手巻き時計も、もう作れません
震度計、振動計、温度計、圧力計、
これらで記録が必要な仕事というのがあります。
内部の時計と連動してチャートが動いて、時間の変化とともに温度やら振動やらを記録する機械。
デジタルのものもありますが、
記録に残すためにアナログが主流ですね。
一部の記録計のために昔は手巻き時計を使ってました。
可燃性のガスの圧力を計測するための圧力計です。都市ガスとか。
電池式の時計では電池の電流の火花で爆発するかもしれないので。
このための圧力計用の手巻き時計。
昔は日本にもありましたが、今はもうありません。
日本で作ってるところが無くなったので、同じような手巻き時計は海外から輸入しないといけなくなりました。
この時計、通販で買うと10万以上します。
ただの手巻き時計なのに。
なので値段が高過ぎて、あまり使われていません。
なので電池式の時計を使っています。
爆発しないように祈りながら。
退化してますねー。
一応電池の回りを防爆仕様で作られていますが。
防爆は検定が必要で、定期的に校正に出さないといけません。
電池も交換しないといけないし。
これ、長いスパンで見たらコスト上がってますよね。
手巻き時計なら電流が流れてないから防爆の検定も必要無いし、爆発の心配も無い。ゼンマイ巻くのは面倒だけど、電池代がいらない。
でも、もう日本に圧力計用の手巻き時計が作れるところも無くなったから仕方ないですね。
この前見たものは、チャートを支える盤が樹脂で出来てました。
樹脂の板の上を時計と連動したチャートが動いていきます。
これって、プラスチックの下敷きをごしごし擦るのとおんなじなんですよ。
静電気
火花が出ないことを祈ります。
そんなわけで天然ガスやら都市ガスやら、火花で爆発する気体の圧力を検査する圧力計は、
昔は手巻き時計で、今は電池式の時計。
火花が出て爆発しないことを祈りながら、測定します。
今はもう動かない。
おじいさんの時代の時計。
日本の技術がすごかったのは、
おじいさんの時代の昔の話。