言語の相克である。案外に根深い問題となり、いつか提訴されるのかもしれない。




