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CURRY

作者: 勇寛

夏ですね!

スパイシーなカレーっていいですよね!


そんなかんじ。

 カレーライス。

 小学生の好きな給食ランキングで栄光の一位を不動のものとしているメニュー。

 今後も毎年給食ランキングを集計をするのであれば、もういっそ殿堂入りとして敢えてランキングから外してもいいのではなかろうか、と思うほどだ。

 そして寂れた定食屋から、とんでもない高級店にもあるというメニューでもある。

 海の家からスキー場の食堂、蕎麦屋に中華料理店、ラーメン屋は言うに及ばず、時折三ツ星クラスの高級店にさえそのメニューがあるというメジャーな料理。

 しょっぱい系統のスナック菓子のバージョン違いを考えるときには必ず“カレー味”は出てくるし、肉まんにも焼きそばにも、ラーメンにすらあるのだ。

 キャンプ飯はカレー、公民館の集まりもカレー、レトルト食品として常備されているのもカレーである。

 どうかしているのではないかと他国の人間から思われそうなくらいに、日本人のDNAに深く刻まれたカレーというものへの絶対的信頼感。

 カレーのスパイスで洗脳されていると断言できるくらいに、日本人はカレーが大好きだ。

 さて、そんなカレーはぶっちぎりに美味い食い物であるのは間違いないのであるが、それと同時に、容易に日本国民を分断することが可能なメガトン級の火薬庫でもあるだろう。

 そう、カレーはトロトロであるか、サラサラであるか。

 この二つの選択肢は、深ぁくそして決して相容れることのない、もう一方へ属する者への敵意をむき出しにする。


 さて、本稿についてはメインとしてトロトロカレー側の応援をしたいと思う。

 ……筆者の好みがそっちなので。

 であるからして、ここまで読んでいただいた方には※以降の注意事項を熟読いただきたい。


 ※サラサラカレーの好きな方はここまでで本文を離脱いただく旨をご考慮いただきますよう深くお願い申し上げます。

 ここから先は筆者によるトロトロカレーの擁護・応援が主となり、サラサラカレー好きの方にとっては一部自尊心及び存在価値レゾンデートへの侵害を感じられる、若しくは図星を突かれてしまう箇所が複数存在しています。

 場合によってはトロトロカレー好きのご友人・ご家族との友好・信頼関係等へ不可逆的な亀裂を生じる可能性が十分に想定されます。

 万が一以上の注意事項を拝読いただいたのち、本文をお読みになった場合に、前述の友好関係の破綻、トロトロカレー拒絶を主張するサラサラカレー主流派へと侵食度が加速する事態などの将来にわたって回復不能な影響が生じる可能性を懸念されます。

 また、そこまではいかないとしても、読後本来不要なカレー購入費、深夜帯のカロリーの過剰摂取、辛み調整失敗による舌・唇のヒリヒリなどの読者側が被るであろう一切の責任を負いかねます。

 店舗、デリバリー、自作などでカレーを準備し、同好の士と深く語らい合いながら貪り食ってその滾るサラサラカレー熱を鎮められることを願ってやみません。

 あと、間違いなくネットの海の中にはサラサラカレーのすばらしさを称える美しい文章が存在するはずです。

 本文ではなく、そちらをぜひぜひお読みくださいますよう願ってやみません。





 という注意事項を超えてここを読まれているということは、筆者と同じトロトロカレー好きの方と思うので安心して書き進めていきます。サラサラ好きの人が読んだ場合は自己責任なので、きっと生暖かく見守ってくれるでしょう、ということで。


 まず言いたいのはカレーライスですよ、というそもそも論です。

 中東や、東南アジアとかの所謂「お洒落さんカリー」ではなく、日本で仕上がった「カレーライス」なんだよ、と。

 思うにノーマルタイプとされるカレーライスはトロトロタイプだと思うわけですよ。

 学校給食、気取ってないご飯屋さん、レトルト食品の主戦軸。

 このあたりでサラサラカレー、いや敢えてここは批判を承知のうえで挑戦的に言いましょう。シャッバシャバな水っぽさを感じるカレーが出てきますか、と。

 汁気の多いタイプのアレはどう考えても、ノーマルタイプとは言い難くないですか?

 寧ろサラサラタイプ、とされるもののうち、パーセンテージでいうと20パー強くらいがトロトロカレーの分類に入るどっちつかずの微妙なラインで勝負してませんか? という風に思うのですよ。

 サラサラカレー好きという人間のおすすめの店に行くとですね? 結構そういう微妙なライン上で戦ってるカレー多いのですよ。

 そこをサラサラ好きはあえて目をつぶっているようなそんな気がします。自己のストライクゾーンが広い状態を保つために、その厳密さを突き詰めていない、と。

 自分サイドが有利になるように、そのグレーゾーンを許容する卑怯極まりない戦法で戦いを挑むという。

 美味しいカレーはどっち、という判断をするときの例に、それはサラサラタイプに分類するの? というカレーを出してくるその戦法。非常に許しがたい。

 これがですね? 逆にトロトロ好きがそのグレーゾーンのタイプを紹介すると、彼らはそれはサラサラカレーだ、と猛烈に意見をしてくるのです。

 ずるくない? え、だってソッチもしてません?

 そういうと、汁気の多さを主張するのですよ、彼らは。

 いや、ずるいよぅ。なんでこっちにはそんな厳しいのさ。自分たち側、アマアマじゃんか。


 このあいだですね、日曜のお昼に地元のテレビを何気なく見てたんです。

 そのなかで、野菜をコトコト煮込んで具材が見えなくなるほどにトロトロにしたカレー屋さんを紹介してたんですよ。

 地元に昔からあるタイプの年季の入ったそーゆーお店でした。

 あー美味しそうだなと思ってたらロケに行ってたアナウンサーさんが、「旨味が融け込んだサラサラカレーですね」、と言った時のあの衝撃ったら。

 えええ、って声出しちゃったもんね、日曜の昼に。

 いや、そのとろみはサラサラカレーちゃうやん、と思ったんです。

 でもローカル番組だったけど公の電波にサラサラカレーと紹介されたらサラサラカレーになっちゃうんですよ、多分。あの粘度はサラサラカレーなんだ、と。

 すんごい衝撃だった。

 なんだ、サラサラカレー信者はトロトロカレーをそうまでして侵略したいのかと。

 紹介されてたヤツは結構トロトロカレーのド真ん中に近いポジションのカレーだったぞ、と。

 それが許されるならば、3割、いや4割はサラサラ陣営に持ってかれてしまうではないかと。

 それは、ずるいってぇぇぇ……。



 というマジでどうでもいい愚痴めいたお話でした。

 要約すると筆者はカレーライスはトロトロ派ですよ、ということで。



 そんなお話の最後に、最近食べたカレーのお話。

 サラサラのグリーンカレーって美味しいよね。

 カツを乗っけたグリーンカレーで、米がたっぷりとそのスープを吸って美味かった。

 あと、カツとグリーンカレーのエキスが絡まって、それもまた良し。

 ……ま、美味けりゃ主義主張なんてどーでもいいんですよ、多分。究極的には、ね?


 というまとめでした。

 この流れを受けて、書くかどうかは未定ですが、カレーの皿の隅っこには「福神漬け」「ラッキョウ」どっちですか、もちょっと思いついてます。

 ちなみに筆者はあればどっちでも派で、更に「両方のせ」も許容する邪道を地で行く人です。

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