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67 無事帰還の途につく

閲覧ありがとうございます

ハンバーグ効果は絶大だった。


何故か皆パワーアップした。

いっぱい食べたもんね。


ハンバーグで英気を養ったカリミナさんは、面白かった。

魔力がマシマシになって、髪がアフロ越してパンチパーマになった。


クリクリ過ぎて大仏………ふふふ、あははは、面白い。


そうなると髪型が嫌だったようで魔力消費の為、治癒魔法使いまくりであっという間に皆が元気になった。

カリミナさんの髪もいい感じのウェーブヘアで落ち着いた。


私のタオルマスクも終わりだ。

良かった、誰1人欠けることなく元気になって。


魔獣の方もハンバーグパワーで一気に解決。

普段よりパワーとスピードがアップした騎士があっという間に討伐し、魔術師も魔獣が絶対介入できないような結界が張れたとかで驚いていた。


うん、ハンバーグ良かった。


みんなの中でハンバーグはすごい食べ物として周知されたようだ。

次からゲン担ぎにように作られそうだ。


そうなると、ここでの任務終了となり、あとは帰るだけ。


雪山初めて来たけど、もう帰るのか。

周りを楽しむ余裕もなかったな。


「気になってたんですが、みんなさんはどうやって帰るのですか? 馬も見当たりませんし。」

荷造りしているみんなに聞くと。


「風魔法の使える者は飛んで帰ります。使えない者は麓まで徒歩で降りて、麓に預けている馬で帰ります。」

エーデル侯爵がハウステントを魔法で畳んでいく。


「魔法で飛んで!」


目を爛々させると、エーデル侯爵が足を指さした。


「足裏から魔力を放出して風を繕い飛ぶのですよ。」


ルンバール医師も道具を大きなカバンにしまいながら。

「あれは魔力量と技術が無いと無理ですよう。足裏から魔力を一定に放出し続けないといけないし、体勢も保たないとバランス崩して真っ逆さまです。出来る人がおかしいんです。」


足裏から魔力出す………自分で想像して、一瞬で落下した。


魔力が持続させれるほど出せれんわ。


うん、私は飛べないから徒歩アンド馬だな。


そう納得していると、

「ルキアーナ様はここまでどうやって来られたのですか?」

エーデル侯爵が流し目で聞いてくる。


とても第二王子を脅して転移してもらったとは言えない。


「あ〜、え〜っと、あ、歩いて?」

目が泳ぎ、しどろもどろになる。


そんな私をみて、エーデル侯爵はクスッと笑う。


なんか察して分かっているだろう?

意地悪な質問をするっと睨む。


「あの、私歩けるけど、馬には1人で乗れません。」


そう不安要素をこぼすと、兄が側に立ち頭を撫でた。


「そうか歩いて来たか、すごい大変だっただろう。頑張ったな!帰りは私が一緒の馬に乗せてやるから心配ない!」


私の言葉を全部信じる兄に不安になるが、良かった馬の心配もなくなった。


ホッとすると殿下が呆れた声を出す。

「その格好で雪山が下りれるわけないだろう。」


自分を見下ろすと来た時と同じドレスを着ている。

魔法洗浄してもらって綺麗になったドレスを、モップ様に怯えるカリミナさんに手伝ってもらって着たのだ。


殿下が着ろとうるさかったから。


「いや、私はルンバール先生の医務服で良かったのに、殿下がドレスを着ろと言ったからでしょう。」


「お前は婚約者候補のくせに、他のおと……ドレス以外着るんじゃない。」

また指さして指図する。


「まあ、でも来る時もドレスで来ましたから、帰りもドレスで歩けますよ。」

そう言うとドレスを持ってヒラヒラさせる。


「わはは、ルキアーナくらい私が肩に担いで下りてやるぞ!」

兄が笑って肩で担ぐ仕草をする。


兄よ、それは荷物の持ち方………。


「いえ、だいじょ」

「ルキアーナ嬢は私と帰る。私も早く城に帰り、陛下に知らせる必要がある。」

私を遮った殿下の言葉に振り返る。


は?


なんで私がキラキラ毒クラゲと帰らないといけないんだ。

みんなと和気あいあい帰りたいし。


睨むと、殿下は腕を組んで、

「本来お前はここにいる人間ではない。それに宰相が心配しているだろう。あと弟に神獣を早く返さねばならない。」


当然と言わんばかりのセリフに、うぐっと言葉が詰まる。


確かに、父は心配してた。

モップ様も返さないと……。


名残惜しくて、さすってみる。


「殿下、帰る準備が整いました。」

私がおしゃべりに投じていると、団長さんが殿下の前に来た。


本当だ、気付くとテントは無くなり、皆装備していた。


ネクス殿下は皆を見回すと、

「皆よく頑張った。全員で帰還できる事を嬉しく思う。帰還中も気を抜かず城で無事会える事を願っている。では、出発せよ。」

労いと共に帰還の号令を出した。


ふわっと左側から風が起こり、粉雪が舞う。


魔術師達は皆飛んで帰るようだ。

次々宙に浮かび上がり上空へ登っていく。


1人の魔術師がエーデル侯爵に向き合った。


「では先に帰還しております。師団長もお気をつけて。」

「はい、頼みますよ。」

エーデル侯爵がニッコリ微笑むと、魔術師は仲間と合流して飛び立って行った。


皆足の下でぐるぐる風が回っていて、足裏にヘリコプターの羽が回っているようだった。


………確かに飛ぶ時に、箒は必要なさそうだ。

なんで魔女は箒で飛んでいたんだろう。

今から思うと不思議だ。


魔術師が見えなくなった空を見つめていると、

「では、私共も出立致します。」

団長の声と共に騎士とルンバール医師、カリミナさんが下山し始めた。


それについて行こうとしているエーデル侯爵。


「エーデル侯爵様も下山するのですか? 飛べますし、転移もできますよね?」


私が聞くと、エーデル侯爵は微笑んだ。


「はい、ですが道中の安全を守るのも私の役目ですので。私がいれば転移も可能ですから。では先に下山させていただきます。殿下方もお気をつけください。」

「ああ、分かった。」

殿下が頷くのを見て、エーデル侯爵は一礼すると、立ったまま雪の上を音もなく移動した。


「あ、魔法でズルしてる!」

1人浮いて移動するエーデル侯爵に思わず声を出すと、エーデル侯爵は振り返って麗しのお顔を向けて手を振って去って行った。


「やっぱり魔法便利。ズルいな。」


しばらく皆が見えなくなるまで、殿下と佇んだのだった。







閲覧ありがとうございます

今回も面白いといいな


風属性あれば空も飛べる


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