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049

 地下50Fボス部屋の魔法陣に乗る。


「まさか、ここまで辿り着くとは思わなかったぞ!コメットオオオ!」


 ドーム上の空間で岩に囲まれている。真ん中に祭壇があり、ダンジョンコアと思われる宝玉が浮いている。その下に居る男が両手を広げて先程のセリフを叫んだ。


「えーっと、どちらさまでしたっけ?」


 本当に思い出せない。


「馬鹿なお前にも分かるように名乗ってやる。我輩の名前は」


「カール!」


「違う。我輩の名前は」


「オーサ!いや違うな。デブラジオ!」


「どちらでもないわ!黙って聞け!我輩の名前はフォルマン!魔法大学の副学長である」


「惜しい!もう少しで思い出せたのに。それでフォルマン副学長の目的は何ですか?」


「ふむ……まぁ冥土の土産に教えてやろう。このダンジョンのマスターとなり、世界中の力と魂を集めて不老不死になることだ!」


「不老不死なんてそんなに良いものじゃないですよ」


 コメットは遠い目をしながら答える。


「分かった風なこと言うな!邪魔する奴は許さん!消え去るがいい!業火の力よ 爆さ」


「ヘルファイア!」


ぶっつけ本番でレッドドラゴンのヘルファイアを真似したら上手くいった。


「グアアアアアアアアア!無詠唱だとおおおおお」


 黒く焦げたフォルマン副学長が立っている。


「……こう・・なっ・・た……ら……」


 フォルマンからゴキゴキと異音が鳴る。フォルマンの身体が徐々に大きくなっていく。身長が4メートル程度になった。


「人間をやめてしまったみたいだなフォルマン副学長」


「……ダマレ……ハラヘッタ……クウ!」


 鑑定している余裕は無い。


 プロテウスを槍モードにして戦う。人間をやめてしまったフォルマン副学長の腕はとても長く剣では届かない。


 フォルマンはがむしゃらに腕を振り回してくるだけだが、腕は金属のように硬く身体能力が向上しており侮れない。


 何度か心臓を突こうとしたが、弾かれてしまった。


 俺は攻撃が弾かれたことに少し動揺してしまった。その隙をフォルマンは見逃さなかった。巨大化し硬質化した牙で噛み付いてきたのだ。


 躱しきれないと判断し、プロテウスを盾にしたが、噛み砕かれてしまった。


ドラゴンの鱗を斬り飛ばすほどの強度がある武器だったのだが、あの牙はそれ以上の強度があるようだ。


 腰の仕込杖イチを持ち、刀を抜く。魔力を極限まで込める。


 フォルマンの関節は曲げ伸ばしをする為、金属のように硬くはない。そこを狙って仕込杖イチで斬りつけるとフォルマンの手首が切り離された。


 血も出てこないこようだ。フォルマンは完全に人じゃなくなってしまったようだ。


 次は肘、肩と斬りつける。フォルマン副学長は攻撃手段を全て失ってしまったようだ。


「モウ……オワリダ……」


 フォルマンは目を閉じると身体が膨張してひび割れ光り始める。


 あ、これ。自爆するやつだ。


「アースウォール」

「アイスウォール」

「ブラストウォール」


 とにかくウォール系の魔法でフォルマンの周りを何重にも囲む。


「アースディグ」

「アースディグ」

「アースディグ」

「アースウォール」


 足元を掘って下に逃げる。アースウォールで蓋をした。その時、爆発が起きた。

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