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何度も言うが俺は雷神トールじゃない!  作者: ビタミンA
第1章 お前今から雷神な
22/92

第16話 vsディアナ? その① ◆

少し長くなってしまったかもしれません


切るところが微妙だったんで…


挿絵あります


どうも皆さんこんにちは

私は小鳥遊 透というものです

私は現在、人生初の【デート】というものを実行中です

いやまさか生きてる間にこんなことになるとは


「ほんと、なんでこうなった?」


「な、なんか言った?」


トオルと【ディアナ】は"手を繋いで"街中を歩いていた…




□■□少し前□■□




今日の朝は目覚めが良かった

傷もすっかり治っていて

動けるようになっていた

朝ごはんは、意外にも普通の味だったディアナのお粥を温めて食べる

うん、やっぱり普通の味


朝ごはんを食べたあとは

顔を洗い、歯を磨く

今日は気分がいいから

部屋の掃除でもしようかしらと

散らかっている漫画等を片付け始める

しかしそれも10分と程で断念

部屋は大体片付いたからよしとする


「さて、じゃぁ日曜だし一日中ネトゲをしますか!最近色々あって全然できなかったしなー」


机の上のパソコンを起動する


冷蔵庫からジュースを取り出し

机の椅子に座ったところで

携帯が鳴った


「ん?誰だ?」


携帯を開くとディアナからのメールだった


「あれ、なんだろ」


メールを開くと[今日暇?]と書かれてあった


「一応暇かな」


暇だよと返信する


すぐに返事が返ってきた


メールを開くとそこには




[今日デートしよ]




「…ん?」


送り主を確かめる

キチンとディアナと書いてある



女子のイタズラでずっと下をスクロールすると[嘘だよ☆こんなの真に受けるなんて馬鹿じゃないの(笑)]みたいなことがあるのだが

下にスクロールしても何もない


完全に思考が停止した

頭は真っ白


パソコンの起動音で我にかえる


「え、え?なにこれ怖い。チェーンメールより怖いんですけど」


何を企んでるんだあいつはと疑いの目を向ける


(あいつは俺から能力を奪われて恨んでるはず。なんでこんなことをする?)


最もな疑問であった

ディアナにとって能力を取り戻すことがこの聖戦に参加した理由のようなものである


(まさか、あいつ俺のことが…いや、ないか)


「とにかく今日はネトゲをするんだ!」


メールを無視してパソコンに向き直るが


パソコンは青い画面のまま動かない


「あ、あれ?まさかフリーズした?」


一度電源を切り、もう一度起動するも同じ青い画面で止まる


「あぁ、神よ。貴方は私に一体どうしろと…」


(…仕方ない。神なんてすぐ周りにいるし。つーか今から神とデートだからな)


携帯を手に取り、

いいよ

と返信した







駅前に12時に集合


しかし時計は12時10分を刺している


トオルも色々疑っていた割には

どんな服を着ようかと服を必死に選んだり

デートでどんなことするのかとネットの中を駆け巡ったりと

デートを楽しみにしてたりする

なんせ初デートなのだから


(相手がディアナだからとかいってらんねーな。あいつも何か思うことがあってあのメールを送ったんだろうし)


と勝手に解釈し

駅前へとダッシュする




駅についた時には

12時20分を過ぎていた


(あいつどこにいんだ?)


周りも見てもそれらしい人物はいない


「ちょっと!」


後ろから声をかけられ振り返ると


驚愕

今年一番のびっくりかもしれない



ディアナが頭にリボンを付けて

なんとミニスカートを履いていた

あのズボン以外履きませんよのディアナが、だ


挿絵(By みてみん)


何もかもが分からなくなる


「ど、どうかな…」


会ったばかりというのにいきなりすごいことを言い出すディアナ


「へ?」


間抜けな声を漏らすトオル


「いや、だからさ。どうかなーって」


ディアナは少しうつむき恥ずかしがってるようだ


「え?あ、可愛いよ」


って何言ってんだ俺えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ


ディアナも顔を真っ赤にしている


そして蹴られた


「痛い!」


「……ありがと」


ディアナがボソッと呟く


「え?何て?」


再び蹴られた


「さっさと行くわよ!」



(…聞こえたよ。聞こえましたよ。あれ?こいつこんな可愛かったっけ?なんかいつもと違くない?今日地球滅亡するんじゃね?)


