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何度も言うが俺は雷神トールじゃない!  作者: ビタミンA
第1章 お前今から雷神な
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第8話 vsオシリス その①

バトルシーンを書くのは大変ですね

□■□■□■□



目を覚ますと

やはり白い天井だった


むくりと起き上がり周りを見渡すと


やはり黄色い青年が椅子に座ってニコニコしている


「今度は何の用だよ」


「トオルの学校に神が来てる」


「え...マジっすか」


「そこまで力は無いと思うんだけどねぇ」


「どうすんだよ!俺の仲間知ってるだろ?相手がそこまで強くなかったとしても瞬殺余裕のザコさだよ!」


頭をガシガシと乱暴に掻き、唸り声をあげるトオル


「あー...仕方ない。今回は俺がやる。トオルは戦い方を覚えてくれ」


「マジで!?嘘じゃないだろうな!!ハッハー!雷神様直々に手を下すとは相手さんも不幸だなぁ」


ニヤニヤしながら眈々と話す


「あ、勘違いしてるかもしれないけど戦うのはトオルの体で、俺がそれに乗り移るの」


「...ちょっとよく意味がワカリマセン」


さっきまでのにこやかな顔が一気に引きつる


「その顔ならわかってるな。おっと、攻撃して来たみたいだぞ」


「?...って痛い痛い!!!体が痛い!」


何の気もなくいきなりのたうち回るトオル


「それはトオルの体が攻撃を受けてるからじゃない?今のトオルは思念体だからさ」


「グフゥ...痛いよ...もう何でもいいから倒しちゃってよー」


涙目になっているトオル


「それじゃ、久しぶりに暴れるか」


「俺の体は大切にしてくれよ?」


「フンフ〜〜ン♪」


「なぜ返事をしない」


「〜〜〜♪」


「鼻歌をやめて返事をしろ!」


トールに掴みかかろうとするが

フッと消える


(まさか...)


『正解だぜぇ

もう乗り移ったよー』


スピーカーから音が出るように

濁った声が天井から聞こえる


「本当に頼むよ...」


トオルも白い部屋から姿を消した



□■□■□■□



「さぁて、奴さんも気合い入ってるようだねー」


オシリスの背中では翼がウネウネ動き続けている

トールは拳と拳を合わせる


「始めるぞ」


拳を地面に向かって振り上げ

振り下ろす

地面に拳が触れる瞬間

爆発のように砂煙が舞う


敵を見失ったオシリスは

攻撃に備え身構える


砂煙の上からトールが飛び出て来た

学校の屋上くらいの高さまでジャンプしたトールは落下の勢いも乗せて拳を振りかぶる

しかしオシリスは

トールの落下中に翼を伸ばしトールを貫こうとする

当然空中では身動きが取れないトールは顔に、腕に、腹に、足に翼の攻撃を受ける

しかし

翼によって貫かれたトールは血が吹き出るわけではなく

バチバチと音を立てて空中で電撃の塊となり弾けた

翼を伝ってその電撃を全身に浴びるオシリス

体が痺れ、動きが鈍っている隙に

先程の砂煙の中から

トールが走って来た


「電撃の分身だよ」


[うわぁ、卑怯だぁ]


「そんなこと言ってられないのよ」


痺れて動けないオシリスの目の前まで来て

思い切り電撃を纏った拳を振りかぶり

顔面をぶち抜く

鼻と拳が衝突する瞬間

トールの拳から電撃が炸裂する

電撃を纏った拳をモロに受け吹き飛ぶオシリス

振り抜いたトールの拳には

バリバリと電気が帯電していた


[今の電撃ヤバイだろ。俺の体もたないよ!?]


「まだだな、あいつは電撃程度じゃ死なないな」


グラウンドの端まで吹き飛んだオシリスは何もなかったように起き上がりトールに向かって歩いて来ている

それを見たトールは

右手を振りかぶり野球のボールを投げるように右手を振り抜くと

ボールではなく

その掌からは

雷撃のレーザーが放たれた

レーザーはオシリスの肩を貫き

後ろの草木もろとも爆発した


[お前、兵器か?」


「神だよ」


爆風によろめきながらトールは答える


「もう終わっただろ。つーかまだ聖戦は始まってないのに何で襲ってきたんだ?」


[おい、今さらっとすごいこと言ったな]


「ん?どうした?」


[まだ聖戦始まってなかったのかよ!!今知ったわ!驚きだよ!]


「え?マジか。つーかそんな喚くとかトオルのキャラじゃないぞ。もっと卑屈に!ネガティブに!」


[お前そんな楽しそうに俺の生活を見て俺を選んだのか]


「まぁな」


[クッ...ムカつく]


「おっと、奴さんまだやるらしいぜ」


爆煙の中からのっそりとオシリスが出てくる

肩からは血が流れている

ダメージは確実に溜まっているようだった


「しつこいな...一気に決めるか」


そう呟いて全身に電気を纏う

足に力を入れ走り出そうとした瞬間


ガクッと膝が折れて

地面に倒れこむ


「は?」


体が少しも動かない


[どうした?]


「トオルの体...使いすぎたみたい」


[な...]


「それじゃ、俺は戻るわ☆」


[!!?おい!待てよ!]


トオルの髪の毛が徐々に黒くなっていく


「ッ!?いたたたたたたた!!!!」


体に戻った瞬間全身が激痛に襲われる


「トールめぇ...大事にしろって言っただろぉ...」


[いやー、すまんすまん]


「!!お前ェ!」


[ほら、オシリス来てるぞ]


「マジで?」


酷使しすぎたトオルの体は地面に伏して首を動かす事すら出来ない


[あーぁ、もうすぐ後ろに...]


「ちょ!?お前死んだら呪うからな!!」


[いや、まだ遠くにいるけど]


「おい...」


[呪うからな!!だってwwwさすがトオルだよ]


ケラケラと笑うトールの声が聞こえる


「お前本当にムカつくな。つーかどうすんだよコレ。口と目しか動かねぇぞ」


[大丈夫。助っ人呼んだから]


「マジで!?強いの!?」


[うん。強いよ]


「信用ならんが早くして!」


[もうそろそろなんだが]







突如トオルの目の前に白い魔法陣が現れた


(まさか...)





そして白い光と共に

シャルヴィが現れた


「お前か...」


「はい。私です」


シャルヴィはニヤニヤしながら倒れているトオルを見下ろす


「お前戦えんの?」


「もちろんです。聖戦が始まっていない今だけですけど」


こうしている間にもオシリスはゆっくりと距離を詰めて来る


「回復のためにアフロディテさんを呼んでますから後で回復してもらって下さい」


「ありがとう。と言いたいがあいつでこれを回復出来るのかな...」


「信じましょう!オリュンポスの神なら出来る...と思います」


そう言ってシャルヴィはポケットからタバコを取り出す


「それじゃぁ、始めますね」


シャルヴィはタバコを口に咥えて走り出した

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