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68 神獣様で帰還

閲覧してもらえて嬉しいです

………しかし、殿下はどうやって帰るんだ?


もっさり王子同様に、転移できるのか?


見た事ないけど。


フッと横を見上げると、殿下もこっちを見ていてびっくりした。


「な、なんですか?」


動揺して思わず声を上げると、

「具合は悪くはないのか? 相当魔力を消費したようだが?」

訝しげに言った。


え、わからない。


首を傾げ、自分のおでこに手を当ててみる。


「熱は無いですし、風邪症状もないので、大丈ぶう〜わ〜。」

話している途中で殿下が私のお腹に腕を回して、何かに飛び乗った。


驚きで目を瞑ってされるがまま、ふわっと弾む感触でお尻がついた。


「ええ?」


目を開けると目の前にレインボーな毛がふわふわしていた。


「これって!」


勢いよく振り返ると、顔のすぐ側に殿下の顔があった。


近っ!


殿下も驚いたのか、手で顔を押してきた。


「急に振り向くな! じ、じっとしていろ!」


頬を手で押されて地味に首が痛い。


けどキラキラな顔が近すぎるのはいただけないので、大人しく頬を押されておく。


「ラルクァンシエルしゃまなのでひか?」


私の声にハッとして殿下が手を離す。


「そうだ。私の神獣で帰る。速いからな。」


殿下が足を軽く動かすと、フワッと体が浮いた。


無重力体験のような妙な感覚。

柔らかな立髪が風に撫で付けられ、横で大きく金色の翼がゆったり動く。


徐々に上昇して背の高い木の中腹を過ぎ、木の天辺も過ぎ、遠くの雪山と目線の高さが合っていく。


上昇するにつれて遠くに広がって見える景色。


「ふわああ〜!」

あまりの雪景色の美しさに、声が出た。


雪を被った木々は幻想的、雪山は空の青さとのコントラストが美しい、氷の張った湖も見える。

上空からの景色は別格だった。


「どうだ美しいだろう。見ることのない景色だろう。」


感動に打ちひしがれている私に、殿下が得意げに言う。


けど感動し過ぎていて、殿下の存在がすっかり薄れていた。


「はい、すごく綺麗。飛行機からもこんな景色見れない。こんな近くで上空から見れるなんてドローンくらいですよ。でもドローンより、生で見るのがこんなに感動するなんて。」


「………ドローン…お前はたまに見知らぬ言葉を使うな。」


ヒュッ。

後ろからの静かな声に息が詰まった。


殿下と一緒だった。


と、急に体が浮遊した。

「わっ!」

「おわッ!ラルク!」

ラルクァンシエル様の急な旋回に2人して放り投げられそうになる。


咄嗟に殿下が私のお腹に巻きつけておいた腕で、引き寄せてくれたから良かった。


「危ないだろう。どうしたラルク、珍しいではないか。」


殿下は眉を寄せるが、ラルクァンシエル様は何事もなかったように飛び続ける。


「全くどうしたというのだ。」

殿下はめっちゃ不服そうだが、私は一瞬死ぬかと思ったが殿下の気が逸れて助かった。


危なかった…無意識怖い。


少しやつれていると、

「大丈夫であったか?」

殿下が横から顔を覗かせた。


「は、はいい。」


一応笑顔を返すと、

「顔色が悪い、着くまで少しかかる、少し休むといい。」

お腹の腕を少し緩めてくれて、背中を殿下の方に倒された。


「重いですから。」


体を起こそうとすると、また腕に力を入れて寄せた。


「重くない。子供を支えるくらい出来る。それにやはり魔力消費が多い。モップ様ももう時期ラトの元に戻りますので、ご容赦を。」


モップ様にまた魔力吸われているのかな?

よくわからないけど。


でも確かに疲れた、ずっと気を張っていたし。


そう一度意識したら体が重く感じ、体の力を抜いた。


「申し訳ありません。お言葉に甘えて、体を預けさせてもらいます。」

「ああ、そうするといい。結界を解くのはいいが、結界を解くにも魔力はかなり消費するものだぞ? それに神獣に餌も与えていては慣れてなければ体がもたん。」


ああ、そうなのか。


結界を無理矢理通るのも魔力が要るのか。

勝手にルキアーナちゃんの薄い膜でなんとかなるものだと思ってたけど、魔力をかなり消費していたんだね。


気付かなくてごめんね、ルキアーナちゃん。


そう思うと胸が温かくなり、瞼が重くなってきた。


「モップ様には助け……られ…たので、……いっぱい…食べても…大丈夫…どうせ……わから…な…………。」


意識が遠のいて、夢の中へ落ちていったのだった。


♢♢


寝たか。


力の抜けたルキアーナ嬢を上から見下ろす。


こんな細腕で、よく動いてたな。


眠るルキアーナ嬢は重さを感じさせず、人形のよう。


見える顔は目を閉じたせいで、幼い。

同時に顔色がかなり悪い。


体調が悪いのに自覚が無さ過ぎだろう。


ラルクァンシエルに騎乗した際にシールドを発動させたので、風は当たらないが内部の温度を少し上げ、ゆっくり飛んだのだった。








読んでいただき、ありがとうございました


毒性の薄いキロネックス殿下でした


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