一人悶々と悩んでいたら

ディアナが手を伸ばしてきた


「?」


「手。握ってよね」


「は?」


「だから!一応デートでしょ!」


ガシッと手を握られた


「これでいいの!」


そう言いつつも顔は真っ赤になっている


多分トオルも真っ赤だ


(え、何これほんと意味わかんない)




□■□■□■□




「なんでこうなった?」


「なんか言った?」


「なんで手を?」


「あ!アタシだって好きでこんな…」


ブツブツと呟くディアナ


「で、どこ行くんだよ」


トオルがいかにもめんどくさそうに尋ねる


「そのあからさまに嫌そうな態度は少しムカつくわね」


ギロリとトオルを睨む


(やっぱそれが普通だよなー)


「悪かったよ。で、どこ?」


「アンタ昼ご飯食べた?」


「いや、まだだけど」


「なら昼ご飯食べましょ」


なんか恥ずかしそうにしているのは気のせいでしょうか


「ファミレスとか?」


「ちょうどそこにあるし行こうか」


ちょうど見えるところにサイゼ〇ヤがあった

安くて有名なアレだ

二人は手を繋いだままファミレスへ向かう


店内に入るとすぐに店員が現れた

女性店員だ

手を繋いでるのを見てニッコリ笑い


「喫煙席にしますか?禁煙席にしますか?」


と聞いてくる


「禁煙席で」


トオルは素っ気なく答えた


店員に案内される

席に着く瞬間

店員にポンと肩を叩かれ

耳元で「頑張って下さい!」

と言われた

すいません店員さん

何を頑張ればいいんですか?


メニューを開き頼む品を選び始める


なかなか種類が豊富で悩んでいるとディアナが「注文決まった?」と聞いてくる

普通なら何も聞かずにボタンを押して店員を呼ぶだろうがそうじゃないようだ


「まだ決まってない。種類が多くて悩むわ」


ピンポーン

返事を全て聞く前に平然とボタンを押すディアナ

そしてニッコリとトオルの方を見る


「あ、ごめーん。まだ決まってなかった?ボタン押しちゃった☆」


皮肉たっぷりに言うディアナ


(で、ですよねー)


トオルもまぁこいつはこうでなくちゃとある意味で安心する


(変に見えたのも気のせいか)


いろいろ考えているうちに店員が注文を聞きに来た


「ご注文は?」


「私はハンバーグのライスセットを」


「えっ…と俺は……お、同じものをください」


いよいよ決めきれずに同じものを頼むトオル


前でディアナがギョっとしているのは気のせいか?


「かしこまりました。しばらくお待ち下さい」


ぺこりと頭を下げて店員はスタスタと厨房へ向かう


「あ、アンタも同じのにしたのね」


「どうした?目が泳いでるぞ?」


さっきから凄い汗をかいて周りをキョロキョロしているがどうしたのだろうか


「お、お冷取ってくるわね!」


ぎこちなく席を立ち、ワタワタとお冷を取りに行くディアナ



お冷は普通に来た


(俺の予想じゃ氷だけ入れて持ってくると思ったんだが…まさかガムシロップでも入れたのか!?)


ちょびっと飲んでみるが普通の水である


「お待たせしましたー」


店員がハンバーグを持ってきた


見た目は美味しそうだ




黙々と半分くらい食べた頃にディアナが喋り出した


「あ、あぁーもうお腹イッパイダナー」


完全に目が泳いでいる

そんなディアナをチラリと見て

ハンバーグを口に運び続けるトオル


(何考えてるんだコイツ)


「ちょ、ちょっとトール。アタシの分も食べない?」


いきなりなんか言い出した


「は?いや、別にいらないけど」


「遠慮しなくていいから」


執拗にトオルにあげようとするディアナ


「いや、だからいいって…」


「いいからいいから!く、口開けて!」


「は?」


何言ってんだこいつと怪訝な顔をするトオル


「あ、あーん…」


ハンバーグを一口サイズに切り取りフォークで刺してトオルの口へ近付けるディアナ



(……………………は?)





二人の波乱万丈のデートはまだ序章でしかないのである

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