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21 案内係はあの人

閲覧ありがとうございます。

読んでもらえるというのは、嬉しい事ですね。

城の入り口で、父とはすぐ別れる事になった。


父は一緒に行くと言ってくれたけど、父の行動を先回りした秘書の人が待っていて父が捕まっていったのだ。


ははは、秘書の人が優秀、ご苦労様です。


父に手を振り、頑張ってと顔の前でガッツポーズを取ってエールを送る。


それを見て父はへにゃっと笑うと、手を振り返して苦笑いしながら行ってしまった。


これで頑張ってくれるでしょう!


ルーラが出入口で話を聞いて戻ってきた。


「もうしばらくお待ちくださいとの事です。案内係がやってくるそうですよ。」

「そう。」


この間お城に来た時、やっぱり場所を聞いて帰ればよかったわね。


あれからカーダス医局長もルンバール医師も仕事の傍ら、私の不思議現象を調べてくれているらしい。

最も、それらしい見解は出てきてないけど。


そんな事を考えながらしばらく待っていると、急に目の前に影ができて視界が遮られた。


えっ?

「お嬢様」


顔を上げるのとルーラが声を出すのが一緒だった。


見上げると、私とくっつく位の距離感でエーデル侯爵が立っていた。


もうキラッキラの笑顔で!


ギャー、インテリイケメン眼鏡ー!

「ちかっ………!」


全身を逆立てて後ろに飛び退く!


「びっくりするじゃないですかー!」


「あはは、ルキアーナ様の魔力を感じて、急ぐあまり転移してしまいました。」

めっちゃ笑顔だけど、こっちは心臓が止まるくらいびっくりしたわよ!


胸の前で手を握り締め、ドキドキを抑えるため深呼吸する。


転移って事は、魔法で一瞬で現れたって事よね。


ちらっと横目でエーデル侯爵の顔を見ると、首を少し傾けて優しい表情で私を見ていた。


悪気はなかったんだよね?


「あ、案内係は侯爵様が?」

「そうですよ。遅くなって申し訳ございません。」


「い、いえ、大丈夫ですが……侯爵様自ら。こ、今度から驚かさないようにお迎えしていただけると嬉しいです。」


そう伝えると、魅惑的な笑顔で胸に手を当てて、

「善処いたします。」

と言って礼をした。


うう、イケメン。


「では、ご案内いたします。」

と手を差し出されたので、

「いえ、エスコートは大丈夫です。ついて歩きますので、よろしくお願いします。」

断りを入れるとと、肩をすくめてみせた。


「は〜残念です。直接魔力を感じたかった。」

「…………。」


ゾゾゾぞぞ………変態。

ルキアーナちゃんが好きなのか、魔力に目がないのか、本当残念イケメン。


無言で行く先を手のひらで示すと、がっくりした背中で案内し始めてくれた。


いや、侯爵様が悪いでしょう。ルキアーナちゃんは私が守るからね。

侯爵様が魔力をどんな風に感じるのかわからないけど、触れたくなかった。


けど、あんまりトボトボ歩くので、申し訳なく感じて話題を振ってみる。


「あの、先ほど転移で来られたとおっしゃっていましたが、転移というのは魔法で空間を移動して来るのですか?」


私が話しかけると思ってなかったのか、少し驚いた顔をして振り返ってきた。


「そうですね。端的に言うと今いる場所に描いた魔法陣に吸い込まれて、着きたい場所に浮かべた魔法陣から現れる感じですかね。」


ほう、という事は、私もこっちに来た時、魔法陣で移動したのか?

魔法陣………そんな物見ただろうか。


ライトが眩しかったし、あの時は切羽詰まっていたし、覚えていない。

首を捻って思い出そうとするが、覚えがない。


そもそも魔法陣は誰がどうやって出したの?


話半分な私をよそに、エーデル侯爵は続ける。


「転移の仕組みや魔法陣の描き方などは追々学んでまいりますが、これは属性関係ないので、ルキアーナ様も練習すれば習得可能かと思いますよ。魔力も豊富ですし、魔力枯渇もならなさそうですし。」


なんと、転移の術が使えるとな!

魔法で何か出せなくても、テレポートって凄くない!

危機に逃げる手になるよね?


パアッと表情が明るくなる。


そんな私を見て、エーデル侯爵も笑う。

「私は魔力や魔法についてお教えいたしますので、色々勉強していきましょう。」

「はい」

俄然やる気が出てくる。


「でも、エーデル侯爵様は王宮魔導師団の師団長様ですよね。講師をしていただけるのは嬉しいのですが、お忙しいのではないですか?」

少し申し訳なくも思っていたので、聞いてみると


「本来この教育は殿下方がお受けになる物なので、教える方もそれなりの役職とそこそこ詳しい者が当てがわれます。魔法等については私が詳しかったというだけで、元々役を与えられていたのですよ。特別に時間を割り込むわけではないので、大丈夫ですよ。」


少し上を見ながら、なんでもないように答えてくれた。


「それなりに詳しい………だなんて。王国随一と聞いております。」


魔導師の中のトップですよね。


確かに殿下方に教えるのは、高位の役職や能力の方でないと教える方が恐縮してしまうわね。

教える方々も超一流。


そんな中に混ざろうとは。


「私が参加する事は、烏滸がましい事ですね。」


思った事が口から出てしまった。


ギョッとするような顔で、エーデル侯爵は顔の前で手を振った。


「いえいえ、烏滸がましいだなんてとんでもない。次期王太子妃様にあたるのです。その方に教鞭が振るえるのは、光栄以外の何ものでもないですよ。」


そうだろうか、今は王太子妃ではないし、私はルキアーナちゃんが王太子妃から回避できればと思っている。

皆が時間を割いてくれるのに、それを無駄にするかもしれないのだ。


更に言えば、別の人生が歩めるなら学園卒業はさせてあげたい、その為の単位取得だとも思っている。自分勝手で申し訳なくなる。


なんだかやるせない思いで、

「ありがとうございます。」

と口にした。


そして、しばらくお互い無言のまま歩き、王宮の一室にたどり着いたのだった。








閲覧していただき、ありがとうございました。


転移できたら便利そうですよね。


面白ければ、ブックマーク、評価をよろしくお願いします。

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