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第32話 色縛り

□■□~アヌビスside~□■□




「壊しがいがあるね」


ラーは笑う

その笑顔は過去にアヌビスが見た笑顔とは違う

殺意、敵意、悪意

色々な負の感情が張り付いた笑顔


「ラーの能力知らないんだけど」


アヌビスがホルスに打ち明ける


「あいつは俺と同じ炎だ。でもちょっといじってるな…。気をつけろよ」


ホルスが複数の炎の塊を作り出す

それを体に纏いながらラーに向かって走り出す

遅れてアヌビスも走り出す


ラーは立ったまま動じない


ホルスの周りの炎の1つがラーに向かって動き出す



そして突然弾けた

まだホルスの周りにあった炎も全部


自分で作り出した炎に焼かれるホルス

すぐ後ろにいたアヌビスも炎に巻き込まれる

しかし能力で外傷はない


「くっ」


とっさに転がり、すぐに炎の中から飛び出すアヌビス


「ホルス!どうしたんだ!」


今の炎は明らかにホルスの意思なく弾けた


(まさかラーが何かしたのか?)


ラーを見ても、変わらず立ったままで目の前で燃えるホルスを見て笑っている


(なんなんだ…これは)


「ぐあああああああああ」


全身を自分の炎で焼かれるホルス

アヌビスの能力は触れた付近しか効かない

触れた傷口のところしか効かない

しかも生きているものを長い間"とどめる"ことは出来ない



「ホルス!はやく炎を消せよ!」


アヌビスが叫ぶもホルスは炎に焼かれ、のたうちまわっている


おかしい

あきらかにおかしい


「てめぇ!何かしたな!!」


ラーに向かってアンクを振るう

しかし軽々とかわされ、蹴りをくらう


「わっかんないかな?わかんないよね~普通」


ラーが挑発したように倒れたアヌビスを見る


「知りたい?俺の能力。まぁ、教えないけどね~」


昔と性格が違いすぎる

なんだ、誰だこいつ

昔のラーはもっとおどおどしていて気弱だった


「何をされた…。悪魔共に…」


アヌビスが立ち上がりながら言う

魔力が底をつきかけている


「力を貰ったのさ、君達に勝つための力を。勝てればいいんだよ、君達に」


ケラケラと笑うラー


「クソ…」


こいつを殺せば、過去を断ち切ることが出来る

全て断ち切った上で


「イシスを救う。それだけは譲れない」


走り出す

アンクをラーの顔めがけて叩きつける

しかし、かわされる

そんなことはわかっている

それでも進まなくてはいけない

イシスのため

再び蹴りが来て、それを腕で弾く

互いによろける


よろける寸前、ラーが何かを投げた


赤いビー玉だ

それがいきなり燃え始め、アヌビスを襲う

やけどがなくても、炎の中は苦しい

肺に入れる酸素が減り、呼吸困難になる


「カハッ…」


地面を転がり、火を消していく

ホルスも炎を消して立っていた


「ホルス!?大丈夫なのか!?」


ホルスはラーを睨んだまま動かない


「…色縛りか」


ホルスがボソッと呟く

その呟きに、驚いたような顔をするラー

しかし、また元の笑顔に戻る


「へぇ、意外だな。わかったのか、俺の能力」


「縛りは赤か」


「どういうこと?」


一人理解できないアヌビスがホルスに聞く


「色縛りってのは、能力を決めた色だけにしか効かないようにする代わりに、絶大な力を手に入れるというものだ」


「?」


「あいつは炎を操るだけで、自分で炎を出せない。代わりに操る力は俺より凄かった。ただでさえ強い【自分では炎を出せない】縛りに加えて、【赤色しか燃やせない】という縛りを足して、さらに強くなっている」


「昔は俺の炎を操ることが出来なかったが、色縛りを加えて、俺の炎を操れるようになっている」


「ていうことはまさか…」


アヌビスが1つの事実に気付く


「そう、俺は炎を出せない。出せば操られる。しかもだ」


そう言ってラーが投げたビー玉を指さす

赤いビー玉は燃え続けていた


「多分、一度赤色についた炎は、何をやっても消えない」


そしてギロリとラーを睨む


「なぜ俺の炎を消した?舐めてるのか」


それに対してラーはアハッと笑い


「舐めてるのか?うん、舐めてるよ」


ポケットからタバコを取り出し、ライターで火をつける

そして、今度はポケットから赤い液体が入った瓶とハンドガンを取り出す


「じゃ、本番始めようか」


ニタリと笑うラー


ホルスに向かって、赤い液体が入った瓶を投げる


「まさか!」


ホルスは何かを察したのか、アヌビスを突き飛ばす

いきなりのことで対応できず突き飛ばされ、よろけてこけるアヌビス


瓶はホルスの斜め上を飛んでいる

そしてそれを



パァン、


ハンドガンで瓶を撃つラー

見事に命中し、瓶が砕け、中身がホルスに降り注ぐ

銃弾で発火した、消えない赤色が



ホルスの全身が炎で包まれる


「ホルス!!?」


ホルスは少し抵抗したが、それすらもなくなり、地面に倒れて動かなくなった

炎が消される

死んでいるのか、それとも気絶しているのか

液体で真っ赤に染まったホルスは目を閉じて、今、目の前で倒れている



ザザ…

ザザザ


あの時のあの人の姿が再び重なり始める


やめろ!

今はそんなこと思い出すな!


ラーは再び瓶を投げる


逃げなきゃ…


瓶の中身がかかる範囲から横に転がって出る


頭痛がする

ホルスは動かない


炎にかなり耐性があるホルスでもあの炎を受ければ死ぬかもしれない


死ぬ

死ぬ…

その言葉で頭痛が酷くなる



パァン


銃声が1つ


横腹に違和感


なんの気なしに違和感がある横腹を見る


そこは穴があいて、血が滲んでいる


顔を上げるとラーが銃口をこちらに向けていた


「いやね、誰も瓶を撃つとは言ってないし。それにそろそろだと思ってね~」




魔力切れ



ゆっくりと寝転がるようにして倒れるアヌビス


すでに辺りには血が溢れている

アヌビスの血だ



二人の神が倒れた廃工場に、瓶が地面に落ちて割れる音だけが響く



すいません


投稿してリア友に言われたんですけど

ラーの能力に矛盾が生じちゃってました

赤色しか燃えないという縛りなのに

肌色である皮膚が燃えるのは矛盾でした

もうどうしようもない間違いなので

これでいきます←



でも

肌をよく見たら

赤にも見えるんじゃないですか?


見えますよね?



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