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「セバスチャン、コメリの皆、ドラゴン達、使用人達、冒険者の方々。ごめん!そして、この街を守ってくれてありがとう!」


 コメットの周りには街を守るために奮闘した全員が集まっていた。


 戦えない人達は街の北に避難している為、呼び戻しに行っている最中である。


「コメット様、よくぞ戻ってきてくれました」


「コメット様はここで終わる男じゃねえと思ってたよ!」


「リーダーは約束守ると信じてた」


「コメット様万歳!」


 セバスチャンの言葉をきっかけに皆が声をかけてくる。


「コメット様、エディア共和国は滅んでしまいました。ここにヴァリアスという国を建国されてはいかがでしょうか?」


「国か、それはそれで面白そうだな。帝国にも対等な立場で反撃したいし、建国しよう」


「皆の者!我々はここにコメット様を王とするヴァリアス王国を建国することを宣言する!」


 セバスチャンが声高に宣言する。


「「うおおおおおおおお!!」」


 全員から歓声が上がった。


 気軽に建国にOKを出しちゃったけど、大丈夫だろうか?しかも王国なの?


 まぁ、どうにもならなくなったらセバスチャンに任せればいいよね。



 城に作戦室を作り、作戦会議を行う。


「セバスチャン、現在の戦況は?」


「現在、西のガーマ帝国と南のゴリンゴル獣国から侵略を受けています。元エディア共和国の領地はその2カ国が占領しています」


「魔法大学も占領された?」


「いえ、魔法大学の強力な結界により籠城しているようです」


「そっか。シャトライン奪還作戦はどうする?」


「シャトラインの住民のほとんどはヴァリアスに避難済みです。今シャトラインに居るのは帝国兵と魔物のみだと思われます」


「じゃあ、帝国兵は生け捕り、魔物は殲滅でいいかな?」


「はい、問題ありません」


 よし、ここは王っぽく誰かに動いてもらおう。


「俺の代わりにシャトラインに行きたい人は挙手してくださーい」


 バッ!とその場の全員の手が挙がる。


 いや、マルク君だけは挙手していない。情けない男ランキング1位の座はしばらく安泰だ。


「えーっと、じゃあ、セバスチャンが将軍で必要な軍を編成してちゃちゃっと終わらせてきて」


「畏まりました。では早速準備をして出発致します」


「頼んだよー」


 セバスチャンに任せれば大丈夫だろう。


「コメリの皆には他に頼みがある。俺と一緒に魔法大学を助けに行ってほしい」


「はい!アンナ達はパーティーですから、どこにでも行きますよ」


「ボクは魔法大学に入りたい」


「ルネ、それは無理だと思うんだけど」


「よし!それじゃあ、早速準備して行きましょう!」


「「「おー!!」」」


「ワン!」


「おお!ハティ!久しぶり!」


 ハティはいつも通り肩に飛び乗る。


 使用人達に回復薬を用意してもらって、各自装備の点検も問題なさそうだ。


「じゃあ、出発!」

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