インタールード 2
彼に声をかけてもらうために、彼が好きだというアニメの聖地巡礼をしたり、同じ市民マラソンに出場したり、彼の周囲に出没し続けること約一年、ようやく世話役を引き受けた地元のバレーボールチームがきっかけで、彼に声をかけてもらうことに成功した。
それからはほぼトントン拍子で、彼女というポジションを手に入れることができた。ようやく夢がかなったのだ。
でも、それは、同時につらい日々でもあるということに、私は気づかされた。
私には、絶対彼に言えない秘密がある。その秘密を知られた瞬間に、私は彼の彼女というポジションを失うに違いない。
彼が私の秘密に気づくとしたら、それは、多分私と彼が身体の関係を持った時だろう。私は、決して悟られないよう細心の注意を払いながら、彼との仲がこれ以上進展しないように画策を続けていた。
でも、本当は、私だって、すごく彼としたいのだ。海に沈む夕日に向かって「やりたいー!」と叫びたいくらいに。
彼に会った日も、会えなかった日も、彼に抱かれる自分を妄想しながら、滾る身体を慰めるのが、私の就寝前の儀式だ。
儀式が終わり、甘い余韻に浸りながらのまどろみの時間に、今、彼は何をしているのだろうかと思いをはせる。
彼も私としたいと思っていることは間違いない。今頃は、妄想の中で私の裸身を抱いて、硬くなったものを握りしめているかもしれない。
彼が我慢できなくなり行動を起こした時、きっと全ての秘密が明らかになり、私たちの関係は終わってしまうのだろう。
そうなってしまう前に、何とかしなければ。でも…
私は、前に進む勇気が持てずに、同じ場所で堂々巡りを続けていた。




