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第1話 仮面の王子
――偽りの仮面を今日もかぶろう
出来た王子
優秀な人間
嫌になるような仮面を貼り付けて
今まで生きてきた
きっとこれからも続くだろう
でもいつかは
全てのしがらみから解き放たれて
ただ一人の人間として
自由に生きたい
――この願いはかなうだろうか
――障害が多い
――いくつも いくつも
それは
そんなにも大それた願いなのか
たまたま
そこに生まれただけの事なのに
望んで得た環境でも 身分でもないのに
人はどうして
そんな環境を重要視したがる
そんな身分に目を向けたがる
望んでそこに
自ら生まれ落ちたわけでもないのに
どうして
他人なんかに 人生を左右されなければいけない?
「ストーリー」
「ただ一人の人間として、自由に生きていきたい」
彼の願いはそれだけだった。
それゆえに間違い、破滅した。
彼は仲間となったかもしれない者達を利用し、全てを破壊していく。
禁断の組織から力を借りて、全てを失ってしまってから彼は間違った事に気が付いた。
「でも、どこで間違ったのだろう」