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 無駄にフラグを立ててみたけど、残念ながらフラグとブラックホールは消滅した。


「雑魚かと思ったが、やるじゃないか!」


 魔王は嬉しそうに言う。


「じゃあ、次はこっちの番ですね」


 魔力を圧縮して針のようにしたものを無数に作った。


「圧縮ファイアアロー100連!」


 針状の超高熱となったファイアアローが魔王に向けて連射される。


「無詠唱だと!?しかも、そんな魔法は聞いたことが……グアアアアア!」


 魔王はハリネズミのようになって内部から燃える。


「ハァハァ、私にここまでダメージを与えた奴は初めてだ。だが無駄だ」


 魔王のダメージはどんどん回復していく。


「まさか、不老不死ですか?」


「私は闇の神に愛されている。魔力がある限り再生することが出来る。不死といっても過言ではないだろう」


「なるほど」


「では次は私の番かな?貴様を殺すにはもっと闇の力が必要なようだ」


 魔王がどこからともなく黒い宝珠を取り出した。


「闇の宝珠よ!その力を開放し、生きとし生けるものの生命を奪いたまえ!」


 少し離れた位置を飛んでいた鳥が落ちていく。


 闇の宝珠が近くに居る者の生命力を奪っているようだ。


 どんどん力が抜けていく。俺は無限の生命力があるけど、ハティはまずい気がする。


「ハティ!出来るだけここから遠くへ離れろ!アンナとルネとマルク君も連れて行ってくれ!」


 周辺の草木も枯れていく、範囲がどんどん広がっているようだ。


「ハハハ!これが闇の力だ!誰も闇の力には勝てない!それが真実だ!」


「はいはい、盛り上がってるとこ悪いけど、止めさせてもらうよ」


 瞬時に魔王の隣に移動し、魔王にボディブローを50発叩き込む。


「おげぇーーーー!!」


 さすがに魔王もボディブローは痛かったようだ。


「おぇっ……ハァハァ……貴様は何なんだ。こんな人間が存在するはずがない」


 呼吸が乱れた状態で魔王がコメットを睨む。


「ただの人間ですよ。不老不死のね」


「不老不死だと!?それが本当なら勝てないはずだ」


「では、戦うのはやめますか?」


 魔王はニヤリと笑う。


「ああ、貴様と戦うのはやめだ。だが、貴様を倒すことはやめぬ!」


 ドスッという音と共に黒い宝珠が魔王の胸に埋め込まれる。


 魔王の姿が巨大化していく。


「グオオオオオオオ!力が溢れる!抑えきれん!」


 魔王の身体から黒い煙がいくつも立ち上る。


「この力で、この星を破壊する!星がなくなれば貴様は生きてはいけまい!」


 それはマズイ。また数十億年も星を眺めるのは勘弁してほしい。


「させません!」


 魔王を倒しに向かう。


「お前の負けだ!アルティメットブラックホール!!」


 魔王を中心として上空に巨大なブラックホールが発生する。


 ブラックホールは周りの建物や植木など、なんでも吸い込んでいく。そして更に巨大化する。


 あのブラックホールはストレートパンチでは砕けない規模だと本能で理解した。


「何かないか!?このままだと星が終わる!」


 走馬灯のように今までの人生がフラッシュバックする。


 《スキル:コメットを取得しました》


 以前、隕石にぶつかった時に覚えたスキルだ。


 ああ、このスキルは出来れば使いたくなかった。


 城のほとんどがブラックホールに飲み込まれていく。


 でも、今はこの方法しかないだろうな。迷っている暇はない。


 コメットは右手でアルティメットブラックホールを指差す。


「コメット!!」


 アルティメットブラックホールよりも更に上空から紫色の魔力を帯びた隕石が落ちてくる。


 コメットはとっさに防御態勢をとる。


 その直後、隕石はブラックホールと衝突し、膨大な熱と衝撃が発生した。


 周囲半径10キロメートルはクレーターとなった。


 全てが収まったあと、魔王の姿もコメットの姿もなくなっていた。

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