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55 こっそり治癒魔法の特訓

閲覧ありがとうございます。

翌日、朝起きるのが辛かった。


なんか夢で凶器を持ったカリミナさんに追いかけられて、うなされたのだ。


昨日のあの人本当怖かった。

寝た気がしない。


そう思いながら、ルーラに寝不足を隠す為に薄く化粧をしてもらう。

久しぶりに髪はアシンメトリー斬新ヘアのまま。


とりあえず治癒魔法の効率的なかけ方は、カリミナさんと医局長とルンバール医師に任せた。


あの実験に付き合うのはこりごりだ。


今日は休み、寝ていても良かったが、天気も良いし勿体無く感じて起きたのだ。


気分転換大事、何処か出かけたいな〜。

けどルキアーナちゃんの安全大事だからな〜。


肩のモフを撫でながら階段を降りていると、屋敷の玄関ホールが賑やかになっていた。

「ああ、ルキアーナちょっと遠征に出掛けてくるぞ!」


兄が騎士服をビシッと着て、腰に剣をさしている。


「今日はお休みのはずなのに、どうされたのですか?」

「どうも魔獣被害が出たようだ。討伐に行ってくる。」


駆け寄って外套の着用を手伝う。


「私も城に行き情報収集してくるよ。」

後ろから頭を撫でられ、父が兄の側に立つ。


「お気をつけて下さいね。」

父と兄を見上げると、兄は隊服に下げたチャームを振った。


「お前も気をつけるんだぞ。これが光ったら、すぐ駆けつけるからな!」

ワハハと笑う。


「いえ、任務を優先してください。困ってる方がいるのですから。」


私がそう言うと父が胸ポケットからやはり鉱石を出してきて、

「では私が駆けつけよう。」

とウインクした。


「いえいえ、お父様も宰相のお仕事をしてください。私は家で大人しくしていますから。」


「そうだな、そうしてくれると助かる。」

父は短い髪の方に触れて、やるせなさそうな顔をした。


「まぁ、2人とも何の石ですの?宝石ではなさそうですけど。」

オリビアさんが不思議そうに父と兄の手元を見る。


「「お守りだよ(です)。」」


「そうですの。御二方共お気をつけて下さいね。」

ニコリと笑ったオリビアさんに父はハグをした。


「「行ってくる。」」


出て行った玄関を見つめて、大変だなと思う。


兄は被害の出た場所を、父は国を守る。

国を守り、国を動かす、それを間近に感じたこともなかったから、本当ルキアーナちゃんの家族はすごいのだなと実感する。


今の(ルキアーナちゃん)がすごく小さく感じた。


私も何かの役に立つように治癒魔法の練習でもするかな。

今できることの1番武器になりそうな能力。


ルーラを中庭の入り口に立たせて、中庭に入る。

ここは魔法で寒くないように温室に管理されている。


遠くに見える景色は冬だけど、ここに咲く花は薔薇が多くて別世界の春のような陽気だ。


どこかに傷ついた花とか無いかね。


キョロキョロ下を見て歩くが、庭師が優秀で弱っている草花が見当たらない。


1本の黄色の薔薇が綺麗に咲いている。


垣根で隠れるようにしゃがんで、

「ごめんね。」

薔薇に手を合わせて謝る。


掴んだ茎に力を少し入れると、ポキっと小さく折れた音がした。


手を開くと首の曲がった薔薇。

心が痛んで急いで左手で茎を支えると、右手に魔力を集中させた。


「く…くう……。」


ひどく力が入り顔が真っ赤になっている感じがするが、そのまま茎が再生するイメージで魔力を出していく。


キラキラキラキラ………


少ない金の粉が手のひらから舞い降りて、金の粉は薔薇に吸い込まれていく。


すると折れた所が真っ直ぐに伸びていき、ゆっくり薔薇が首を持ち上げていった。


そして元に戻る。


「ぷはー。」

息を止めていたようで、一気に息を吐き出した。


できた、良かった、元に戻って。


綺麗に咲いてる薔薇を見てホッとした。


ちょっとできないかもと半信半疑だった。


だって貴重な治癒属性を私が持っていると思わなかったし、魔力を動かすのも下手くそなんだもん。


治癒師達は本当にすごいんだなと思う。


金色魔力をあんな光線で出せるのだ。

私は出せてふりかけ程度。


あんなビームを出そうと思ったら、頭の血管が切れる。

私には無理‼︎


魔法のない世界で使った事もなかったんだから、ふりかけでも使えただけ僥倖だ。

私は私ができる分だけ頑張ろう!

何回出来るかも知りたい。


顔の前でガッツポーズを取ると、地面に視線を落として、わずかに生えた草をちぎっては再生させ、花ビラに傷をつけては治したりしてみた。


しばらくして庭にしゃがみ込み、突然庭いじりし始めた私が顔を真っ赤にしてるので、途中ルーラが止めに入ったのでそれ以上特訓はできなかった。


ルーラにはふりかけ程度の魔法では気付かれもしなかったので、ホッとした。


でも止めに来てくれて良かった。


あれしきの事で頭の血管が切れそうで、怖かった。


結局何回どのくらいできるのかよく分からなかったが、また頑張ろう。

無理はいかん。


その後、私はルーラに美味しいお茶をいれてもらい、自分に甘く過ごしたのだった。







読んでもらえて嬉しいです。

ありがとうございます。


魔法を使うのも一苦労。


面白ければ、ブックマークや評価をよろしくお願いします。

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