008
それから5億年が経過した。その5億年は今までとは劇的に生物が進化した。
まずは海の中の生物が数、種類ともに爆発的に増えた。あの有名な三葉虫らしき生物も居た。
そして、陸地では植物が増えてきた。更に昆虫も見かけるようになった。
それからも海の生物は進化を続けていき、魚類が増えていった。
そして魚が陸上に進出し、爬虫類になった。爬虫類は恐竜へと進化した。
恐竜の数がどんどん増えていくと鳥類も見かけるようになった。地球で言うところのジュラ紀である。
「時は満ちた……!」
木の上で仁王立ちになったコメットは中二病のようなセリフを吐いた。
クラゲを倒しすぎて絶滅させかけたことを猛省し、様々な生物が繁栄するのを静かに待っていたのである。
今の目標はレベル上げと戦闘系スキルの取得だ。
「うおっ!やめろおお!今いい場面なんだから葉っぱを食べるんじゃない!!」
ブラキオサウルスがコメットが仁王立ちしている木の葉っぱを食べている。そのせいで木は大きく揺れる。
「あっ!」
ドサッという音と煙が舞い上がる。コメットは地上に落とされた。
「許さないぞ!コノヤロー!」
腹いせにブラキオサウルスの足を殴りつける。しかし、ブラキオサウルスを倒すどころか怒りを買ってしまった。
「ドスーーーーーーーーーン!!」
コメットはブラキオサウルスの足に踏まれて気絶した。……数時間後。
「知らな……知ってる空だ。」
コメットは意識を取り戻すと何故か言わなきゃいけない気がしてセリフを吐いた。
まだブラキオサウルスは倒せないようだ。
とりあえずは小さい恐竜から倒そう、そうしよう。とにかく小さい獲物を求めて歩き回る。
「見つけた!」
コメットの視線の先には、小さい羽毛に覆われた恐竜が居た。素早そうな見た目をしている。
「鑑定」
【ミクロラプトル】
LV:50
HP:100
MP:1
STR:20
VIT:10
DEX:10
AGI:50
INT:5
LUK:1
スキル:飛行
小型羽毛恐竜。前肢のみならず後肢にも発達した飛行用の羽毛を持つ。
「こいつ……飛ぶぞ!」
コメットは焦った。何故ならコメットは飛べないからだ。
ミクロラプトルに飛んで逃げられたらどうしようもない。
少し考えるような仕草をした後、思いついたようなリアクションをする。
「そうだ!石を投げよう!」
近くに落ちている石を拾って投げる。
石は運良くミクロラプトルの脚に当たり、ミクロラプトルはその場で暴れている。
もう一度石を拾って投げると頭に当たり、倒すことができた。
《スキル:投擲1を取得しました》
「これから毎日石を投げようぜ!」
今後の予定が決まったようだ。