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戦鬼争闘  作者: 封
協力者編
16/24

協力者

お久しぶりですね!

和紀が死んでから2週間がたった。

お通夜と葬式を終えて再び任務に戻った。毒は解毒され、後遺症も残らなかった。和紀が葬式の時、俺はその場で泣くのを我慢した。和紀の父さんや母さんは泣いてたし、親戚も泣いてた。近藤中尉は泣くのを我慢してたが遺書を聞いて嗚咽がもれ出していた。健太は最初から泣いていた。威吹は泣いてはいなかったが目元が真っ赤になってた。俺は葬式を終えたあとまた、部屋で大泣きした。元気だった和紀の体は小さい箱になってしまった。

2週間の間に訓練をずーと行っていた。前よりも筋肉を追い込んだ。短い期間だが自分の体に負荷を与えていく。まだ足りない。まだ足りない。

「赤城。もう休め。今日、8時間以上ぶっ通しでやってるぞ?」

海斗隊長が話しかけてきた。

「いえ、まだ足りません…。こんなんじゃ何にも身につかない…」

「馬鹿野郎。筋肉を休ませることも大事なんだよ」

海斗隊長に頭を叩かれた、渋々その場に座った。海斗隊長が弁当箱を出してきた。その中にはおにぎりが2つとたくあんが入っていた。

「…隊長の手作りですか?」

「少し作りすぎたからな…いらないなら俺だけで食うけど?」

「いえ、貰います。ありがとうございます」

おにぎりを頬張る。ひとつにはツナが、もうひとつには昆布が入っていた。普通なことだが美味しい。

「隊長は身内で…鬼に殺されたことって…ありますか?」

「なんでだ?」

「和紀の…川島上等兵の葬式の際、隊長は微動だにしていなかったので」

「…ただ顔に出てないだけだよ。俺だって人が死ぬのは慣れてない」

「…すみません」

「いいんだよ、早く食べな」

『ブルーチームに入電。現在鬼が街で暴れているという通報あり。ブルーチーム第1部隊は急いで準備し出動してください。繰り返します…』

「お呼ばれだ。行くぞ」

「…はい」


装甲車で向かったのは街にある廃墟のビルだった。街で暴れた後ビルに逃げ込んだとされた。ビルの中に入ると所々に争った形跡があった。柱が削れ、少し血が飛び散っている。

「海斗…この感じ…」

「鬼同士が争ったあとだな。先に進むぞ」

階段を昇っていき、鈍い音が聞こえてきた。海斗の合図とともに扉を開ける。部屋の真ん中には倒れ込んだ血まみれの何かと黒いローブを被った人影があった。海斗が銃を向ける。

「誰だ!貴様!」

龍也は目を凝らすと倒れている人は人間のようだった。黒いローブを被った人はこちらを向く。顔には返り血、鬼の角が生えていた。鬼が人間を殺していたのか。龍也は強く噛み締める。

「隊長…俺がやります」

「おい、赤城!」

龍也は走り出し、黒いローブの鬼に近づいていく。黒いローブの鬼は窓の方に向かって走り出す。窓を割り、外に走っているパイプを掴んでに逃げていく。龍也は窓から室外機に向かって飛び降り、また室外機と降りていく。黒いローブの鬼は少し驚いた顔をしてこちらを見る。

「待てよ!!」

龍也は黒いローブの鬼に向かって蹴りを入れる。黒いローブの鬼はよろめくがすぐに体勢を立て直し、身構える。龍也は続けて攻撃をする。右、左と殴り続ける。黒いローブの鬼は全てをいなす。

(この隊員…まだ入ったばかりだな…。攻撃が単著だ…でも…)

龍也は少しその場でジャンプしたかと思うと思いっきり横に蹴りを入れる。黒いローブの鬼は反応が遅れ横に吹き飛ばされる。

(攻撃にキレがある!何より他と比べて攻撃が読めない!それより、まず…)

