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アナタハ云フガ

作者: アオバ

あなたは私にこう言った

努力ヲスレバ立派ナ大人ニナレル

私はあなたにこう聞きたい

立派ナ大人トハ何デスカ

と。


あなたは一体、立派な大人というものをどのようなものと考えていたのだろうか

周囲に意見を合わせて生きる人か、はたまた個を没して集団に溶け込める人か

少なくとも我を出すような人を描いていたはずはない。


あなたは口癖のように言っていた

人ノ役ニ立ツ人間ニナレ

私はあなたにこう聞きたい

何故人ノ為ニ生キネバナラヌノデスカ

あなたはこうも言っていた

自分ノ為ニ生キナサイ

と。


自分の為に生きるならば、人の役に立つようには生きていけまい

それでは矛盾してしまう

人は自分と他人を同時に等しく大切にすることなど出来るはずがないのだから。


あなたは私にこう説いた

人ハ生マレナガラニシテ平等ナノデス

私はあなたにこう言いたい

ドコガ平等ナノデスカ

と。


この言葉はどこにでも用いられる

しかし、私はとてもそうは思えない

もしも平等ならば何故、人の位を分けるのであろうか。


あなたは恐らくこう言いたかったのだろう

人ハ能力ノ差デハナク、心ノ中身デ決マルノデス

と。


しかし私はそれでも同意はできない

もしもそうならば何故、あなたは私の友人を叱ったのですか

確かに彼は年齢のわりに話す事が不得手であった

だがそれはあなたの言った能力の差というものではないのだろうか。


あなたはこうも言っていた

ソノ齢デコンナコトモデキナイノカ

と。


そう仰るのであれば問いますが、年齢でその程度の事が出来なければおかしいというのではあれば、あなたほどの年齢になればそれなりに何でも出来るようになっているのでしょうか

そんなことはないはずです


あなたは恐らくこう言うでしょう

ソレハ屁理屈ダ

私はあなたにこう言いたい

アナタノ言ッテイル事ハコウイウ事ナノダ

と。


私とあなたは偶々、話すことが普通に出来るように生まれた

ただそれだけのはずです

あなたは彼の生まれながらの差を侮辱したのです。


あなたは私にこう言った

コレダカラ近頃ノ若者ハ

そしてこう続けた

昔ハモット素晴ラシカッタ

私はあなたにこう聞きたい

ソンナコトヲ言ッテ何ニナルノデスカ

と。


あなたに限らず、あなたの年齢の人やあなたより年配の人はその言葉をよく口にする

私はそれを聞くたびに不思議に思っている

そんな言葉を口にして一体何が変わるのかと。


あなたは私にこう言った

君ハ自分カラ動カナイネ

そしてこうも言った

ソンナヤツハロクナ大人ニナラナイ

私はあなたにこう尋ねたい

本当ニ動イテモ良イノデスカ

と。


あなたは私が動けば何かと理由をつけて止めるではないですか

そのような縛られた状態でどうやって動けと言うのですか。


あなたは最後にこう締め括った

人ニ迷惑ヲ掛ケル人間ニナルナ

と、私の友人を指差して、そう言ったのだ。


あなたの言いたかったことは全てそこであったのだろう

自分ニ迷惑ヲ掛ケテクレルナ

そう言いたかったのでしょう

だからあなたは

大人ノ言ウコトヲ聞ケ

と、そう言ったのでしょう




私はあなたにこう叫びたい


あなたの言う立派な大人になり、人の役に立つ人間になり、人に一切の迷惑を掛けずに生きる



一体、それにどれほどの価値があるのだろうか



あなたはいつも私を縛る

私は言われるがままに縛られている

それをあなたは素晴らしいことだと言う


私はそれに一切の共感を持てない


恐らく、私はあなたの言うような人間にはなれないのでしょう



しかし、私はその方が良い



無意味に、無価値に、無感動に、無個性に、

そんな人間になるくらいならば私は

自由に、感動的に、感情的に、より人間的に

生きていきたい



あなたは私を嫌うでしょう

あなたは私に怒るでしょう



それで、いいのです



私たちはその方が、いいのです






しかし、この言葉はあなたには届かないでしょうね



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