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次の日、朝目を覚ますと、3人とも目を覚まして入念に準備をしていた。
「おはようございます。皆さん早いですね」
「おはようございます。コメットさんはお疲れのようでしたので起こさないようにしていました」
「疲れてはいないんだけどね。なんとなく寝れるときに寝るような体質になってしまったようです」
辺りを見回すとテーブルに1人分の食事が置かれている。
「あ、その食事はコメットさんの分です」
「ありがとうございます。食事が終わったら将軍のところに行って最後の作戦会議をしましょう」
「「「はい!」」」
食事後、昨日の作戦室に向かった。
「将軍、おはようございます」
「ああ、おはよう。コメット殿、いよいよだな」
「そうですね。最後に作戦の確認に来ました」
「そうか、ではそこの椅子に座ってくれ」
将軍はテーブルに広げてある地図を指差す。
「ここが今私達が居る要塞だ。そして今から1時間後に東側の門を開ける。それと同時に西側の門で戦闘を開始し、敵を引きつける」
「西側で敵を引きつけるのはどなたが行うのですか?」
「私と部下50名だ」
「しかし、それでは将軍は逃げ切れないのでは?」
「私は逃げる気などない。ここで最後まで戦い抜く」
「そうですか、なら俺も西側で陽動として動きましょう」
「コメット殿が!?」
将軍とコメリの3人も驚いている。
なんとなく将軍をここで死なせたくないと思ってしまったのだ。
「俺が陽動に加われば作戦の成功率が格段に上がりますし、逃げ足はここに居る誰よりも速いですから問題ありません」
「そこまで言うのなら、こちらからもお願いしよう。ありがとう……!」
「いいですよ。そういうわけでアンナとルネとマルク君は西側の門を出て、正面突破でお願いします」
「分かった。でもリーダーも必ず戻るって約束……」
「大丈夫。必ず戻ります」
ルネと約束する。
「マルク君もそんなに緊張することないですよ。LV100を超えているんですから自信を持ってください」
緊張で震えるマルク君の頭をポンと叩く。
アンナと頷きあって、各自の配置に向かった。
1時間後、予定通り西側の陽動が始まった。
西側の門が開き、最前線のデーモン達と対峙する。
ここはド派手に見せたほうが良いだろう。
「ヘルファイア!」
巨大な火柱が上がり、デーモン達が跡形もなく燃え尽きる。
「「おおー!」」
将軍の兵士たちが歓声を上げる。
「フリーズ!」
次は上級氷魔法で広範囲のデーモン達を氷像に変える。
帝国兵達は、巻き添えを恐れて近付いては来ないようだ。
「ストーム!」
上級風魔法により数百のデーモン達が空高く舞い上がる。
ちょっとやりすぎたかな?などと思っていると帝国側から1人、赤いローブの男が歩いてくる。
「グルルルル」
肩に乗っているハティが珍しく唸っている。
少し離れたところに男が立ち止まると、こちらに手をかざした
何をする気だろう?
じっと男の顔を見るとその男の口元は笑っていた。
男の口が開き、何かの言葉を紡いだ。
直後、俺の意識は暗転した。




