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79 ストーカーなんか違う…

閲覧してもらえて嬉しいです

あれだけ息巻いていたストーカーがどうなったかというと、廊下に出た途端、グレーマリモ。


相手が霞眼で見えないからオッケーじゃなかったのか?


染み付いている恐怖心はちょっとやそっとじゃ解消されないようだ。


「先行きますよー。」

一応声をかけて行く。


階段を登るのだが、王子が気になり横を振り返る。


まだグレーマリモのままだ。

やっぱり無理じゃん。


まあ、前回と違って転移できるから放っておいてもいいでしょう。


「私はダンスレッスンに行かなくちゃ。」


スカートを少し掴み、階段を登ろうと足を上げたら、左手首に何か巻き付いた。


「え…。」


目線を落とすと、手首に見覚えのある見た目の悪い黒ロープ。


もっさり王子!


咄嗟に王子を見ると、ロープはやはり王子から伸びていた。


何、このロープは⁉︎

何故掴む?


手首を引いてみるがガッチリ巻かれており切れないし動かない。


こ、コイツ………どうしろと……。


レッスンに遅れるだろう。


右手で切れるか?

ルキアーナちゃん!


ロープを掴んで引きちぎってみる。


ブチっ。


思いの外簡単に切れた。


おおっと驚きで、もっさり王子を見たら頭を上げていた。


やばい!


咄嗟に階段を走って上がる。


踊り場を回ってまた上がろうとすると、右手首にまた黒ロープが巻き付いた。


もうっ!


下を覗くと階段下にもっさり王子がてるてる坊主姿で立っていた。


歩いてきてる!


また左手で黒ロープをブチっとちぎると、急いで駆け上がった。


しかし階段上あと3段で今度は黒ロープが腰に巻き付いた。

グンっと動きを封じられる。


イラッ。


両手でロープをちぎって階段上に上がって見下ろした。


ちょうど踊り場から階段下に王子が来た所だった。


「ふふ……ふふふ………ふふふ………。」

揺れて笑いながら登ってくる。


マジで怖いんですけど?

恐怖の黒いてるてる坊主……。


顔を引き攣らせて、次の階段に向かおうとすると両手を封じられた。


もはや何がしたいんだ、この王子は!


力の限り手首を勢いよく胸でクロスさせ、ブチンっ!


切れた勢いで転げそうになるが、構わず走る。


走って走って走って、レッスンホールのドアの前で膝に手を付き肩を上下させて、走って来た方を見たが王子は居なかった。


ああ、諦めたか……。

それか途中で誰かに会って、逃げたかね。


「まあ、いいわ。あーしんどかった。はあ。」


息を整えて起き上がりホールの扉に手をかけた瞬間、手首と腰に黒ロープが巻き付いた。


………ただ、ゆっくり歩いて来ただけか………。


横目にグレーが見える。


ぶち、ぶちっとロープを切りながら、観念して王子の方に体を向ける。


「何なのですか? これからレッスンなのですが?」


フランフラン揺れながらやって来た王子は私の目の前まで来ると、

「すごいな〜面白いな〜何で切れるの? 何で腹痛にならないの?」


全く質問を聞いてない。


おい、腹痛の呪いもかけてたのか?


「わかりませんが、殿下邪魔しないでください。尾行は許しましたが行動の邪魔は許可してませんよ?」


腰に手を当てて怒ると、

「この手がね〜。」

腰を屈めて、右手を覗き込んできた。


く〜、全く聞いてない。


王子はルキアーナちゃんの不思議能力が気になってしょうがなくなってる。


どうしたものかと遠い目をしていたら、ホールのドアが開いた。


「ああ、ルキアーナ様いらしていたのですね? 今お迎えにあがろうかと思っていたのです。」


ダンスを教えてくれているシルベスタ・オルドレ講師が出て来た。


そして、

「おや、目がショボショボして。」

片手で目を押さえてしまった。


…………おい、もっさり王子!


キッと向くと壁にへばりつく殿下がいた。


「…………。」


全然人に対して大丈夫じゃないし、反射的に逃げ腰じゃないか!

相手の目がやられる分、可哀想。


こんな呪いマントがあるからいけないんだ。


後ろから思い切り引っ張ってマントを取り上げた。


「ぁあぁぁ〜…。」

か細い悲鳴が聞こえた。


壁に縋り付くように王子がしなだれた。


図体でかいのに全く可愛くない。


壁に張り付く青年に、ハンカチで目を拭き終えたオルドレ先生が目を瞬かせた。


「こちらは?」


そのセリフに驚いた。


先生はもっさり王子を知らないのか??


ああ、でもそうかもしれない。


出歩かない、人怖い、嫌い、近付かないとくれば、レッスンなんて受けるわけがない。


そうなれば病弱で通されてる第二王子の姿なんて見た事がないのも頷ける。


私は先生にニッコリ笑うと、壁に穴を開けようとしていた王子の腕を取った。


「ひぃぃ…。」


王子が震え上がったが知るもんか、散々邪魔したんだ。


「本日はお友達も一緒にレッスンできないかとお連れしたので、遅くなってしまいました。」

ニッコリ笑うと王子が氷のように固まった。


「お…友達ですか……?」


怪訝そうにオルドレ先生がもっさり王子を見る。


「そうなのです。キロネックス殿下に面倒を見るように頼まれまして。」

王子の腕を掴んだまま、片手を頬に当てる。


「おや、そうでしたか。第一王子殿下のお知り合いの方ですか、そういう事でしたら、分かりました。」

毒クラゲ効果であっさり納得してくれた。


「それでこちらは……。」


明らかにブンブン横に振っているもっさり髪に困惑しているようだ。


「恥ずかしがり屋で、顔を見られるのが耐えられないそうなんです。そっとしておいてあげて下さい。……ネイク様です。」


ものすごく私の手を解こうとしているが、離すものか。


さっきの黒ロープのお返しだ!


オルドレ先生も顔に笑顔を貼り付けて対応している、大人だ。


「左様でございますか。ではネイク様、ルキアーナ様お入り下さい。」

「はい、ありがとうございます。」


嫌がる王子と逃がさない私の攻防は続きながら中に入ったのだった。







今回も閲覧ありがとうございます


反対に捕まったもっさり王子

ピンチだね


よければ評価やブックマークしてもらえると嬉しいです

よろしくお願いします

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