決意 〜甘ちゃんが出来るまで〜
はじめまして。よろしくお願いします。頑張ります。
僕は高校を卒業してからすぐに上京した。
上京したからって、大学に行くわけでも就きたい職業があったわけでもない。ただ、何もない田舎から華やかな東京に出て刺激のある日々を過ごしたかった。 甘い考えだと、世間を舐めていると、両親や友達にもくどいくらい言われた。 でも僕は、変えたかった。変哲もない、僕の人生を――
東京には、知り合いなんていなくて。生活するには住居も資金も必要で。学生の時は親の臑をがっつりかじっていたわけだから貯金なんて全くないわけで。バイトなんてするほど自立心も発達してない学生だったし、とにかく僕は世間をめちゃくちゃ舐めていた。
「東京=華やか」という方程式が成り立っていた僕にとって、両親や友達の言葉なんて小指の爪先程も届かなかった。 そんなわけで、上京資金に僕は自分の周りの物を売った。
今まで必死に集めたCD、漫画。お年玉で購入したノートパソコン。揚げ句の果てには卒業アルバム…さすがに他人の個人情報と自分の思い出を売った時は胸が痛んだ。だけど悲しいかな、CDや漫画を売って手にした金額の倍以上になった時はそんな良心なんてあっという間に消えてしまった。
東京に行ける、資金は何とか用意できた。
ただ、住居なし。働くあてもない。
「まぁ、いっか。東京なんて働き口いっぱいあるし」そう自分に言い聞かせて上京の準備を進めた。
卒業式の日は、快晴だった。
3日前に降り積もった雪も、溶けて水滴が朝日に反射して眩しい。
今晩、僕はこの町を出るんだ。
卒業式は割と淡々と進められた。鼻を啜る音が所々聞こえてきたけど、僕には関係のない響きだったかもしれない。
教室では、抱き合って泣くクラスメート達。
僕といえば、これから刺激的な毎日になるであろうという期待でいっぱいだった。
そんな僕に話し掛ける友達はいなかった。なぜなら大半の友達は、僕の無謀な将来設計に呆れて離れてしまったからだ。
寂しくなんかない。むしろ、僕の高尚な
「挑戦」を理解する事ができないなら僕には必要のない他人だ。
さっさと教室から出ると一人の同級生が話しかけてきた。
「あのさ…」
僕は足を止めて
「なに?」と振り向いた。
相手は、幼なじみの陽一だった。
「体、大事にしろよ」
陽一は笑ってた。
鼻の奥がじんとする。
「あぁ…」
僕は陽一の顔を見ないように答えた。顔を見たら、泣きそうになるから。
僕は、最後の最高の友達を自ら断ち切った。
校門を出た時、不甲斐にも涙が零れた。
ありがとう、陽一。やっぱり卒業アルバムは売るんじゃなかったよ。
僕は後悔と共に、一歩を踏み出した。
自分でキャラクター作ってムカついてしまいました。今でも卒業アルバムって売れるのでしょうか?駄文でごめんなさい。まだまだ続きます。