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53 王宮治癒師の実験怖すぎる

閲覧してもらえて嬉しい、ありがとうございます。

ルンバール医師がもらってきた肉ブロックはものすごく大きかった。


ワゴンの肉の塊が豚の大きさを超えている。

一体何の肉なのか……何の生き物ならこんな肉ブロックが切り出せるのよ。


元の生き物を想像していると、医局長が医務室からメス等の手術道具を取ってきた。


「メスをお貸しください。」

そう言って笑うカリミナさんの目は座っていた。


渡したらダメなやつだ。

全員で首を振る。


「肉にダメージを与えるのは、医局長にお任せしましょう!カリミナさんはそこだけに魔法を当てることに集中しましょう?役割分担です。」

身振り手振り説明すると、カリミナさんは目を細めた。


「そうですか?」

「そうです。そうです。」

ルンバール医師は必死に頷く。


「しっかり私も切り刻めましてよ? 仕方ないですわね。」

少し不服そうにカリミナさんは片頬に手を当てて首を傾けた。


完全なサディストだ。

良かった、良かったよ、使える魔法が治癒だけで!

あの目つきヤバすぎる、怖すぎるアフロ初めてだよ。


医局長はメスで5センチほど切った。

「では、これをここだけ治癒魔法かけてみましょうか。」


「分かりましたわ。」

カリミナさんは頷くと両手を前に出した。


手のひらが金色に光始め、光線が出る。


光線は傷に当たって肉ブロック全体を金色の光が包んだ。

ものの10秒ほどで傷は無くなり、肉が全体的に血色が良くなった。

そしてカリミナさんの髪がカール1つ分伸びる。


「なんか全体に魔法が働きましたね。」

「そうですな。」

「難しいですね。意識したつもりなのですけど。」

みんな微妙な顔になる。


カリミナさんは肉にゆっくり近付き触れる。

「張りのあるいい肉になったわ。この肉に……。」


急にまたカリミナさんの目つきが変わった。

手にはいつのまにかメス!


みんなビクッとなる。


カリミナさんは肉にメスを当てて手を引いていく。

「は〜この肉が断裂していく感じ………刺さる感触たまらない。細胞1つ1つが離れていく。」


いや、殺人鬼のセリフ!


驚きで目を見開き、恐怖で全員凍りついた。


うっすらカリミナさんは笑うと、メスを離した。

カラン……。

小さく乾いた音が響く。


慌ててルンバール医師が拾って隠す。


そしてカリミナさんは両手を前に出して治癒魔法をかけた。

またカリミナさんの髪がカール1つ分伸びる。


金色に光った後は、

「やっぱり同じになりますね。」

治った肉を見て、無邪気に笑って振り返ってきた。


強めのパーマかけたように揺れる髪が可愛らしく、そのギャップが余計に怖かった。


「………うふふ、そ、そうですね。」

そうとしか答えられなかった。顔が引き攣る。


肉が断裂………細胞1つ1つが離れてだなんて、いい方!


カリミナさんのセリフをリピートしていると、ふとその言葉が気になった。


細胞……をどう治すかを意識したらどうだろう?


「細胞をくっつけるような、作り直すような………。」

思わず独り言を漏らしていた。


「そうですな、細胞レベルで意識してみるのは良いかもしれませんな。断裂した細胞を再生させるように。」

医局長が顎に手を当てて考える。


「では、肉をまた切って!」

目つきの変わったカリミナさんがメスを探してキョロキョロし始めた。


いやもう、本当この人怖い!


「ぼ、僕がします!」

ルンバール医師がサッと肉を傷つけて、メスを隠した。


「残念です。」

ウフッと笑うカリミナさんの流し目がルンバール医師に当たり、ルンバール医師が震える。怖い。


そしてカリミナさんは肉に向かって手をまた伸ばした。

「細胞を繋ぐように………細胞を生き返らせるよう。」


そうつぶやいて手から出た金色の光は、光線というよりは金の粉がそこに舞い降りていくだけだった。


あ、私の手から出た粉に似てる。

量は全然カリミナさんの方が多い。

そう思っていると肉は全体が光るのではなく、傷口だけ光り傷が閉じていった。


医局長が目を見開く。

「すごいそこだけに魔法が…。」


カリミナさんも満足そうに頷いた。

「イメージが分かりました。病態を治すのではなく、もっと小さな細胞レベルで意識すると良いようです。ただこれは私個人の意見ですが。」


「魔力消費はどうでしょうか?」

ルンバール医師が魔力測定機器を当てる。


「さっき2件は魔力消費で数値が低下していきましたが、今のは全く魔力消費していません!カリミナさんの髪も伸びてない! 仮説は正しい、大成功だ!」

数値を見てルンバール医師は大興奮だ。


「他の状態も作って確認しなければ」

医局長が思わず呟くと、またカリミナさんはニヤリと笑った。


「肉をバーナーで炙りましょうか? それとも肉を抉りましょうか? 条件は変えないと。」

バーナーと金槌持って二刀流で構える。


いや〜本当怖いから、この人!


実験はしたいがカリミナさんの度々の豹変に翻弄され、精神がゴリゴリ削られたのだった。








閲覧ありがとうございました。


恐怖のカリミナ実験です(笑)


面白ければ、評価やブックマーク、よろしくお願いします。

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