第一歩 〜天使の導きか?〜
ぜひとも評価をお願いします。
ビジネスホテルを後にして、僕は仕事を探すことにした。
探すといってもただブラブラ歩いてるだけ。
携帯で就職サイトを見てみたり、コンビニとかに直接交渉に行ったり。
思い当たる事を全て行った。
自分でも驚く程、行動力が溢れてくる。
行動力が湧けば、自然と頭の回転も良くなるもので…ただ働くだけじゃ生きていく事ができない。住む場所も見つけなれば。
僕は今フル回転している頭を使って住み込み可の仕事を探した。
町外れに向かって歩くと急募の広告が目に入った。
『急募!18〜40歳の健康な方。新聞配達のお仕事です。住み込み可。』
これだ!僕は広告を見つめて息を飲んだ。
ゆっくりと広告の貼ってある、扉に向かって引き戸に手を掛けた。
「ごめんください…」
僕は扉を半分くらい開け、覗くように声を掛けた。
薄暗い店内は、何となく小綺麗で奥には山のように広告が積み上げられていた。
人の気配が感じられず、僕はもう一度声を掛けた。
「すいませ〜ん。どなたか…」
「はい?」
急に背後から返事がした。
「うぉっ!?」
びっくりして思わず、変な声を出してしまった。
「ご、ごめんなさい。…あの、何かご用ですか?」
申し訳なさそうに謝った声の主は、女の子だった。歳は僕と同い年か、少し上か、明るい茶髪が印象的な子だった。
ちょっとタイプかな、なんて考えていると
「あの…?」
と不審がっているのか、軽く睨むように見てきた。
「いや、あのっ、表の求人見て…」
「そうですか。じゃあ、奥へどうぞ。」
女の子は僕を擦り抜けて促した。
振り返ってニコッと微笑まれると、思わずドキドキした。
実はアルバイト経験はスーパーのレジしかないんです。