表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/92

第37話 いつまでも無力

そろそろキャラ紹介更新しようかな



僕は昔から弱かった

そして今も弱い


昔から弱いせいで友達も出来ずに、イジメられていた

毎日が苦しかった

ほんとに死にたかった


でもある時、僕にも初めて友達が出来た


アシュヴィン姉弟にパールヴァティー

彼女達はいつも優しくしてくれた

とても嬉しかった


そして今も友達に、仲間に囲まれている


でも、

依然として僕は無力なままだ


力も何もない

皆は頑張って戦っているのに僕は見てるだけ


トール兄ちゃんの雷はすごい

ディアナ姉ちゃんは格闘がすごい

リーダーは恐ろしいくらい強い

アヌビス兄ちゃんは強くなった

アフロ姉ちゃんは回復頑張ってる

八橋兄ちゃんは…うん。



みんな強いしカッコイイ


なのに僕だけ弱くてカッコ悪い



時々夢を見る

イジメられていた頃の夢を


そして起きる度にこいつらを驚かせることができるような力が欲しいと願う


力もないのになぜ破壊神と呼ばれるのだろう


破壊神なんて言われても困るだけだ






「どうしたの?」


アフロディテが聞いてくる


「え…あ、いや、なんでもないよ!」


心配そうな顔をしていたアフロディテも、ニコッと笑ったら、笑顔に戻ってくれた


「最近元気がない気がしたから」


ぎくりとビクつくシヴァ

最近イジメの夢をよく見るから傷心気味なのだ


「そんなことないよ!」


あ、嘘ついてしまった


「それならいいんだけどね」



今僕は、アフロディテと一緒に住んでいる

今は会議の帰り

暗い夜道を2人で歩く


「そういえばさ、アフロディテはなんで聖戦に参加したの?」


「私は参加したくなかったんだけどね。オリンポス十二神は強制的に参加させられるみたいなのよ」


「そうなんだ~」


「私だって好きで十二神やってるわけじゃないのにね…」


ポツリと呟くアフロディテ


「ん?何?」


聞こえなかったので聞き返す


「いいや、なんでもないよ」


そう言って笑うアフロディテ


「そういえばさ、ナーサティア強かったね。私ビックリしたよ!」


「うん!あの2人は強いよ!ヒンドゥー神話でも強い方だったし!」


友達が褒められるのは自分が褒められることのように嬉しい


「へぇ~。ヒンドゥー神話は全く知らないなぁ」


アフロディテは薄く笑いながら言う

知られてないのは残念だけど、自分もギリシャ神話についてはあんまり知らない

ゼウスくらいなら知ってるけど



「だいぶ遅くなっちゃったねー」


腕時計をシヴァに見せながら言う

時計は9時をとっくに過ぎていた


「あ、コンビニがある。ちょっと買い物してくるから待ってて!すぐ戻るから!」


トタトタと走っていくアフロディテ


アフロディテはとっても優しい

いつも笑ってて見てるこっちも笑顔にしてくれる

美の神だけあって美人だしね





5分くらい経っただろうか

アフロディテはまだ帰ってこない


「おかしいな、すぐ戻ってくるって言ってたけどな」


コンビニの前でウロウロしていたシヴァも、不審がってコンビニに向かう




「久しぶりだな」


急に後ろから声をかけられた

振り返って見てみるとそこには、20歳くらいの茶髪の男が立っていた


「よぉ、シヴァ。久しぶり」


不吉な笑顔で笑う、ヒンドゥー神話の最高神【インドラ】が立っていた


「インドラ…!」


インドラの手には3mを越える槍があった


「お前、"まだ"なのか」


インドラが呟くと同時にシヴァは走り出した

逃げる、逃げる、逃げなきゃ死ぬ


インドラの顔を思い浮かべる度に、頭が割るような痛みが走る


ヤバイ、思い出す(・・・・)


インドラの背景がぐにゃりと歪む


「っ!!【ヴリトラ】もいるのか!」


シヴァが叫ぶと歪みが消え、インドラが走ってくる


「シヴァ、お前がいなければ俺の最強は確定するんだよ」


槍を構えるインドラ


あの槍は1本なら(・・・・)何の力もないただの槍

しかしこの槍で、インドラはヒンドゥー神話の最高神の座を手に入れた



シヴァの逃げる先に突如黒いドラゴンが現れる


【ヴリトラ】


かつてインドラに倒され、インドラに使えているドラゴン

自在に姿を消すことができる


ヴリトラがバカッと口を開ける

そこから1本の槍が伸びる


これが槍の2本目


2本の槍が揃って初めて力を発揮できるインドラの槍


2本の槍の先端が白く光りだす


槍の能力は

槍の先端と先端の間に雷を落とすというもの


その破壊力は、雷のプロフェッショナルである雷神トール、全知全能のゼウスさえも軽く凌駕する


どこの神話を探してもこの雷を防げる神、武器は存在しないだろう

いや、『だろう』じゃない

存在しない


「うああああああああああああああああああああ!!!!」


速く、速く、一瞬でも速く、槍と槍の対角線上から離れなければ死はまぬがれない


叫び声を上げながら必死に走るシヴァ

走って走って、飛ぶ


そして巻き起こる閃光、破壊

対角線上の物質は全て焼き崩され、消滅する


「はぁはぁ……」


無事に回避することが出来たシヴァ

いや、

無事にでは、なかった






シヴァの両足が、膝から下が、消えている



「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


痛みにもがき、近づいてくるインドラに絶望する


「よくその子供の体で避けれたな」


這いつくばってもがくシヴァを冷めた目で見下すインドラ



死ぬ

逃げようにも逃げる足がない

絶望的すぎる

今も昔もやっぱり自分には絶望しかない


せっかく友達ができたのに、

せっかく仲間ができたのに、

何も出来ずに死ぬなんて

昔の奴らを驚かせることも出来ず、

人間派閥の力になることも出来ず、

自分は最初から最後まで無力のまま死んでいくのか


(悔しいな)


インドラは槍を構えなおす


「ありがとうと言わせてもらう。これで俺の最強が証明され、決定する」










「さよならだ。破壊神」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