第一話
小学校に上がる少し前にその子は隣に越してきた。
綺麗な女の人のスカートを握って、小さい体を震わせ、
うるうるのおめめと真っ赤なほっぺ、
ぎゅっとつむった唇をおずおずと
「ふじさわのぞみ 6さいで「かわいいっ!!」へっ?」
ぎゅっと抱きついてすりすりするっ!
わ!髪もふわふわぁ!
わたしの髪は肩の所であっちこっちハネてたまに顔に刺さる!
だからいつもぽにてーる。
こんなかわいくまとまってるなんて
いいなーいいなー
その子の体が徐々に傾き、後ろの男の人が慌てて支えてくれた。女の人は眼をぱちぱちさせていたけど、私と目が合うとにっこり
わっ!きれーなひと てへへ
背後から母の呆れた視線を感じる。
振り向くと兄がばーかと口を動かした。
「すみません、この子落ち着きがなくて」
「常識もなくてすみません」
む!
「たにぐちほたるです!6さいです!
のぞみちゃん、ともだちになってください!」
私は姿勢を正して右手を差し出す。のぞみちゃんは目をぱちぱちさせてからおずおずと握ってくれた。
「ぅ、うん」
かわいー かわぃいいょー
にこにこ手を繋いでる私たちの後ろで
「改めまして、隣に越してきました藤沢です。
妻の瑠璃子と息子の望海です、よろしくお願いします。」
ん? ‥‥むすこ?
「え!?」
茶色のふわふわな髪、おっきい目、真っ赤なほっぺののぞみちゃんはのぞみくんだった。
ーーーーーーー
「おはよう!のぞみちゃん!
がっこーいこー!」
「ほたるちゃん!」
小学生になって私達は一緒に登校している。
わたしは今ものぞみちゃんと呼んでいる。だって
「ママもそう言うから」
ほっぺをもっと赤くして言うのぞみちゃんはすっごくかわいかったから。
もちろん!ぎゅーってした!
「蛍ちゃんおはよう。今日もありがとうね、
2人とも気をつけて行ってらっしゃい。」
優しく笑ってくれるのぞみちゃんのママに手を振って、のぞみちゃんと手を繋ぐ。同じ年だけどわたしの方が大きいからお姉ちゃんみたいで嬉しい!
うちにはわたしを肘置きにする悪魔みたいな兄しかいないもの!
「ほたるちゃんおはよー」
「ほたるちゃん、のぞみくんおはよう!」
「おはよう!」
「ぉはょぅ」
学校が近づくと友達にも会える、
「今日の体育何するのかなー?」
話しながらもみんながのぞみちゃんをちらちら見てる。
うんうん! かわいいもんね!
でものぞみちゃんはちょっと人見知りらしい。
わたしの陰からこっそりと顔を出してあいさつしていた。
大丈夫だよ、みほちゃんもカナちゃんも優しいよー
早くみんなと仲良くなれるといいな。




