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第27話 蝶の羽ばたき




□■□〜トオルside〜□■□




「アキちゃん!話を聞いてくれ!」


トオルはアキを説得する


「嫌です!話すことが何もないからこうやって戦っているんです」


アキは叫びながらも攻撃を続ける


「ちょっとトール!この子一体なんなのよ!」


攻撃を避けながらトオルに向かって叫ぶディアナ



それは俺だって知りたいよ!


頭から血を流しながら攻撃をかわし続けるトオル



攻撃が見えない



攻撃は確実にアキからのものだ

しかし、アキは特に何かをしているようでもなく、服の裾を握り締め、ただトオルを恨めしそうに涙目で睨んでいる


なんなんだこの攻撃は

感覚としては高橋の座標融解(メルトロケーション)に近いと言えるだろう

攻撃が見えない

トオルは周りに電磁波を張り巡らし、その歪みで攻撃をかわしている

攻撃は風のようだ

だが鉄並みの硬さを持っている

風に硬さとか意味わからないことを言っているのはわかっている。だが一番最初の攻撃でここまでのダメージを受けた


頭をさすりながら思うトオル

手にはネットリと血が付く


タネがわからない

そういう能力なのかな…

だけど何か違う気がするんだ


ディアナもギリギリで避けている

身体能力が並外れているディアナでさえ避けるのに苦労している



戦う気はない

俺はアキちゃんとは仲良くしたい

アキちゃんはただ、誤解しているだけだ

だが、誤解を解く方法を探す前にこの状況を切り抜ける方法を探す


まずアキちゃんを抑えてみるか


攻撃を避けながらディアナに近づく


「おい、アキちゃんの気を引いてくれ」


アキには聞こえないように小さい声で耳打ちするトオル


「何か策でもあるわけ?」


「あぁ、ある」


「気を引けばいいのね。なーんか利用されてるみたいだけど、いいわ!やってやんよ」


「嫌な言い方すんなよ!」


だが助かる

ディアナは大袈裟に魔法陣を発動する


あいつ魔法陣使えんのか?

ふと疑問に思うが、多分何もできないだろうと勝手に結論づける

気を引くためにやってくれてるのだろう


よし


(ヤールングレイプ!)


ヤールングレイプに溜まっている電気を体に流す

瞬時に身体能力が上がり、攻撃をかわすのも楽になる

まぁ、ディアナに引きつけられて、トオルへの攻撃が手薄くなったってのもあるが



(押さえつけるくらいならいいよな…)


でも他人から見たら良くない気もする

男子高校生が女子中学生を無理矢理押さえつけるなんて、警察呼ばれて当たり前のレベルだもの

しかもアキちゃんの服装が裸Yシャツと、いかにも俺が無理矢理脱がせたみたいだし…

俺が危ない人(ロリコン)みたいじゃん



(ディアナに殺されそうだけど、やるしかないよな)


覚悟を決めて足に力を入れる

電光石火の動きで、瞬時にアキの後ろに回り込み、ひとまず後ろから両腕を掴む


「ひゃっ!?」


ビクンと震えるのと同時に

短い悲鳴をあげて、バタバタともがき始めるアキ


「や、やめて下さい!放してください!」


こんないたいけな少女を無理矢理押さえるなんて

しかも嫌がっているのに…

心が痛いいいいい痛えええええ


突如すねに激痛が走る

アキにかかとで蹴られたようだ


あの品行方正(服装は除く)なアキちゃんが蹴りを入れるなんて


なんか悲しいし、すねが痛い


が、そんなことに気を取られている暇はない


すぐにアキは攻撃を再開し、トオルを攻撃する


「ぐっ…」


後ろに飛び退いて回避する

トオルが立っていたところは風で抉られ穴があく


「うわ…。あ、アキちゃんの能力はなんなんだよ!」


攻撃はわかってもそのトリックがわからない


「このまま一方的に攻めるのも私のポリシーに反しますね。わかりました。なるべく対等にするために私の能力を教えましょう」


案外優しいな

ポリシーとか言ってるけど

優しいな

能力教えてくれるのかよ

やっぱアキちゃんとは仲良くしていたい


(誤解は絶対に解いてやる)



「トオルさんとディアナさんは"蝶々効果(バタフライエフェクト)"って、知ってますか」


「え?」


「知らないようですね」


蝶々効果(バタフライエフェクト)の例えを言いますね。例えば、遠いアメリカにいる蝶々の羽ばたきが、ここで竜巻を起こすかもしれない。この可能性は全くゼロではないですよね?」


「え?何が言いたいんだ?」


「つまり、私の能力はほんの少しの動きで莫大な破壊力を生み出すということです」


「ちょ、何言ってんのかさっぱり」


「私のデコピンによって起こる風が暴風に変わり、なおかつ私の魔力に感化されて、鋼鉄並の硬度を持つようになる可能性だってゼロじゃないんですよ」


そういいつつトオルの方に指を向け、ピンと弾く


それと同時に指先から爆風が起き、廃工場内の機材を巻き込んでトオルの方に突き進む


「なっ!!?」


機材を磁力操作で吹き飛ばすも、暴風に襲われ壁に叩きつけられる


「カッハ…ッ!?」


「今のはただの暴風です。これにさらに硬化がつきますよ」


ニッコリと笑うアキ


「クッソ…」


強すぎんだろ…

つーかその能力なら基本なんでも出来るんじゃねぇか?


「ついでに教えましょう」


「私は神です」







「【天照大神】これが私の本名です。裏切ったトオルさんが悪いんです。それじゃ全力でいきますね」



聖戦に参加した唯一の日本の神がその力を奮う



わかってる方がほとんどだと思いますが


アキちゃんは天照でした



大神 天昭


天照 大神



苗字を入れ替えて点を足すだけです


簡単ですね




アキちゃんの能力ですが


説明が難しい


読者さんは理解できましたでしょうか


そこが心配です

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