第二話
1ー3
「あぁ!またこいつおんなと来てるっ!」
「ぐぅ介うるさい!」
同じクラスの藤田大介は大きい声でいつも文句を言っていて、この頃は何故か、のぞみちゃんにつっかかってくる。
ぐぅ介の勢いに驚いたカホちゃん達がちっちゃく手を振ってから自分の席に行く。
うんまたねー
「ぁ、おはよう大介くん、」
のぞみちゃんの面白いところは人見知りだけど、気弱ではないってところだと思う。今もやんや言ってるぐぅ介の話をしっかり聞こうとしている。腰に手を当てた偉そうなぐぅ介が、
「お前さぁ、おんなとばっかいないで学校ぐらい1人で来いよ。どうしてもってンなら俺が一緒に行ってやるし。」
「?ほたるちゃんはおとなりさんでおともだちだから、ほたるちゃんと行くよ?」
「だから、おんなとばっかいたってつまらないだろっ」
「?ほたるちゃんといるの楽しいよ?」
のぞみちゃんはゆっくりだけと、ちゃんと自分の考えを流されずに言える子だってお母さん言ってた。だから大雑把なアンタといても安心って、どぉゆう事だろ?
わたしが考え事してる間に
「おまえ、あいつのこと好きなんだろ?」
ぐぅ介の声がまた一段と大きくなって、クラスの視線を集めていた。
「ほたるちゃん?大好きだよ?」
「おとこが簡単に好きとか言うなっ!」
「なんで?ほたるちゃんは大好きなおともだちだよ?」
「好きにはもっと上があンだょ!おこちゃまには分からないかもしれねーけどなっ」
「大介くんも6才だよ?」
「ぐぅっ」
「あ!だからみんな大介くんのことぐぅ介って言うんだね」
のぞみちゃんのそうだったのかーの笑顔にぐぅ介が真っ赤になっていく、何か言い返そうも悪気のないにこにこ笑顔にまたも
「ぅぐっぐっ」
ふっはははは
クラスに笑いが起こる
「な!笑ってンじゃねーぞ!虫女っ!」
「ちょっと、今笑ったのわたしだけじゃないでしょ!」
「うっせー虫女!げじげしのくせにっ」
なんだと!わたしよりちっちゃいくせに!
「蛍はキレイだもんっ!めったに見れないレアなんだから!」
「ただの黒い虫だろ!」
「蛍は光りますぅー」
わたし達のやりとりにまたみんなが笑う。
もぅ!ぐぅ介のせいでわたしまで笑われちゃったじゃん!
むっとしてるわたしの隣で
「ほたる?」
「あ、もしかしてのぞみちゃん蛍見たことない?」
お母さんがのぞみちゃんはとかい?から来たって言ってたな、
「ちっせー黒い虫だぞ!」
「うるさいぐぅ介!
うーん?この近くだとどこで見れるんだろ?前にね、おじいちゃん家の近くの川で見てね、すっこぐキレイだったんだよ!
あ、図書館だったら本があるかも!」
「見たい!」
う、のぞみちゃんがこんなに興味もってくれるのはじめてだよー
かわいいょー
悶えてるわたしの後ろからチャイムがなる。
「ほーら、始めるぞー 早く席に着けー」
先生の声にみんなが慌てて席に座っていく。
のぞみちゃんとぐぅ介は前後の席で椅子をひくのぞみちゃんに
「ほんとーにただの虫だぞ」って
「?大介くんは?」
「俺は虫じゃねーよっ!」
「うるさいぞ、藤田、着席!」
「ぐぅっ!」
ぐぅ介はいつになったら学習するんだろうか?
教室はまた笑いに包まれた。




