15 王子が黒モッサリの訳
閲覧ありがとうございます。
昨日は最悪なお茶会だった上に、引きこもり王子を初めて見たな。
全身真っ黒だった。
人が苦手と言っても、王子があんなに髪モッサリとかあるかね?
逆に毒クラゲはあんなキラキラ、トゲトゲなのに?
キラキラ毒王子にモジモジもっさり王子
意味不明な兄弟だ。
父に第二王子について話を振ると、父は後で書斎で話そうと言った。
まあ、王子の話だもんね。耳は多く無い方がいいはず。
コンコン
父の返事を聞いて中に入る。
父は書物をしていたが、すぐ私の元に来てソファーへ誘導してくれた。
「それで、急にどうして第二王子の事を聞きたいんだい?」
「昨日第一王子殿下とのお茶会へ行った帰りに、第二王子殿下に出会いました。」
私の言葉に驚いた顔で
「どうやって会ったんだい?」
どうやって……‥迷子で彷徨ってたまたま会ったと言って大丈夫だろうか?
いや、ダメだろうな。
「……‥たまたま遭遇しました。」
「たまたま……‥遭遇しようと思っても、できないお方なのだけれども?」
怪訝そうに父が見てくる。
ああ、王子様だし、彼は結界張ってたんだった。
そう思ったけど、素直に言う。
「私は魔力が見えない状態になってますので、殿下の結界に気付かず通過してしまいました。」
私の言葉に、父は目が丸くなる。
「お腹は大丈夫だったのか? いや、結界を通ったのか?どうやって………」
「結界は魔力が多ければ通れるという趣旨の説明をされてたので、私の魔力量では通過が可能だったようです。お腹は痛くなりませんでした。」
「そうか通れるのか。では、なぜ呪いが効かなかった?」
「殿下の張った結界が不良だったのではと思います。何も起きませんでした。」
「そんなはずはない、殿下は結界や呪いが得意でね。それに触れた者は皆腹痛を起こしているんだよ。」
え〜?
そう言われても何も起こらなかった。
全くお腹痛くなかったもん。
首を傾げる。
そんな私に、父もよく分からないのか首を傾げる。
しかし、モッサリ王子は何がしたいんだ⁈
人に近づいて欲しくないとはいえ、みんなを腹痛にさせて、ひどいじゃないか。
あとあの風貌。
「お父様は殿下と最近会った事がございますか?」
「ああ、お見かけするよ。」
「では、殿下は、あの容貌で普通なのですね?」
モッサリヘアに喪服のような黒い服。
私の言葉に、父も苦笑いだ。
「ああ、そうだね。人と目が合うのが怖いそうだよ。」
まあ、そんな感じだったな。
髪で隠して自分を守っているんだろうね。
人が寄れないんだから、髪も整えられないね。
「では、殿下はいつも真っ黒の服を召しているのですか?」
「そうだな、だいたい黒い服を着ていらっしゃるな。殿下は幼い頃から闇の力が強いんだ。だからそれを抑えるための魔法付与された服を召しているんだよ。」
あれは特別な服なのか…………喪服にしか見えんが。
「特別な服は黒いのですね。」
「いや、色は関係ないよ。黒は殿下の希望だ。」
じゃあ、黒でなくても!
何故に全身黒色?意味わからん。
「闇の力を制御できなければ、良くないのですか?」
「そうだね、突然魔力暴走起こして室内が吹っ飛んだり、呪いが無尽蔵にかかったり、あちこちにブラックホールが出現したり、どれが起こっても惨事だね。」
いや、父もニッコリ笑って言うセリフじゃない。
顔が引き攣る。
そりゃ、どれも起こったらいけないやつ。
すごい力持っているんだな、モッサリ王子。
すごく魔王のように強大な力持ってるのに、当の本人はヒョロ長い黒マッチ棒ようだった。
ギャップすごいな。
「そ、それは力を抑えた方がいいですね…。」
「そうなんだ。力を抑えているから大丈夫なんだ。」
と父がやるせない表情をする。
「どうかされたのですか?」
「力を抑えているから、大丈夫なのに、力を恐れてしまう者、結界に阻まれる者、腹痛を避けようとする者ばかりで。まあ、殿下も人を避けるから仕方ないんだが、今では殿下の側にほとんど近寄る者がいないんだ。」
いや、結界張って腹痛の呪いかけてる殿下も悪いだろう。
「闇魔法というのは、影響が強大でね。呪いとかとも直結するから不吉忌み嫌われがちなんだ。本来なら不敬なんだが、幼い頃から皆に恐れられて過ごす過程で、自分自身も恐れるようになられて、自分の殻に閉じこもるようになってしまったんだ。なんだか、年の近い子供のいる私には少し不憫でね。」
ああ、病院での心身虚弱の子も、周りが怖い、自分が傷つきたくないとか、周りを傷つけたくないとかで自分の殻に閉じこもってたな。
あの出立も自分の身を守る一瞬、殿下もそういう事なんだろうな。
でも、怖がりながらも、帰り道教えてくれたし、キラキラ毒クラゲよりは性格が良さそうだ。
かなり気弱だけど。
………‥どちらにしても、ルキアーナちゃんの婚約者にお姉さんは許してあげれないなぁ。
閲覧していただき、ありがとうございました。
個性的な婚約者候補…どうしようかね。
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