75 ハンバーグ効果?
今回も面白いといいな
閲覧ありがとうございます
「ルキアーナ様、体調はいかがですか? 北の地ではありがとうございました。」
久々に見るピカピカのエーデル侯爵。
輝いていて、麗しくてツラいです…。
麗しビームでやられそうです。
「いいえ、エーデル侯爵様もお元気そうで良かったです。」
若干目線を逸らしてなんとか返事をすると、クスッと笑われた。
そしてエーデル侯爵が目線をもっさり王子にうつす。
「なんだか、殿下にすごく見られている気がするのですが。いかがされましたか?」
あ。
そういえば、さっき参考にしたらって言ったんだった。
けど、ここで振り向けないし、勝手に向くとまた魔法ロープで巻かれちゃう。
「‥…なん…でも‥ない。」
後ろから小さな声が聞こえる。
ふふ、内緒で観察してる。
うんうん、しっかり参考にしてもらいましょ!
と、目の前に伝言魔法が通過してエーデル侯爵に届いた。
「少し失礼しますね。」
こちらに会釈をするとエーデル侯爵は指先で触れて、玉に耳を近づけた。
顎に手を当てて、少し眉間に皺が寄る。
そして聞き終えても、考えている様子だった。
なんかいつもエーデル侯爵様も忙しそうで、大変よね。
そう思って見ていたら、顔を上げたエーデル侯爵と目が合った。
ん!
ニッコリ微笑むエーデル侯爵にいい感じがしない。
「ルキアーナ様」
きた!
「はいい。」
笑ってみる。
「ハンバーグの作り方をもう一度伺いたいのですが?」
「は? ハンバーグ?」
思ってもみない単語に瞬きする。
「はいそうです。作り方を最初から見ておりませんでしたから、お教え願えないかと。」
「はあ、いいですけど、また作るのですか?」
「そうですね、また作りたいと考えております。殿下に伺いまして作りましたが同じ物ができないのです。」
苦笑いで首をすくめている。
「殿下は見ていましたね。どのように作るよう言われたのですか?」
「肉を恨みを込めるようにナイフで滅多打ちにし、人参や玉葱は魔法の刃で細かく切り刻み、それらを捏ねまくり、手のひらで押し固め、鉄板で炙り焼きにすると。」
…………なんか拷問の方法を聞いた気分だ。
殿下の言葉選びに悪意を感じる!
引き攣る顔を抑えて、
「あまりよく覚えていらっしゃらなかったんですね〜。」
笑顔を貼り付ける。
「やはりそうですか。同じ物が作りたいので、詳しくご教授いただきたいのです。」
エーデル侯爵の珍しく前のめりな感じに驚く。
「ご教授って、後日厨房の料理長に伝えておきます。魔法学の時間がなくなりますので。」
私がそう言うと、
「これも魔法学ですので、大丈夫です。」
とニッコリ笑った。
「え、魔法学ですか?」
「そうなのです。実はあの北の地で食べたハンバーグという食べ物を食べた後、何故か普段より力が出た者が多かったのです。魔力が増えたり、強い力が発揮できたり、魔法の精度が上がったり。ですので、ハンバーグにそのような作用があるのではないかと考えているのです。食事で魔力が増えるか否かの検証は立派な魔法学です。」
確かにカリミナさんはアフロからパンチパーマになってたし、兄は素手で魔獣殴って倒せたのは初めてだって騒いでたけど。
ハンバーグにそんなパワーあるかね?
「病気でやつれていたのが肉の栄養で、しっかり動けるようになっただけではないのですかね?」
私が首を傾げると、エーデル侯爵が顔の前で手を振った。
「いえいえ、普段とは格段に違いました。私も体験しましたから。」
そうか、エーデル侯爵も食べてた。
そんなことあるかな〜ハンバーグだし。
「ぼ……ぼく…も、‥…食べて……み…たい。」
後ろから珍しくもっさり王子が願望を言った。
「お肉は何の肉だったのか分かりません。エーデル侯爵様が狩ってきてくれていたのを使いました。」
同じ物を作るなら材料も同じでないと検証できない。
「ああ、アレですか。狼のおかげで冬眠の邪魔をされて大みみずが怒って暴れておりましたので、雪崩が起こってもいけないので倒したのです。倒した大みみずは肉厚でしたし、食べれればと捌いて持って帰った肉です。」
「ヒッ!」
みみず⁈
衝撃の事実に卒倒しそうだ。
獣の肉じゃなかった。
こっちじゃ、みみず食べるの?
食べれればって言ったよね?
食べれない可能性もあったの⁈
わからないから、使ったじゃん!
食べた後だけど、できれば2度と食べたくない!
「大みみずが良かったんですよ! きっとそうですよ。大みみずパワーですよ。」
意気込んで言うと、
「使って作りましたが、違うようです。」
エーデル侯爵が首を振った。
もう試してた。
「ああ、そ、そうなのですね。」
また出会いそうなみみず肉にがっくりする。
頭を下げたまま、
「あとは玉葱と人参と小麦粉と塩と胡椒を入れただけです。みじん切りにして、手で材料をしっかり捏ねて、楕円形にまとめて、鉄板で両面中までしっかり焼いただけです。」
作り方を説明する。
「特別な事はしてないようですね。」
「そうですね、特別な事は無いですね。強いて言うなら、みじん切りを殿下の魔法でしていただいた事ですかね。」
「それもしてみました。」
してみたのか〜。
「なら、ハンバーグにそんな力はなかったという事ですね。」
手をポンと打ち付けると、エーデル侯爵が艶やかに微笑んだ。
「まだ、細かな作り方の検証とルキアーナ様が作った場合の違いがあるのか無いのか、検証できておりません。」
えー、みみず触りたく無い。
「作っ‥…てみて、…きょ…うみ…ある。」
こういう時だけ声を出すんじゃ無い。
「殿下もおっしゃってますし、お願いできますか?」
「………分かりました。」
前と後ろからの妙な圧に、不服ながら頷くしかなかったのだった。
閲覧してもらえて嬉しいです
ハンバーグに使った肉が大みみず
衝撃的だったね、千笑!
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