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ランダム転生でダンジョンマスター!  作者: 犬養泳治
プロローグ
3/14

Aランク

 それじゃあ2階層、3階層も作っていこう。

 だんだん強くなる感じにしていこう。

 2階層にはオーク、フォレストウルフ、オーガをそれぞれ10体ずつ購入。さすがに30体は多すぎた。それに一体一体が大きいからな。これくらいでいいだろう。テーマは林。パントリーも購入した。

 3階層にはチャージディア、ビックスパイダー、ラフベアをそれぞれ10体ずつ購入。パントリーも買って、テーマは森林にした。

 この階層作りに使ったDPは合計で4,060。残ったDPは3,430だ。

 これだけあれば大丈夫だ。

 ダンジョンを作りながら考えていたが、スライムは弱い。もし二人以上で攻め込まれたり、餌食1号よりも強い人が来たら負ける。これから先ダンジョンでできた死体なんかを吸収させてスキルを得るまではどうやっても負けるだろう。よって、スライムが育つまでダンジョンを守る中ボス的な存在が必要だ。それを残ったDPで買いたい。


 今俺の前には2体のモンスターがいる。

 1体は二足歩行の銀色の体毛の狼だ。軽く猫背なのに1.7Mくらいある。

 もう1体は黒くてとにかく厚い鎧に首から下を隙間なく包んだ、黒い骸骨だ。鎧の上に乗った頭蓋骨さえも黒い。目の位置で燃える焔が、2Mを越える長身の上で揺れている。


ライカンスロープ

HP 1740

MP 1110

Str 555

Def 420

Spe 540

Dex 270

Mag 265

人化Ⅰ 獣化Ⅰ 闘爪術Ⅰ 咆哮Ⅰ


黒骸(こくがい)騎士

HP 1550

MP 1270

Str 535

Def 520

Spe 400

Dex 385

Mag 390

剣術Ⅰ 闇魔法Ⅰ 影斬りⅠ 騎乗Ⅰ


 強い。とても強い。まあこの2体だけでDPが2,550もかかってるからな。


「お前たちはこのダンジョンのコアを破壊しに来たやつを、ボスのザライの前に殺すのが役割だ。殺したやつはザライに食べさせてくれ。頼むぞ」


「ワカッタ」


「かしこまりました」


 驚くことに、2体が返事をした。


「お前たち、話せるの?」


「オレ、ハナス、スコシ」


「自分たちくらいランクが高くなれば、それ相応の知性も付いてきますから。ライカンスロープは狼なので上手く話せませんが」


 そういうものなのか。でもこれは有り難いな。いろいろと複雑な命令もできるわけだ。


ーダンジョンに侵入者が現れました


 いいタイミングじゃないか。




↓↓ローウル↓↓



 また面倒なものを見つけてしまった……。

 今回はただの盗賊団の掃討に来ただけだった。

 たいした人数がいるわけでもないが、伯爵からの依頼ってことで俺たち第2騎士団まで回ってきた。

 ちょうどデーモンランドへ出張った直後だったせいで俺まで出向くことになった。それもあって今回は10人で来たんだ。

 盗賊団の掃討はすぐに終わった。一番強い奴でもレベルは40程度だったんだから当たり前だが。

 一応他にアジトを持っていないか一人だけ逃がして追跡してたんだが、そいつが崖に取り付けられたぼろぼろの扉に入っていった。

 半日たっても出てこないから入ることにしたんだが……、


「団長、これ、ダンジョンじゃないスか?」


 ああそうだ、これはダンジョンだ。何だってこんなもの見つけちまうんだよ。


「洞窟なのに草原、ゴブリンにコボルト、オークまで一緒なんだし確定でしょ。大事なのはボスよボス」


 発見したのが一般人で構成された第3騎士団なら悩む必要は無かったんだ。いやむしろ貴族様だけの第1騎士団なら自分たちのものにするで解決だったかもしれない。でもうちは冒険者上がりの第2なんだよ!


