第4話 vsレスクヴァ その①
一話の分量とか難しいですよね
どれくらいが長くて
どれくらいが短いのか
まぁ長いより短い方が読みやすいと思うけども
学生の皆さん
勉強頑張りましょう(^ω^)
明日テストなので
全員に無視され一人残された高橋は、自分を親指で指した体制で止まっていたが、数秒後に涙目になりながら出て行った
部屋はトオルとシャルヴィだけになった
トオルはベットに座り
シャルヴィはテーブルのところに座る
「申し訳ないです。あなたを巻き込んでしまって」
「いいよ。もう諦めたから」
そう言ってため息をつく
「最初は私も反対したんですが、トール様は頑固で全く話を聞いてくださらなかったんですよ」
シャルヴィは本当に申し訳なさそうに謝る
「そうだったのか」
「トオルさんはトール様に似ています。頑固なところとか特に」
クスリと笑う
「そりゃどうも。お前は帰らないのか?」
「そうでした。私が残ったのはもう一つの武器の説明のためです」
「金槌か」
「はい。あの金槌は《ミョルニル》といいまして、触れた物の重さを変えるという力があります」
「へぇ、結構強いんじゃないの?」
棚の上に置いてある小袋をチラリと見る
「仮にも雷神の武器ですから」
シャルヴィは嬉しそうにニッコリ笑う
(こんな側近がいて、本物は幸せだろうな)
「それじゃぁ私も帰ります」
「おう」
シャルヴィを寮の入り口まで見送りに行く
□■□さざなみ荘 門前□■□
「わざわざ外までありがとうございます。明日は楽しみにしておいてくださいね。それでは」
「は?」
いきなり、シャルヴィの足元に直径一メートルくらいの白い魔法陣が展開される
そしてシャルヴィは光と共に消えた
「転移魔法ってところか」
一人でそう呟く
「.....なんで部屋の中でやらなかったんだろう?」
疑問を口にするが返事はもちろん返って来ないし期待もしてない
「寒いから戻るか」
肌寒さに鳥肌をたてつつ
部屋に戻ろうと寮の門に手をかけた時
「あなたが小鳥遊 透ですね」
後ろから名前を呼ばれて振り返ると
暗くてよくは見えないのだが
メイド服を着た女の子らしかった
(誰だこいつ。なんで俺の名前知ってるわけ?)
「あのー。どちら様?」
「.........」
返事はない
「あの...聞こえてます?」
「...やっぱり納得できない」
女の子はそう呟くと、トオルにツカツカと早足で近づいてくる
街灯に照らされてその姿がハッキリと見える
やはりメイド服を着ており
赤髪のツインテールで腰あたりまで伸びている
瞳も真っ赤
若干童顔ではあるが
なんか怒ってるようだ
プンプンという効果音が付きそうな感じで
眉がつり上がり
小さな唇はへの字に曲がっている
しかし可愛い
身長も小さく
こんな夜中に歩いてると
特殊な性癖を持った方に襲われてもおかしくはないのだが
特殊な性癖の持ち主、もといロリコンの方々も、その右手に握られている物を見れば襲おうなどとは思うまい
そう、彼女のその右手には
真っ赤に染まった金属製のバットが握られていた
生物としての本能がバットに付いた赤色を見て逃げろと叫んでいる
すぐさま門を開け
寮の中へ、安全な我が部屋へ、一秒でも速く入ろうと走り出した
あとほんの1mのところで
視界の端をなにかが通り抜けた
と同時に
激しい破壊音
目の前の扉には
赤いバットが突き刺さっていた
ゆっくりと後ろを振り返ると
ツインテールの女の子は表情を変えずにツカツカと歩いてくる
部屋に行くことは諦め
寮の裏口を目指して走り出す
後ろでボゴォと何かを引き抜いた様な音が聞こえたが、振り返る余裕はない
裏口を抜け
誰もいない通路をあてもなく走り続ける
が、
残念ながら体力が無いので
少し走ったところで膝に手をつき
息を整える
徐々に頭が回り始める
(なんだあいつ!なんであんなもん持ってるわけよ!)
