吾輩は下戸である
まあ、実話(笑)
吾輩は下戸である
酒は飲めない
アルハラ宮殿に足を踏み入れれば
命が危ういと 畏れおののいていたものだ
ベルセルクの熱にうかされたように
顔を 肌を 赤く染めて
戦乙女たちに酌をさせようと
からになったジャッキを 盃を
突き出す狂戦士どものなかに割って入る気など
吾輩には毛頭なかった
そんな吾輩ではあるが いまのところ
あの酒池肉林が繰り広げられるアルハラ宮殿から
きょうも生還できているのは
剣や 槍を振るうように
ジャッキや 盃を呷る真似事を
吾輩のような下戸がするよりも
狂戦士たちを送り出し そして迎え入れる
馬の手綱を握るように
アルハラ宮殿との行き帰りに
素面で車をまわす馭者が
彼らにも必要だからだ
とはいえ 此処 アルハラ宮殿が
魔窟であることには変わりない
吾輩はテーブルのすみっこで
ウーロン茶でも傾けながら ちまちまと
揚げ物がメインの料理をつまんでおこう
仲間うちで行くときは、飲まないので車を出してました。べつに、テーブルはすみっこではないですよ(笑)










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