「ねー団長、ちょっと潜っても良いよね? ちょっとだけだからさっ!」


「良いわけ無いだろこのアホッ! ギルドとアリウロスに報告だけだ! 当たり前だろうが!」


「いーじゃないスか、団長。ちょっとだけですって」


「お前ら潜ったら除名なんだぞ? それでも潜りたいのか?」


「「さっさと報告しましょ」」


「ったくお前らなぁ。で、どうだ。ここのボスは」


 バカどもの相手は疲れる。俺は解析スキルを持つやつに聞いた。


「とりあえずこのダンジョンはレベルは3です。なのに下にAランクがいます」


 レベル3のダンジョンにAランクか……。かなり珍しいな。


「団長、Aランクなら話は別だ」


「俺たちは潜るぜ」


 反応しやがったのはロイとアルバだった。こいつらは二人だけでAランクの走竜を討伐して1年前にスカウトされた。入団した目的はデーモンランドに入るだが、それがこいつらの思い描いていたものでなかったのは知っている。


「お前らが入団した目的は知っているが……、ここで潜るなら除名なんだぞ?」


「それでも俺たちは潜りたい」


「デーモンランドで強いモンスターを狩れたのは良かったが、あそこでは単独行動は許されない」


「俺たちはAランクモンスターを倒したいだけなんだから」


「はぁ……。お前らそうやって簡単に俺の書く始末書増やしやがって……。俺たちは1日このダンジョンの手前で監視してる。攻略したら一緒に報告してもらうぞ」


「それくらいなら、まあいいかな」


「レベル3ならたいして深くも無いだろう、すぐに終わるさ」


「出口からモンスターが出てくるかの確認があるからボス以外のモンスターはあまり殺すなよ。それじゃあお前ら、さっさと夜営の準備をしろ」


「「「「「「「了解」」」」」」」




↓↓ロイ↓↓



「さーてアルバ、俺たちも行くか」


 俺は隣の小柄な相棒に声をかけた。


「ああ、早く戦いたい」


 俺たちはダンジョンを進んで行った。なるべく雑魚モンスターは殺すなってことだから、走って突っ切った。

 走りながら考える。

 俺とアルバはもう5年の付き合いだ。俺たちはずっと二人で戦ってきた。剣士の俺と格闘家のアルバだと組み合わせは悪いと言われたが、何より気があったんだ。1年前、ランク8の冒険者だった俺たちは走竜の討伐依頼を受けた。とにかく速いし硬い、突進を受けたときは死にかけた。でも何とかして倒した。俺もアルバもとにかく強い奴と戦いたかった。


「見付けたぞ、2階層」


 アルバが2階層への道を見つけた。こいつは探知系のスキルがあるからな、有難い。


「だが、2階層すぐのところにAランクモンスターがいるようだ。どうやらボスじゃなくて移動性モンスターだったらしいな」


 移動性モンスターか。普通のモンスターはその階層から動こうとしない。だが移動性モンスターは違う。こいつは当たり前に階層を登り降りする厄介な奴だ。

 だがこの場合は有難い。ボス部屋まで降りる必要が無いってことだからな。


「すぐ戦えるなんて有難い話じゃないか。いくぞ」


「ああ」


 俺たちは装備をチェックして下へ降りていった。そこで、


「ライカンスロープと、黒骸騎士!?」


「まさか2体だったとは……。でも何で黒骸騎士は素手なんだ?」


「誰か前に戦った奴が武器を壊したか?」


「ふむ、貴様ら二人が侵入者で間違いないか?」


「ホカノニオイ、シナイ」


「ならばいい。さて、貴様らは我らのどちらと戦いたい?」


 まずおかしいと思ったのはこいつらが話したこと。次に襲いかかる訳でもなく、こちらに選択肢を与えようというもの。


「どちらと戦うか、こちらで決めていいのか?」


「無論よ。我らが受けた命は貴様らを殺すこと。殺し方までは指示されていないからな」


 俺たちが負けるのは当たり前ってか。


「アルバ、俺にあのふざけた骸骨をくれ」


「素手の黒骸騎士に興味はあったんだが。まあ殴り合いはライカンスロープの方が楽しそうだ」


「ふむ、一人ずつで戦うのか? それはさすがに実力差を感じ取れなさすぎだろう」


 よくわかってらっしゃる。確かに俺のレベルは89。Aランクと戦う適正レベルである団長クラスーレベル100以上には遠く及ばない。


「安心してくれ。それでも勝つためにスキルレベルを上げて装備を整えてんだ。あんたらはそれを、経験値になって実感してくれればいい」


「そこまで言うなら、一対一で相手をしよう。どうする、どちらが場を移す?」


「オマエ、イケ。ウルサイ、ジャマ」


「そ、そうか。随分と嫌われたものだな。しょうがない、侵入者。ついてこい。少し離れるぞ」


 そう言って黒骸騎士は背を向けて歩いていった。


「行ってこい、ロイ。さっさと勝ってこいよ」


「お前こそ、アルバ」


 そう言って俺たちは分かれた。

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