表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/137

74 黒は目立つ?目立たない?

読んでもらえて嬉しいです

評価やブックマークもありがとうございます

「広く知識を得る為には、たくさんの人と関わる事が大切です。私を見ていても、あまり知識は増えないですよ? まずは…。」


人と関われるようにするには。


うーんと腕を組み、

「まずは城内をしっかり歩けるようにしましょう。」

この間の離宮への道のりを思い出し、遠い目をして言うと、

「え……ええっ⁈」

ものすごく驚かれた。


何故?

そこからでしょ!

自分家くらい普通に歩けないと。


「人に話を聞く以前にその特訓からです。突然壁に存在していては余計にみんなを驚かせてしまいます。」


ゴトゴトゴト…。


「む…り。」


「無理と言いますが、殿下は人に会いたくないだけで、ただ歩くだけなら人に危害を加えることはないですよね? 私も今まで殿下の近くに行っても何か起きたことないですし。」


「…………………………。」

何故黙る。


「堂々と歩いたらいいのですよ。いわば城は殿下の家なのですから。」


「……無理……目が……こっち……むいて……いや…だ。」

泣いて消えそうな声。


仕方ないだろう、その王子の見た目なら、みんな見るわ。

みんな気になるわ。


「でも目と言いますが、殿下の髪型とその真っ黒な出立ちは、殿下を悪く思ってなくても見てしまいますよ?」


「髪……だい…じ、目が…あ…わず……す…む。」


ふむ、髪は最後の砦か。


でも。


髪切って、帽子を被らせる?

斜めに被るハット、誰?

目深に被るシルクハット、不審ね。

ニット帽はないし、キャップも深く被ったらって、存在してないね。


うーん、服装と合ってなくて、逆に不審。


髪切って、仮面を付けさせる?

仮面舞踏会のような? 派手だな。

オペラ座の怪人のような? 壁から出てきた時怖いな。


何を付けさせても、逆に目立ちそう。


後ろだけ短く切って、前髪そのままにしとく?

…………どっちが前かわからないね。


よし、髪は後回しだ。


「では髪がある事で安心できるのでしたら、また考えるとしましょう。服装はどうですか? 他の色も用意できると伺いましたけど、何故全身黒を着用しているのですか?」


「影に……まぎ…れ……るし…‥目立たない…と…いわ……れた。」


………誰に?


ものすごく目立つだろう。

肌色顎だけよ?


真っ黒すぎて、逆に目立ってる。


「あの、どなたに言われたのですか?」


わかる気がするが一応聞いてみる。


急に元気になり、

「兄上!」


ですよね〜。


あのキラキラからすれば、黒なんて地味で目立たないって本気で思っていそう。

もしくは自分が目立つ為とか。


アホ毒クラゲめ……弟が可哀想だろう。


「あの世の中、全身黒い生き物は少ないですよね? 意外に目立ちますよ? あと真っ黒すぎると喪を連想させますので、周りから気遣われたりと人目を引きやすくなります。」


振り返っても、もっさり王子はしっかり聞いているのか動揺しなかった。


「兄上が…嘘を?」


首を傾げる王子は、悲しげで子供のよう。


首を横に振り。


「いいえ、彩の中で黒が地味なのは本当です。派手にはなりません。彩を引き立てます。逆もまた然りですが。殿下の考えは分かりませんが、共にいる為に黒を勧めたのかもしれませんよ?」


そう言うと、もっさり王子は座ったまま、ヒョコヒョコ上下に動いた。


……喜びのダンス?


「では、ずっと黒でいい。」


「目立ちますよ? 目線を集めますよ?」


「い……いや……だ。」


「周りと同化する物の方が目立ちませんよ。」


そう言うと、徐にもっさり髪がブン、ブンと揺れて周りを見た。


「緑…ベージュ‥…しろ…黄………赤…茶…銀を…取り入れる。」


「いやいやいやいや、全部入れたら派手で、目立ちますよ!」


「……では……その場と同化…出来る…よう…服装の‥…色が…変化‥…して、同化‥…するには……。」


「…………。」


おいおい、それじゃ、カメレオン……。


ものすごく、どう術式組んで作るかぶつぶつ言ってる。

言葉って難しい。


「いえ、服の色が突然変化するのも、みなさん驚かれると思うので却下です。周りというのは、紳士方が着ておられる服装を参考にして、同じような色、形の物を着用してはどうですかと言っているのです。」

身振り手振りで伝える。


するともっさり王子は体をくねらせ、指をモジモジさせ。


「では、兄上と同じ物が着たいです。」


えー………。


兄好きね。

好きなのは分かるけど、アレはセンスがいけてない。


ド派手の部類なのに、アレはいいの?

目立つのが嫌と言うのはどこ行った?


若干引き気味に聞く。

「キロネックス殿下と同じだと、キロネックス殿下が目立たなくなりますがよろしいのですか?」


もっさり王子がピタッと止まり。

「だ、ダメ、兄上が1番目立たないと!」


良かった、そう言ってくれて。


「そうですよね、でしたら、エーデル侯爵様や私の父を参考にするのはどうですか? 割にシックでセンスよく目立ちにくい服装をしていると思います。」

イチオシを勧めてみる。


が、首を傾げられた。


何故?


「いつ…も何を…着ている……か覚え……ていない。」


記憶になかったらしい。

全然興味がなかったのね。


「もうじき、エーデル侯爵様がいらっしゃいますから、見てみてください。」

私はそう言うと前に向き直った。


今日はどんな服装で来られるかな〜。


城内を目立たず歩くには見た目も大事。


服装が落ち着いたら、できたらもっさり髪をなんとかしたいよね〜。

そういえば、殿下の顔を一度も拝んだ事がないな〜。


それはまた次だな。

髪をどうするか考えなくっちゃ。


そんな事を考えながら、エーデル侯爵を待ったのだった。







閲覧ありがとうございます


もっさり王子の真っ黒な原因は、お兄ちゃんでしたね

自分と同じ服装を勧めてないところをみると、自分が目立ちたかったよね


よければ評価やブックマークしてもらえたら嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