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86 精神干渉できちゃった?

読んでいただき、ありがとうございます

年が明けて、王宮に出向いたら。


なんか私に従者がいる事が周知されていた。


違和感なく馴染んで。


おかしくない?

前からいたような反応だ。


この間久しぶりに図書館司書のポスターさんに出会った。


「ルキアーナ様、ネイク様お久しぶりです。寒さが厳しくなってまいりましたが、お変わりなさそうで安心致しました。」

と挨拶してきたのだ。


まるで前から知ってるかのような対応だ。


当然もっさり王子は一瞬ビクつくが、ぎこちなく礼をして事なきを得てる。


なんでもっさり王子がネイク様で浸透してるんだ?


あれは私が咄嗟につけた名前よ?


第二王子よ?


当然だがもっさり王子は必要以上言葉を発さないからネイク様という事を否定したりしない。


「ネイク様、ルキアーナ様の事よろしくお願いします。」


意気込んでポスターさんがもっさり王子にお願いしている図に困惑。


どういう事?

ますます意味がわからない。


何があったんだ?


1週間来なかったら、こうなっていた。


毒クラゲが何かしたのか?


けど、それにしてはおかしくて……。


なんなら、医局長やルンバールさんまでおかしい。


「ルキアーナ様の診察致しますので、ネイク様はこちらでお待ちください。」

ともっさり王子を知ってるはずなのに、別人とばかりの対応だ。


当然もっさり王子は2人には怯えが少なく、指示された入り口に立っている。


おかしくない?

どういう事?


もっさり王子を忘れたわけではない、よね?


なんか不思議な世界に来た気分だ。


私までもっさり王子が元々従者だったかもと思うような時がある。


キツネに摘まれた気分というのは、こういう事だろう。


なんだか腑に落ちず、ふらふら庭園を歩く。


「……どういう事?」


全然理解できず、振り向くともっさり王子がビクついて離れていった。


それを見て、なんか分かった気がした。


「………何かされましたね?」


目を座らせて見つめると、もっさり王子は手を胸の前に祈るように組み縮こまった。


「何をしたのですか?」


手を腰に当てて近寄っていく。


器用に距離がつまらないように後退していく。


「ちょっと!」

怒ると、庭園にグレーマリモが出現した。


イラッ!


この恰好になれば大丈夫と思ってるのか⁈


「だっておかしいじゃないですか。みんな殿下を私の従者と認識してるんですよ? 知ってた人も殿下をわからないのですよ?」


マリモの頭上から声を振りかける。


「だっ…て、…かす…みめ……にして…も、みんな……こっち……見る……か…ら。」

「から?」


「この…す…がた…の…僕……は…じゅ……う…しゃ……という。」

「という?」


「あん…じ…を…城…に…かけ…た。」


「はあ?」


意味がわからない。


「そんな事できるのですか?」


呆れて聞くと、

「闇……せい…しん…干渉……でき…る……みたい。城…に…結界…は…て……暗示…呪いかけ…た…だけ!」


うずくまったまま、声が弾んでいる。


いや、できた事を喜ぶんじゃない。


みんなに催眠術かけたって事でしょう?

この規模に?


城を見上げて大きさを再確認する。


すごいな……。

けど……。


「ダメだよう。」

ぷうっと頬を膨らませる。


「ダメ?」


もっさり髪が少し浮かんだ。


「みんなに催眠術かけるのダメだよ。」


「ど…して?……だ…れも……こま……ら…ない。僕…を…見ても……ふつ…う…で見て…こ…ない、…安…心。」

もっさり髪が傾いた。


そうかもしれないけど……。


「殿下を知っている人もいるのに、わからなくて良いのですか? なにもみんなに暗示をかけなくても。」


「…………かけ…て…ない…人…も…いる。」


はあ……かけてない人。


「ああ、毒…キロネックス殿下とか?」


コクンともっさり髪が動く。


「当たり前、それと王……宰相………。」


「そう、それは偉かった。」

感心すると


「あと…が…うる…さ…い。」


感心するんじゃなかった。


呆れて腰から手を下ろすと、殿下の向こう側の地面が黄色く光った。


「あ。」


声が漏れた時には、エーデル侯爵が現れていた。


「こちらでしたか。」


ニッコリ笑い胸に手を当てて、頭を下げる。


おや? 

