2-1.5
アイオスと先生の事を話していたからだろうか。また昔の夢を見た。
ウィスの修行も一段落し、公園のベンチに腰掛け、先生が買ってくれたコーラを飲みながら先生と談笑していた。
「ねえ、先生はどうして世界中を旅してるの?」
俺がそう訊くと、先生は首を捻った。
「そうだな、世界を回って見聞を広め……なんて言ったってサヴェロにはわからんか。ただ単に世界を自分の眼で見たかっただけだよ」
先生は空を眺め、そう答えた。まだ、どこか行きたい場所があるかのように遠くを見つめていた。
「自分の足でその地を踏んで、自分の手で触れて、自分の全てで感じて……外に出なけりゃ得られないものだ」
今度は俺を見てそう言った。
「俺もいつか世界中の遺跡を見て回るのが夢なんだ」
俺がそう言うと、先生は少し驚いたような顔をしたが、すぐにニッと笑った。
「そうか、それじゃあいつかまたどこかで会えるかもな」
「……もう行っちゃうの?」
先生のその言葉を聴いて、俺はそう長く先生といられない事を察した。
「ああ、いつまでもここに居る訳にはいかないからな」
俺は顔を伏せた。自分ではどんな顔をしているかわからないが、その時の表情を先生に見せたくはなかったからだ。でも先生は俺の頭に手をポンと置き、
「顔を上げろサヴェロ。もう二度と会えなくなるわけじゃねえ。生きてりゃいつか必ず会える」
と言ってくれた。
「先生」
俺は顔を上げた。そこには先生の笑顔があった。
「だけど、そん時はお前から俺に声をかけてくれ。お前がデカくなっちまって、俺が気が付かないかもしんないからな」
そう言って、先生は俺の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。
面白いと思われた方、
是非とも評価、ブックマークをよろしくお願いします。
ご感想もお待ちしてます。




