20 いじめにもあってました⁈
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嬉しいです。
王様と謁見してから1週間が経ち。
「明日からルキアーナも一緒に登城して、王宮内教育を受けなさい。」
昨日の晩餐の時に父から言われた言葉だ。
朝起きて、ため息混じりに支度をし始める。
今日も斬新アシンメトリーヘアから華麗な編み込みアレンジヘアに変身。
そして心落ち着いていれる様に、癒しグリーン色ドレスを選ぶ。
「ルーラ、お父様から王宮には学園の教科書を持っていく様に言われたのだけど、どこにあるかしら?」
そう声をかけると、ルーラは普段とは異なるクローゼットを開けた。
今まで開けた事のないクローゼットね。
首を逸らして覗くと、同じ服がいくつもかかっている様に見えた。
「何の服? 同じ服がたくさんあるようだけど。」
私が聞くと、ルーラがクローゼットの中に触れながら答えた。
「学園の制服と予備がかかっております。」
側に寄っていって、1着ずつ触れていく。
「それにしても多くない?10着はあるわ?」
目線を落とすと、同じ鞄や教科書もたくさんある。
そんなに数要らなくない?
お金持ちで、お金の心配はないんだろうから、予備を持ってるのは分かるけど。
教科書を手に取りながら、ルーラが笑う。
「お嬢様は度々、制服のスカートや教科書が破れていたり、濡れていたり、多々汚して。そういうおてんばな所もお持ちでしたので。新しい物を揃えるのも時間がかかりますから、いくらでも常備しているんです。」
「えっ⁈」
「表情筋は動かなくても、お嬢様は活発でしたから!」
ニコニコしているけど、ルーラの言葉に絶句だ。
イヤイヤ、全然活発じゃないよね、この細い手足の筋力よ⁈
お転婆なくらい動くわけないじゃない。
それって、いじめてに遭ってたんじゃないの?
…………すごく典型的な嫌がらせを受けてたんじゃないの?
「ル……私は制服を汚したり、教科書が破れて、帰ってどうしてたのかしら?」
慎重に言葉を選んでルーラに聞く。
ルーラはキョトンとして、
「一度使った物は使いたくないと申されるので、私共が廃棄しておりました。そしてお嬢様は毎日新しい物を身につけておられましたよ。」
当たり前のように答える。
「それは、学園に関する物だけ?」
「そうです。他のものは、どなたかに頂いたものが多いですから、大切にしたいと言われて使い続けられますからね。」
やっぱり、怪しくない?
そんな事言うくらいのルキアーナちゃんだったら、学園の物も大切にするでしょ。
「お父様やお母様は、私が毎日新しい物を使って怒らなかったのかしら?」
「旦那様方から、ルキアーナ様やザイナス様が必要とされる物は与えるようにと申し付かっておりますので、苦言を呈される事はございません。」
にこやかにルーラが答える。
これは父も母も知らないわね。金持ち故、廃棄も購入も問題なし。
怖いわ、金持ち。
毎日新しい物を使って許される、金の使い方‼︎
現代の私がそんな生活してたら、ゾッとする金額が毎日飛んで行って〜絶対ムリ!
「あーははは、私は毎日新しくしなくて、いいわ。」
引き攣った顔を誤魔化しながらそう言うと、
「常備している新しい物がありますから、安心して使って頂いて大丈夫です。」
ルーラは笑顔で自信満々に並んだ新品物品を勧めてくれる。
「いや〜、そんなに教科書もダメにならないように使うようにするわ。そういうことも大切なはずよ。ねえ。」
「まあ、お嬢様、大きくなられて。そうですね、物を大切に扱う事は、大切な事です。それをご理解なさって、嬉しく思います。」
今度は感激してくれてる………。
こういう身近な人に心配かけたくなかったかな。
やっぱり学園にも問題があったみたいね。
それにしても、いじめがあっても気にしないようにして、新しい物で対応して受け流していたのかな。
いじめを受け流すのはしんどい事だ。
いじめは些細な事から始まって、どんどんエスカレートしていく。その結果が誘拐だったら冗談じゃない。
怒って然るべき対応するべきだ。いじめは心が弱る原因トップ3に入るくらい重要案件。
誘拐された時はすでに表情が乏しかった事から、心は閉じてたはず。だから、いじめが受け流せるほど、些細に感じていたか、既に生きる事への執着を放棄してたから、何も感じていなかったか。
どちらにしても良くない事だ。
そこまで追い詰められていたんだ。
ルキアーナちゃんを思うと胸が苦しくなる。
婚約者問題にしろ、王太子妃教育にしろ、学園にしろ、どれも命の危機に繋がってどんだけルキアーナを追い詰めるのよ!
周りはもっと気が付かなかったかね。
思わずルキアーナちゃんを抱きしめているつもりで、自分を抱きしめる。
「お嬢様?」
不思議そうにルーラが顔を覗き込む。
今、ルーラを責める必要はない。
ちゃんとルキアーナちゃんを心配して大切にしてくれている事は分かってる。
ただ、気付かず、ルキアーナちゃんに忠実だっただけ。
学園でのいじめは私の想像だ、証拠がない。
でも学園にもいつか解決策を見出さなきゃと思う。
行けるようになったら、覚えてろ〜。
私は作り笑顔で、心の中で闘志を燃やした。
「ううん、大丈夫よ。行きましょうか。」
私は教科書を持ったルーラを伴って、下に降りていき父と共に城に向かったのだった。
閲覧していただき、ありがとうございました。
いじめはいかん!
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