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 2日後、ヴァリアスに戻ってきた。


 ハティに乗っていたナビは普段使わない筋肉を使ったのか、動けなくなって寝込んでいる。


 ナビを休憩させている間、戻ってきていたセバスチャンから報告を受ける。


「シャトラインは無事、奪還致しました。ですが、既に建物の大半は壊されておりました。代官デブラジオは最後まで街に残って戦死したようです」


「そうか、デブラジオが死んでしまったか。最後はしっかりと弔ってやってくれ」


「はい、現地で戦死した者たちは既に手厚く弔いました」


「シャトラインの復旧については任せる。誰か適任者を見つけて代官にしてくれ」


「はい、各地から避難してきた者の中で元領主がおりますので選別致します」


「元首都ロートスも同様に街はほとんど破壊されていた。そこも同時に復旧作業を頼む。魔法大学を襲っていた魔物は全て片付けたから、大学との行き来にロートスは必要だ」


「畏まりました。ところでコメット様はこれからどうするおつもりですか?」


「帝国に向かう。こんなことをした皇帝にはお仕置きが必要だからな」


「承知しました」


「じゃあ、準備したら出発する」


「お気をつけていってらっしゃいませ」


 ナビが休憩している部屋に行く。


「ナビの調子はどう?」


 アンナ達に尋ねる。


「まだ調子が悪そうです」


「そうですか。でも、先を急ぐから回復魔法をかけます。ハイヒール!」


「ニャ……ここはどこ?私は誰?」


「ここはヴァリアスの城の医務室で、名前はナビです」


「ハッ!犬が強烈な急加速で殺そうとしてくる夢を見たのニャ!」


「それは夢ではありません。正夢です」


「正夢?それはどういう意味ニャ?」


「今からハティにまた乗って帝国に案内してもらいます」


「ギニャアアア!パタッ……」


 自分でパタッとか擬音を発しつつ倒れる猫。


「面倒だからこのままハティに乗せて出発しましょう」


「了解」


 ルネがナビを担いでハティに乗る。


「今の気絶は冗談ニャ!謝るから!犬の上はイヤニャー!」


 そう言われてもナビの速度では帝国まで1ヶ月以上かかりそうなので却下するしかない。


「申し訳ないけど、急がなきゃいけないんだ。ハティの上で我慢して下さい。じゃあ、皆さんまた走りますよ!」


 本当は空の移動手段を考えたいけど、そんな余裕もないから仕方がない。


 ナビの叫び声と共にヴァリアスを出発した。

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