エーデル侯爵様はもっさり王子がわかってる?


「殿下、いつ精神干渉の呪いを習得したのですか? 城全体にかけましたね?」

グレーマリモに麗しいお顔を近づけていく。


ビクッと大きくマリモが揺らいだ。


「でもまあ、害は無さそうでしたので、陛下には許可をいただいておきましたよ。」


その言葉に意外だったのか、もっさり王子は頭を上げてエーデル侯爵を見上げた。


そんな王子にエーデル侯爵は苦笑いだ。


「エーデル侯爵様は流石ですね。殿下の暗示が効かないのですね。」


私が感心すると、エーデル侯爵はこっちを見た。


「ルキアーナ様もでしょう? 殿下を分かってますよね?」


目を逸らして、確かにと頷く。


「なあ…んにも……きか…ない。……強力…に……かけても……だ…め……ふふ。」


ゾワッ。

笑ったもっさり王子が怖かった。


何か余計なことしてたのか?


「あの途中、途中、殿下が従者だったかもってなってたのって、後ろから殿下が呪いかけてたの?」


呆れて声を上げると、グレーマリモがゆらゆら揺れた。


「そう…何度…か〜けても、か…か…ら……ない!」


なんでちょっと楽しそうなんだ。

私には意味がわからない。


「え、でも、いいんですか? 殿下をみんながわからないんですよ? いもしない従者だと思うんですよ?」

言い募るが、もっさり王子は顔を傾けるばかり。


「兄上が分かってれば、あとは僕の事わからなくていい。必要ない。こっちを…必要以上見…なくなる…から好都合。いい事……だらけだ…よ?」


こうはっきり言われては、私がおかしいのか?と思ってくる。


いいのか?

自分の事を他人と思われて……。


「悲しくないのですか?」

思っていたより小さな声が出た。


どうやら私が悲しいらしい、もっさり王子はもっさり王子なのに。


従者でなくても殿下が堂々としたらいいのに。


周りにももっさり王子は何も悪い事、危険な事ないよって知ってもらったらいいのにさ。


知ってもらったら、そんな他人になりすまさなくても、自分のままでいられるのに。


「悲しい?……悲しく……は…ない。ふつ…う。」


本当に普通そうにもっさり王子が立ち上がった。


エーデル侯爵が私に近づく。


「ルキアーナ様、殿下の城内闊歩を優先していただいて、今はこのまま様子を見ましょう。殿下のお心もこのままの方が落ち着くのではないでしょうか?」


「そうかもしれないですけど、殿下をそのまま知ってもらった方がいいのではないでしょうか。」


「今はその時ではないそうです。陛下もこのまま暗示をかけたまま、様子を見よとおっしゃってましたし。」


なんで? 

今は?


みんなもっさり王子の姿を知らないままの方がいいっていう事?


「何のために? 今まで出てこなかったのだから、誰も殿下の姿を知らないだろうけど。知らないままでいいという意味がわからない。」


エーデル侯爵を見上げると、

「何か陛下にもお考えがあるのですよ。ですので、このまま殿下はネイク様という事でお願い致します。」


初めてみる真顔のエーデル侯爵に息を詰めた。


これ以上追及も否定も認めないという意思が突き刺さった。


目が離せずゴクリと唾を飲み込むと、

「わか…りました。」


それしか、口から出なかった。


諾の意を得ると、エーデル侯爵はいつもの艶やかな笑顔に戻った。


「ありがとうございます。では、よろしくお願いしますね。」


固まる私をそのままに、エーデル侯爵は。

「殿下、それで精神干渉の呪いはいつ出来るように………。」


ともっさり王子に話しかけに行ったのだった。


そんな姿に私は1人もんもんしたのと同時に、手汗の凄さにびっくりしたのだった。








今回も読んでもらえて嬉しいです


ストーカーしてる側のストレス大だった(笑)

一週間考えて思いついたのが催眠術


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