少し落ち着いてきて
後ろを振り返る
誰もいない
(あいつ何なんだ。俺の名前知ってたし。それよりあのバット!あれ血が付いてたよな)
完全に落ち着いて状況の確認を始める
(もしかすると、ってかそれしか思いつかないが...)
トオルは一つの結論にたどりつく
(あいつ、神か?)
それは妥当な判断だと思う
いきなり雷神トールになって"戦え"などと言われたその夜に、こんなことが起きるのだ
最も適当な判断だと思う
(だけど...)
そう、この考えには辻褄が合わない部分がある
(なぜ俺の名前を知っているのか...)
現在、トオルがトールとして聖戦に参加しているのを知っているのは本物のトールとシャルヴィのみのはずで、他の人及び神は知らないはずだ
(そこがわからないんだよな)
色々考えを巡らせていると
10mほど先の街灯の光が照らす地面に人の影が映し出される
すぐに身構えその方向を見ていると
ツインテールの女の子が出てきた
その手にはやはり赤い金属バット
しかし近付いては来ない
トオルは質問する
ある確認のために
「あんた名前は?」
(俺は神話は少し詳しい。神の名前が出てきたら死ぬ気で逃げる!!)
しかしその思惑も虚しく
「あんたみたいな虫に名乗る名はないわ」
アッサリと拒否
これに対してトオルは
「あ、あぁーそうですかぁ。俺が虫ならその虫すらも簡単に捕まえられないあんたは一体何なのかなぁー?」
トオルは単純にキレていた
(あんのチビ!俺を虫だと!?舐めやがってぇえ)
そんなことを思っているトオルを鼻で笑う
「いいわ。う○い棒より安いその挑発に乗ってやるわ」
(あ、う○い棒知ってるんだ)
「私の名前はレスクヴァ」
(レスクヴァ?そんな神いたっけ?)
「雷神トール様の側近よ」
「........今なんて?」
「雷神トール様の側近よ」
「え...っと」
予想のはるか先を行ったその答えは、トオルの頭を真っ白に変えた
「あなたがトール様の代理として聖戦で戦うのが納得できないの。私」
「だから、不慮の事故に遭ったって事で死んでもらえる?」
そういうとトオルに向かって走り出す
真っ白だった頭は再び緊急事態を知らせる
だが状況を把握する頃にはレスクヴァはすぐ目の前に近付いてきていた
振り下ろされるバットを間一髪でかわす
後ろによろけたトオルの隙を見逃さず、すぐさまバットを腰めがけて横に振り抜く
腕でガードするが、ミシミシと骨が軋む音がする
そのまま横の塀めがけて吹き飛び
塀に背中を打ち付け
激しい痛みと吐き気に襲われる
追い打ちをかけるように、レスクヴァはトオルの頭を狙ってバットを振り下ろそうとする
朦朧とする意識を無理矢理覚醒させて横に飛びそれを回避
振り下ろされたバットは塀に穴を開けていた
軋む体を無理矢理動かし、寮へ向かおうと立ち上がる
(部屋には武器がある!)
そして走り出そうとした瞬間
右肩に今まで感じた事無いような衝撃が走る
レスクヴァがバットを投げたのだ
バギンッと肩が砕けるような音が聞こえて地面に顔から倒れる
もう指一本も動かせないのに思考だけしっかり働いた
(体が動かねぇ...やべぇ死ぬのか?まだ童貞だぞこのやろう。ネトゲも明後日アップデートあるのになぁ。走馬灯とかも無いのかな。つまんねーのな。つーかもう無理...)
意識を失う直前
トオルは
バットを振り下ろそうとしているレスクヴァの後ろに白い魔法陣を見た