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 魔法大学で特別顧問となったコメットには、新しい自室と研究する為の部屋が与えられた。魔法大学の30階の全ての部屋であった。


 いつもの鍛冶窯や炭窯も用意してある。必要な鉱石も大量に購入済みだ。


 魔法の鍛錬は欠かさずやっている。スキルレベルを最大にするのは相当に大変だ。


 本日は特別顧問となった特典として一般公開されていない魔道書を読めるとのことなので、突撃取材にいきたいと思います。


「こちらレポーターのコメットです。居ました!目撃者かもしれないのでインタビューしたいと思います。今お時間よろしいでしょうか?」


 受付のベルさんにマイク(模型)を向ける。


「コメット様、何の真似ですか?遊んでいるのでしたら、仕事の邪魔はしないで下さい」


 冷たい目で見られてしまった。めげずにインタビューを続ける。


「最近、一般公開されていない魔道書が存在するとの噂がありまして、何かご存知ですか?」


「ふう、仕方がないですね。その魔道書でしたら29階の図書室の奥にありますよ」


「皆さん!聞きましたか!有力な情報を得ることが出来ました。早速向かうことにしましょう!カメラさんこっちです」


「ワォン!」


 カメラ役のハティが付いて行く。


「やっぱり遊んでるだけじゃないですか!」


 ベルさんの怒りの声は誰も居なくなった玄関ホールに響いた。


 コメットとハティはエレベーターで29階に到着した。通路を歩きながら図書館らしきものを探す。


「ハティ、魔道書の匂いを探すんだ!」


「ワン!」


 手乗りサイズのハティが走り出す。目的の物を見つけたようだ。


 ハティが扉を引っ掻いている。扉を開けて部屋に入ると、会議室で何故か目隠しと鼻栓をしながら焼き肉を食べているカールが居た。


 カールは無詠唱を研究している魔術師である。前回は口を閉じる事を一旦諦め、目を閉じて魔法を命中させる研究をしていたはずだ。


 何故焼き肉を食べているのか分からないがハティは焼き肉の匂いに釣られてしまったようである。


 コメットは静かに扉を閉じた。そして今の記憶を厳重に封印した。


「ハティ、魔道書の匂いを探すんだ!(テイク2)」


「ワン!」


 ハティが走っていく方向を見ると、扉は既に開かれており、まさしく図書館であった。


「ハティよくやった!よーしよしよし!」


 ハティをひとしきり褒めた後、肩に乗せる。


 図書館には司書が居た。


「こんにちは、こちらに一般公開されていない魔道書があると聞いたのですが」


「はい、御座います。魔術師ギルドの登録証の提示をお願いします」


「はい、どうぞ」


 透明から黒く変色した登録証を提示する。


「はい、確認しました。コメット様こちらへどうぞ」


 司書がいた受付の後ろにある本棚に手をかざすと本棚が移動し通路が現れた。


「こちらです」


 司書は通路の奥へと進んでいく。通路の途中にも分厚い本が飾られている。


 司書が立ち止まる。そこには1冊の本があり、開けられないように鍵がかかっている。


 司書はその鍵を外して本を渡してくれた。


「本はここから持ち出さないようにお願いします。帰るときは声をかけて下さい」


「分かりました」


 早速読むことにする。ちなみにハティは近くで寝ている。


 どうやらこの魔道書は伝説の魔術師マールンの自伝のようだ。


 熟読した結果、この魔道書は上級魔法が2つだけ書かれている事が判明した。


 冴ゆる氷雪の力よ フリーズ

 凄烈なる暴風の力よ ストーム


 この2つを知ることが出来た。


 新しい魔法を覚えるのは楽しいものだ。


 そして新しく覚えた魔法はすぐに試したくなってしまうのもまた仕方がないことであった。


 新しい魔法を知ったコメットは司書に礼を言い急いで図書室を去っていった。新しい魔法を試す為に。

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