097
数カ月後、ヴァリアス城入り口にて。
「アンナさんどうでしたか?」
「すみません、セバスチャンさん。今回も見つかりませんでした」
「マルクの探し方が悪い」
「ひどい!あんなに走ったのに!」
「クゥーン」
「ハティは頑張った」
ルネがハティを撫でる。
コメットが居なくなってから現在まで、セバスチャン達は探し回ったが、見つけられなかった。
「あの御方が死ぬはずがない。私はそう信じております」
コメットを思い出すかのようにセバスチャンは目を閉じる。
アンナ、ルネ、マルクも動揺に思い出しているようだ。
バタンッ
城の扉が突然開いた。
「いや〜、皆さんお待たせしました!魔王との戦いで身体がバラバラになってしまい復活するまで時間がかかってしまいました」
熊の革で出来た服を着た男が立っている。
「コメット様!」
「コメットさん!」
「リーダー!」
「ゴメッドざーん!」
「ワォーーン!」
全員がコメットに抱きついた。
「心配をかけてしまったようで、すみません」
「コメット様、現在の状況をご説明致します。ガーマ帝国は皇帝が死去、次期皇帝として配下の者を送り込みました」
「どさくさに紛れて凄いことしてるね」
「いえいえ、帝国の為ですよ。それと、南のゴリンゴル獣国は帝国に従っていただけのようで、帝国が負けたらすぐに降伏しました。ゴリンゴルには土地の譲渡と賠償金を払わせます」
「まぁ、戦争で大きな被害があったし、何も無しとはいかないよね」
「最後にコメット様、3日後に国民に向けて勝利宣言をお願い致します」
「えええ!」
「これは王の務めでございます」
「面倒だけど、仕方がない。分かったよ」
コメットには休養と食事が必要だった。
3日間はあっという間に過ぎ去った。
「コメット様、国民が城の外に集まりました」
バルコニーから外に出る。
「皆さん、私達はガーマ帝国との戦争に勝利しました!」
「「うおおおおお!!」」
歓声が上がった。
「残念ながら、エディア共和国は滅ぼされてしまいましたが、まだ私達は生きています!そしてこれからはヴァリアス王国と皆さんで新しい時代を生きましょう!絶望のない時代を!」
「「ヴァリアス王国万歳!」」
先程より大きな歓声が上がった。
これからヴァリアス王国はどんな国になるだろうか?楽しみに思うコメットだった。
読んで頂きありがとうございます。
少しでも気に入っていただけましたら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願い致します!
★いくつでも良いので応援していただけると嬉しいです。
続きが気になる方は
『ブックマーク』
をお願い致します!
『感想』
『レビュー』
もお待ちしております!