「君!私は君たち狩人の敵じゃないよ!」

「嘘つけ…!さっき人を殺してただろ!」

龍也は腰に納めてたナイフを抜き取り、構える。黒いローブの鬼は驚きあたふたする。

「え、あれ、もしかして海斗君、説明してないの?」

「なんで隊長のこと知ってるんだよ…!」

「赤城!やめろ!その人は協力者だ!」

海斗が急いで降りてきたのだろう。息を荒くしながら龍也に呼びかける。黒いローブの鬼はローブを下ろす。長い黒髪をした中性的な女性だった。

「協力者?ど、どういうことですか?」

「彼女は羊鬼…本名は日辻静さんだ。1年前から俺たち狩人の唯一鬼の協力者だ」

「そういうこと!さっき倒れてたのは暴れ回ってた鬼だよ。その鬼を私がこのビルに逃げ込んだから狩人に連絡して足止めしてたって言うこと!海斗くん!ちゃんと説明してあげといてよ!」

「すみません、まさか追いかけるとは思わなくて…」

海斗が頭を下げる。龍也は状況を理解できなくて少し頭が回っていなかった。

「え、俺…味方を攻撃してたってことですか?」

「まぁそういうことだな」

「す、すみません!!俺、つい人を傷つける鬼だと思って!」

「いいよいいよ!そう思われても仕方ないから!」

日辻は龍也に対して無傷であることを示した。

日辻がどうして協力者になったかは1年前の鬼達が銀行強盗するという事件があった。日辻はひっそりと人間として暮らしていた。しかし、その強盗に立ち会ってしまいどうしようか考えた。自分もこの鬼たちと協力して強盗するかそれとも人間として人質になるか。だが、結局選んだのはその2つではなかった。鬼として人間を守ろうとした。日辻は来ていたパーカーのフードを深く被り、マスクをして強盗犯を次々となぎ倒して行った。日辻は他の鬼と比べて体術に自信があった。その後、狩人が到着した。その狩人の隊員が海斗とハリーだった。海斗とハリーに連れられ、鬼専用の刑務所に送られるのかと思った。しかし、海斗たちは日辻を協力者として隊長やチームリーダー、総司令に提案した。1部のものは反対していたが秘密裏として協力者になることになった。そのため、鬼の裏情報は日辻によって収集が行われている。

「海斗くん、次の部隊会議で今回集めた情報を報告しようと思ってるよ」

「了解した」

「赤城くんだっけ?鬼に対して嫌悪感を抱いてるのわかるけどか弱い女の子をいじめるのはどうかと思うよ?」

「あ、す、すみません!」

「いいの!いいの!その調子だよ!」

日辻に頭をポンと軽く叩かれた。なんだが心が和んだし、黒く霧かがったモヤが消えた。


「さて、報告をしてもらう。日辻…いやゴート」

ブルーのチームリーダー犬島、他20数部隊の隊長がいた。

「その名前やめてもらいません?堅苦しいというか…まぁいいや…。とりあえず3ヶ月分の報告をさせていただきます。まず福島にいる鬼たちが鬼ヶ島側に移住し始めています」

「どういうことだ?人間の血肉だったら今の生活で満足なはず…わざわざ手放すとは思えん!」

「私もそう思っていましたが現状、毒鬼の一族の柴田家が移住していることが一週間前に分かりました」

「柴田家…」

海斗か少し考える。柴田家はまさかと思った時、近藤が大きな声で叫ぶ。

「柴田って言えば、あの川村を殺した…!?」

「可能性は高いですね」

「近藤さん、木村さんの思っている通り、数日前に起きた毒物事件の主犯はその柴田家の御子息です」

「では、あの事件は鬼ヶ島に入って計画が十分になったからか?」

「まず、計画がこの時期になった理由は鬼ヶ島に行ったからというのはあり得ると思いますが鬼ヶ島に入った場合必ずやらねばいけないことがあります」

「それは?」

「狩人の指定された隊員を1人殺さなければいけません。これはいわゆる選別…試験です」

「でも、この選別は戦力を減らす原因では無いの?」

「…彼らは強い鬼をより選別することで死んでしまった鬼たちのカバーになるのではと考えいるのだと思います」

「うむ…しかし我々の行動まるでわかったように鬼たちは動いている。毒物事件も管轄に入っていた部隊は別の事件で対処していたから急遽第1部隊を派遣した…」

「それに関してもリークがあります。この組織の中に裏切り者がいます」

羊は毛を駆られたら、肉も駆られる。

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