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みどりいろ
僕には大切なものがある。
それは、頑張って育てている花。
昔、僕がもっと小さかった頃にみた、色のある女の子。
その子はとてもキラキラしていて。
僕はその子に色があることが羨ましかった。
だから僕もその『色』を手に入れたい。
花は綺麗な色だと聞いたことがあるから、いつか色を咲かせてくれる事を信じてその花を育てている。
だけど、まだ色は咲かない。
いつ色が咲くのかもひとつの楽しみだから、花だけ咲いても嬉しい。
僕をみた人は口を揃えて言う。
色が欲しいなんて不思議だね。
あっても意味ないのにって。
でも、僕には分かる。
色のある女の子は笑顔だった。
ずっと、ずっと。
だから、僕にも色があれば心から笑顔になれると思って。
ある朝、起きると、
咲いた。色が。
鮮やかな緑色。
綺麗な緑が色のなかった葉を彩っていた。
花に色がついてほしかった、なんて贅沢なことはいわない。
色が手に入ったから。
僕は自然に笑顔になれた気がする。
こんにちは。白兎。です!
読んでいただきありがとうございました!!
一話一話が短めなので、もっと長く書けるようになりたいです。