2-10.5
「隊長、またも領海侵犯の船を捕捉しました。いかがいたしますか」
陽が落ち、モニターの光源だけが照らしている薄暗い船内で、レーダーを見ていた隊員がそう告げる。
船室に設置されている機器はサヴェロ達の乗る船とは……否、サヴェロ達の暮らす時代の物とは大きく違い、どれもこれも数歩先の時代を行っている。
そんな高度な技術が使われているモニター類の前に座っているのは数人の船員達。そして、彼らの後方にどっしりと座る大男の姿があった。しかし、暗い船内では彼らの顔を窺い知る事は出来ない。
「迎撃に向かう。直ちに戦闘準備に移れ」
後方に座る司令官と思しき男がそう命令を下すと部下は「了解しました」と返事をして、その命令を実行しようとする。だが、そこで、
「これは……隊長お待ちください」
「どうした?」
「はっ、その領海侵犯の船から発せられているウィスなのですが、この反応をご覧ください」
船員はレーダーから得られた情報を隊長の男が座る前のモニターに映し出した。そのデータを隊長の男は前のめりになり確認したところで、
「この反応は……間違いない。このウィス反応は王族のモノ……メリダ様のモノだ」
隊長の男は目を見開き、全船員に告げた。
「作戦変更だ! これより我々はメリダ様救助の為、この船を拿捕する。総員! 準備に取り掛かれ!」
その命令に、船員達は「はっ!」と返事をすると、慌ただしく準備をし始める。そして、命令を下した隊長の男はモニターを睨みつけながら、
「今行きます。メリダ様」と呟いた。
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